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2013/1/4 19:16 日経新聞
水産庁は、東京電力福島第1原発事故の影響で放射性セシウムに汚染された魚の汚染源や経路を解明する研究に乗り出した。放射性物質が蓄積される「耳石」と呼ばれる魚の器官の調査や海底の土の測定に取り組む。風評被害の防止につなげる狙いがある。
今回の研究は、水産庁から委託を受けた独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)などが2012年11月から13年3月まで実施する。
魚の平衡感覚をつかさどる耳石にできる年輪のような輪に着目し、削って調べることで放射性セシウムが付着した時期を調査。原発事故直後に一気に汚染されたのか、少しずつ蓄積されたのかなど、汚染の過程の解明を目指す。
福島県沖海底の土の調査では、新開発の装置を船で引いて滑らせ、連続して汚染の度合いを測定する。これまでの測定は調査範囲が限られていたが、今後はより広い範囲で濃度の高い場所の分布が捉えられるようになるという。
水産庁が原発事故後から続けてきた魚のサンプル調査で、放射性セシウムの検出値は減少傾向にある。
それでも、例えば福島県沖で12年夏、アイナメで基準値の258倍の1キログラム当たり2万5800ベクレルが検出されるなど、異常値が出る魚が残る。原因は不明で、水産庁は「一部でも謎のままでは安全な魚まで信用されなくなる」と危ぶんでいる。〔共同〕
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