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とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
福島第1原発事故を巡る東電幹部に対する集団告訴に関連し、検察当局が患者ら50人が避難先などで死亡した双葉病院の関係者から任意で事情聴取を始めた。患者と避難を共にした系列の老人保健施設「ドーヴィル双葉」(大熊町)の利用者で、避難中に死亡した渡部玉子さん(当時88歳)の長男武さん(61)は「なぜ母は死んだのか。真相を知りたい」と訴える。
「いわき光洋高校から磐梯町に至るバスの車内。16日午後10時ごろと推定。直接死因は急性心筋梗塞(こうそく)」。川内村で被災し、いわき市の仮設住宅で避難生活を送る武さんが、玉子さんの死亡診断書を見せてくれた。
玉子さんを含むドーヴィル双葉の利用者98人は11年3月14日午前、原発事故の避難で大型バスに乗せられ、約10時間かけて県立いわき光洋高校に着いた。玉子さんは高校の体育館で二晩過ごし、16日にバスで会津地方に移動中に亡くなった。
玉子さんは足腰が悪く車椅子生活だったが、体調は良く、見舞いに行くと笑顔を見せたという。武さんは「今でも死んだことが信じられない」と語る。武さんは3歳のころ、子供のいなかった親戚の玉子さんの養子になった。「面倒を見てくれた。恩返しもできていないのに、逝ってしまった」
武さんは村役場に震災関連死の認定を申請して認められ、災害弔慰金250万円を受け取った。集団告訴には参加していないが、11年末には東京電力に「死亡したのは事故による避難のため」と約2800万円の損害賠償を求めた。1年後の答えは「705万円」だった。「クラシックカーを持っている友人から、その車の損害賠償金額は900万円と聞きました。東電にとって母の命は車よりも安いんですね……」と武さん。
面会に行くたびに玉子さんは「家に帰りたい」と話した。妻に介護ヘルパーの資格を取ってもらい、在宅介護の準備をしている矢先の事故だった。「申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、今は花を供えることしかできない」。そう言って、武さんは玉子さんの遺影を見つめた。【神保圭作】
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130113ddlk07040044000c.html
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「東電にとって母の命は車よりも安いんですね」。
つまり,こういう考え(命より物質)の人じゃないと原発などできないということです。
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