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いつまでもこのタイトルで書いていくことは読まれている人にとっても飽きがきそうなので次回から別タイトルを使いたいと考えています。そこで最終回として、なぜ経済が崩壊するのか、その原因はどこなのかをかいつまんで書いてみたいと思います。
そして何回も書いているようですが私が貨幣についての文章を書く上で基本となっている考えはなんと言っても「A・Eの関係」です。その考え方が無かったら私自身貨幣とは何かと言うことを理解できなかったでしょう。その考えが生まれたからこそ現在まで進んできたといえます。
そこで貨幣とはAからBに貨幣が渡るにはBの労働をAに渡しAの持っている貨幣を受け取る。この関係が貨幣の交換機能という物々交換時代から引き継がれてきたものであり、ただそこにはもうひとつの機能として、保存機能と言う溜め込んでしまうことのできる働きが付随していた。しかしそれを研究する人が数千年経った現在まで現れることなく、研究されないことを良いことに、限られた貨幣量(注1)の中で片一方の人間はより多くを持ち、片一方は少ないかゼロ(失業者)に等しくなってしまう。それが格差と言うことになります。
このような状態を永く続けば当然社会不安に発展することは間違いない。どのような時代でも言えることだが貧者は食うために、生きるために、ムシロ旗を立て現状の境遇からの脱却を訴える。
そこに現れたのがケインズ経済であり貨幣量が少ないために経済が落ち込むという考え方で、貨幣をより多く刷り公共事業を通し人々に渡せば経済は活発に動き出すと言う理論となった。
だがどのようなことをしても最終的に市中の貨幣量は一部の人間の掌中に入ってしまい、やがては交換に回る貨幣量は少なくなっていくことになります。
金本位制から金の兌換停止と言う処置がとられたのは歴史的にはまだ最近の出来事になります。金(キン)と言う現物ではより多くを稼ぎ出したものは金と言う現物(1トロイオンス35ドル)で金を溜め込んでしまう。貨幣量が不足すればデフレ現象となり、売れない商品を作っても事業が成り立たないと言うことから雇用が急激に落ちる、失業者が巷に溢れることになる。そこで金の兌換停止
http://electronic-journal.seesaa.net/article/102553192.html
と言うニクソン声明となったわけです。ここから金に変わって印刷した紙が主流になっていくわけです。そしてやがて金利をつけた国債との交換が主流を占めてきたわけです。この元になっているのが貨幣の保存機能です。
保存機能と交換機能とを分離をさせればこのような問題は起こらなかったと言えます。
当然これらの貨幣の機能を理解していれば、最終的に何が起こるかも理解できるわけです。
現在の唯一貨幣から保存機能を分離させ独立させたものが国債という市場での取引しかできない貨幣とは違う商品となったわけです。だが期間を決めているわけですから金利支払いと同じように償還日には額面で返さなくてはなりません。さらに償還のために新たな国債を発行していく、と言う下向きスパイラルに落ち込んでいるのが現在の世界です。この原因は貨幣の保存機能に甘えて利益を多大に膨らませていた一部の人の欲と言えるものなのです。
やがて国債の支払いができなくなれば経済はストップしてしまいます。一言で言えば保存機能が経済を崩壊させてしまうと言うことになります。
注1=ある一定の社会の中ではおのずと貨幣量は限られている、その基本となっているのが需要と供給のバランスと言う、労働で作られた商品を買う人と、作る人の関係であり。貨幣量が多くなれば買う人が多くなり、製造が間に合わなくなる。そこに需要と供給のバランスが崩れたと言うことになる。
次回にも続きます。
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