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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012490071627.html
2013年1月24日 07時16分 東京新聞
東京電力が二十三日に新たに公表した福島第一原発事故をめぐる社内のテレビ会議映像で、東電は建屋にたまった高濃度汚染水が、海に漏れる危険性を知りながら、汚染水による作業員の被ばく対応などに追われ、漏出防止対策を後回しにしていたことが分かった。
今回公開されたのは、二〇一一年三月二十三〜三十日と四月六〜十二日の映像。これまで二回の公開分と合わせ、事故後一カ月間のやりとりがそろった。
会議の映像を分析すると、東電は三月二十日前後は、使用済み核燃料プールに向け大量に放水される水が、建屋などに付いた放射性物質を洗い流し、海に流れ込む可能性を非常に気にしていた。
しかし、二十四日に3号機タービン建屋地下で作業員らが高濃度汚染水で被ばく。汚染水の分布調査や、増え続ける汚染水の移送先の確保に追われた。
その後、放水口近くの海水から高濃度の放射性物質が何度も検出され、海への漏出防止策に注力する転換点はあったが、後回しになっていた。
二十八日になると、建屋内の汚染水は外のトレンチ(配管用の地下トンネル)や海のすぐ近くにある立て坑にまでたまり、いつ海に漏れてもおかしくない状況だった。
だが、東電本店では「単純にトレンチまで(汚染水が)いってますと、今まで言っていない事実だけを公表する」などと、発表は必要最小限の内容にとどめる方針が決められていた。その一方、海水の汚染の原因究明や防止策を話し合う場面は見られなかった。
四月二日、2号機取水口近くで毎時一〇〇〇ミリシーベルト超の汚染水が海に漏出していることが判明。その後になって、東電は立て坑をコンクリートでふさいだ。
早い段階でこうした対応をしていれば、海への漏出は防げた可能性が高い。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は記者会見で「汚染水の海への漏出を把握したのは四月二日が最初」とあらためて強調し、「その時点でできる対応をしていた」と釈明した。
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