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http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130101/mcb1301010502009-n1.htm
2013.1.1 05:00
2013年は、3年間続いた液化天然ガス(LNG)国際価格の上昇に終止符が打たれそうだ。東京電力福島第1原子力発電所の事故後に相次いで停止されていた日本の原発の一部が再稼働するとみられるためだ。アジアのLNG価格が下落すれば、中東やアフリカの生産国にとって打撃になる一方、世界最大のLNG消費国である日本の経済には押し上げ効果が期待できる。
◆10年以来の低水準に
ブルームバーグ・ニュースによるアナリスト調査によると、来年の北東アジア向けLNG価格は100万BTU(英国熱量単位)=14.50ドル(約1245円)になるとみられている。財務省のまとめによれば、予想通りなら12年1〜10月期の日本の輸入価格を14%下回り、少なくとも10年以来の低水準となる。
仏銀ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、ティエリ・ブロス氏(パリ在勤)は「12年初めのLNG市場の逼迫(ひっぱく)は予想外の価格上昇につながった。15年までこの水準が続くことはないとみている」と指摘する。LNG価格は過去3年間でほぼ2倍に上昇。12年7月には過去最高値に達した。
財務省によると、12年1〜10月期に日本が輸入したLNGの価格は100万BTU=平均16.92ドル。同年10月には16カ月ぶりの安値となる同15.52ドルまで下げた。11年1〜10月期は同14.73ドルだった
東日本大震災に伴う福島第1原発での事故を受け、日本国内にある原子炉50基は関西電力大飯原発の3、4号機を除いてすべて稼働停止を余儀なくされている。
関電は12年11月、高浜原発の3、4号機を13年7月以降に再稼働する方針を発表。東電も13年4月から15年9月の間に、柏崎刈羽原発の原子炉7基すべてを再稼働する計画だ。
ソシエテ・ジェネラルのブロス氏は、今年日本で再稼働する原子炉が5基を超えた場合、LNG価格は100万BTU=13〜17ドルで推移するとみている。日本国内の原発の再稼働にあたっては、安全性を判断する原子力規制委員会の承認が必要となる。
アジアでのLNG価格の下落は、欧州向けに振り向けられる供給の増加を促す可能性がある。欧州のLNG価格は4年ぶりの高値となる水準に近づいており、港湾・海上輸送に関するブルームバーグのまとめによると、欧州最大のLNG市場である英国が12年の9〜11月期に輸入したLNG貨物はタンカー16隻分と、前年同期の35隻分から減少した。
米エネルギー・コンサルティング会社、パンユーラシアン・エンタープライゼズのザック・アレン社長は、今後の北東アジアにおけるLNGのスポット価格について、「確信はないが、春先には100万BTU=12ドル前後まで下げるものの、冬場の需要増加で日本の在庫が枯渇することから、夏に入れば同14ドル程度にまで戻すのではないか」と予想した。
またトライゼン・インターナショナルのコンサルタント、トニー・リーガン氏(シンガポール在勤)は、今後のLNG価格が12年の水準を超えて上昇する可能性は低いと予測した上で、「異常気象や極端な寒暖の変化、あるいは日本、韓国、台湾で予期せぬ原発の稼働停止が起これば、短期的な価格高騰が引き起こされるかもしれない」と指摘した。
◆プラント建設認可へ
ソシエテ・ジェネラルのブロス氏は、オーストラリアや米国、アフリカ諸国でのLNG開発計画が予定通り進展することで世界的な供給量は拡大に向かうとみている。サンフォード・C・バーンスタインによれば、豪州、ロシア、北米、アフリカ西部といった地域では大規模なLNGプラント建設の認可を控えており、13年のLNG業界に過去最大となる1億トン超の供給増をもたらす可能性があるという。
ただアフリカのアンゴラやアルジェリアでは、すでに計画の遅れも発生している。英銀バークレイズで欧州エネルギー市場調査担当責任者を務めるトレバー・シコルスキ氏(ロンドン在勤)は「アフリカ産のLNGがどの程度市場への供給にこぎつけられるかによって、来年の需給の逼迫具合が決まってくる」と指摘した。(ブルームバーグ Robert Tuttle)
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