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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013012702000086.html
2013年1月27日 東京新聞 朝刊
東京電力は福島第一原発事故による魚類の汚染拡散を防ぐため、港湾内に生息する魚の駆除に乗り出す。漁業に使う網で港湾を封鎖し、高濃度の放射性物質に汚染された魚が沖合に泳ぎ出るのを防ぐとともに、とった魚を分析して汚染の経緯を調べる。三月から網の設置に取り掛かる。
堤防に囲まれた約十三万平方メートルの港湾は1〜6号機に面し、事故後に放射性物質に汚染された水が流れ込んだり、東電によって大量に海洋投棄されたりしたため、湾外に比べて汚染の度合いが極めて高い。
昨年十二月にとったムラソイからは一般食品の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)の二千五百四十倍に当たる二五万四〇〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。
水産庁によると、原発沖の海中のセシウム濃度は減少傾向で、基準値を超える魚類の割合も低下しているが、第一原発から約二十キロ離れた海域(福島県南相馬市沖)で、アイナメから二万五八〇〇ベクレルが検出されるなど、突出して高い値の魚が見つかることがある。
東電は、汚染された魚はもともと港湾に生息していたとみているが、いつどのようにセシウムが蓄積されたかという点ははっきりしない。
アイナメは広い範囲を回遊する性質がないため、湾外に汚染濃度が高い場所がある可能性も残る。
東電は港湾口を刺し網でふさいで魚を全てとった上で、汚染の経緯を突き止めるため水産総合研究センターに調査を依頼する。
魚の頭には「耳石」という器官があり、木の年輪のように成育状況が分かることから、水産庁は「汚染水の海洋投棄時に一気に蓄積されたのか、事故後も恒常的に被ばくしていたのかが分かる」としている。
調査は三月末までに終わる見込み。
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