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2012/12/31 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆このままでは再びチェルノブィリの悲劇が
2013年は原発事故から3年目となる。あの時、枝野官房長官が言い放った「ただちに人体に影響はない」の「ただちに」が、もはや期限切れを迎えつつある。
福島県では事故当時18歳以下の子ども36万人を対象に甲状腺検査を続けている。これまでに検査結果が出た9万6000人の43%に「しこり」や液体の入った袋嚢胞(のうほう)が見つかり、10代半ばの女子1人が甲状腺がんと診断された。
県の調査メンバーは「事故以前に発症していた可能性がある」と、女子のがんと原発事故との因果関係を否定したが、「隠された被曝」などの著者で、内部被曝(ひばく)の危険性を研究する琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授は事態の深刻さをこう解説する。
「チェルノブィリの北方に位置するベラルーシでは、事故の翌87年からがんの発生率が増加しました。さらに5年後には50倍規模に増えています」
今回の事故で放出された「セシウム137」は半減期が30年。事故当時に大量の放射能を浴び、セシウム137を取り入れてしまった子どもたちの体内では、今でも放射線が出し続けられていると考えていい。
「98年にベラルーシのゴメリ大学の学長だったバンダジェフスキー博士が、亡くなった子どもたち70人の臓器を解剖すると、甲状腺に1キロあたり平均1200ベクレルのセシウム137を検出しました。また、8つの臓器もセシウムに侵されていて、その量は同じように内部被曝した大人の平均2倍に及んでいました。すでに福島県では1人の少女ががんと診断されたのです。このまま、抜本的対策を打たず、放置し続ければ、がんに侵される子どもはどんどん増えるばかりです」(矢ケ崎名誉教授)
チェルノブィリ周辺では当時14歳以下の子どもだった6800人以上が甲状腺がんを患っている。発症が目立ったのは、事故から4〜5年後だ。今すぐ手を打たなければ、チェルノブィリの悲劇は間違いなく、この国でも起こってしまう。
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