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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130118-00000003-pseven-soci
週刊ポスト 2013年1月25日号
2013年になって明るみなった“手抜き除染問題”によって、放射線量が改めて注目を浴びている。震災復興のためには、現実的で前向きなプランを提示すべきだと繰り返してきた大前研一氏は、非現実的な現在の除染基準値についても、問題点を指摘している。
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また、大熊町と双葉町以外で警戒区域や「計画的避難区域」(半径20キロ以遠であっても気象条件や地理的条件によって事故発生後1年間の放射線の積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれのある区域)に指定されている南相馬市、富岡町、楢葉町、浪江町、飯舘村、葛尾村など9市町村についても、政府の中途半端な方針が復興を妨げている。
今は事実上、年間の追加被曝線量が1ミリシーベルトを超える地域はすべて除染するということになっているため、それらの市町村では除染利権が拡大し続けている。だが、だからといって元の土地に安心して住める状況にはなっていないし、政府の安全宣言も出ていないから、住民は自宅に戻ることができないでいる。
これは現在の1ミリシーベルトという基準値がおかしい。1ミリシーベルトは普段の生活で受けている天然の放射線量とほぼ同じである。そんなものを基準値にしていたら、未来永劫、除染を続けなければならない。
基準値は当面10ミリシーベルトが妥当だと思うが、世界を見渡せばそれ以上の基準値でもおかしくはない。どうしても出現するホットスポット(局地的に放射線量が高くなる地点)には厳重に対処しつつ、せめて10ミリシーベルトまで除染したところは「もう終わり」にして安全宣言を出し、希望する住民には戻ってもらうようにすべきなのだ。
もし10ミリシーベルトでは気になって戻りたくないという人がいたら、政府が他の土地への引っ越し費用を手当てすればよい。そういうデッドラインを設けないと際限なく時間がかかり、公的負担が雪ダルマ式に膨れ上がるだけで、何も進捗しないのである。
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