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除染戦略 具体策見えず 環境省が対策公表
2013年1月19日 東京新聞[総合]
東京電力福島第一原発事故に伴う除染は、総額1兆円を優に超える。だが、手抜きの作業、作業員への不透明な給与支払い、ずさんな放射線管理など重要な問題が次々と発覚した。環境省は18日、対応策を公表したが、監督する職員を増強するなど目先の対策ばかり。これまでのような除染のやり方で巨額の税金投入に見合う効果があるのかなど根本的な戦略は見えない。(大野孝志)
◆手抜きの対応に終始 厚労省管轄 口挟めず
除染は、原発20キロ圏を中心に、建物や道路だけでなく、山林も対象に、全域で放射線量を下げるという途方もない事業。
作業員に適切な賃金が支払われ、不要な被ばくもせず、適切に表土や落ち葉などが処理され、地元住民の信頼も得ないと、除染は成功しない。
広大な除染対象を前に、国の直轄事業といいつつ、実態は元請けのゼネコンに丸投げになりがちで、一連の問題が各地で起きる原因にもなっている。
だが、環境省の対応策は、高圧洗浄で出た汚染水や除染で集めた枯れ葉が適切に処理されない手抜きへの対応に終始している感は否めない。
宿泊費などの名目で給与を目減りさせたり、業者が負担すべき健康診断費や安全講習費も作業員に負担させていた。現場の放射線量を作業員に伝えないなどずさんな安全管理の実態も、明らかに国の規則違反だが、担当が厚生労働省とはいえ、今回の対応策には入っていない。
除染現場からは「除染した部分の線量は確かに落ちるが、やりました、という言い訳のようにやったのでは、全体としての効果はどうか…」と、懐疑的な声も出ている。
除染現場の安全を守りつつ、どう放射性物質を減らす戦略があるのか。この日、記者会見した井上信治・環境副大臣に問うと「線量を下げる効果の検証はしっかりやる。地元の人にも積極的に関与してもらい、信頼を得たい」と意気込みを語ったものの、具体的な戦略への言及はなかった。
◆作業員 苦しみの声
「適当にやれ、と言われてつらかった」。現場の責任者から指示され、やむなく集めた枯れ葉を川に流した作業員たちは、本紙の取材に苦しい胸の内を明かした。(片山夏子)
福島県田村市の山間部で作業をしていた男性は昨年秋、班長から「川に流しちゃっていいよ」と言われ、仲間と顔を見合わせた。確かにシートにくるんだ枝や葉を急斜面の上に移すのは重労働だが、まさかの指示。冗談と思ったが何度も言われ、仕方なく流した。
年末が近づくと「工期に間に合わない。丁寧にやるな」との指示も出た。草や枝を根元まで刈らずにごまかしたり、岩についたコケも見える所だけ落としたりした。
「除染効果が出るのを楽しみにしていた」という別の作業員によると、指示した班長も上位の下請け会社の人から指示を受けていたという。
別の作業員は「役に立ちたいと、誇りを持って仕事をしていた。手抜きを指示され、やる気がなくなっていった」と語った。
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