http://www.asyura2.com/12/genpatu29/msg/533.html
Tweet |
原発マネーでハコモノ…住民に負の遺産
2013年1月1日 東京新聞
原発が立地する自治体は、受け入れの見返りに財政的な優遇を受け、それを元手にさまざまな施設を建てた。しかし、今やその維持費などがかさみ、ただでさえ厳しい地方の財政をさらに厳しくしている。その現場を見た。(小野沢健太、清水祐樹)
◆東通村
東北電力東通原発に加え、東京電力も含め残り3基の新増設計画がある青森県東通村。原発マネーを当て込み役場周辺をモダンな街並みにしようとしてきたが、原発敷地内の断層問題で暗雲が立ちこめている。
役場近くには、人口増を見込んで6億円かけ造成した分譲住宅地が円弧上に広がるが、120区画のうち42区画しか売れていない。スーパーの出店計画も頓挫。村には年間約500万の利子の支払いが残された。
村内の小中学校を一カ所に統合した立派な村立東通小・中学校も役場近くにある。
児童生徒は各地からスクールバスで通学するが、500人の児童生徒は29の集落に分散。バスは14台が必要で、年間の運行費は約1億1,600万円に上る。この経費もほぼ全額を電源立地地域対策交付金に依存。これがなくなれば、教育も立ちゆかなくなる。
「娘が入学するころに運営できているのかしら」。隣接の認定こども園で、3歳の長女のお遊戯会を見に来た主婦新谷美紀さん(42)は不安そうに話した。
かつて原発推進の旗振り役の一人だったという男性(72)は、役場近くにある温泉施設を訪れつぶやいた。
「あのときのおらたちは、浅はかだった」
◆玄海町
巨船のように海にせり出す温泉施設、佐賀県玄海町の「玄海海上温泉パレア」の姿に、同県神埼市の江頭忠男さん(77)がうなった。
「やっぱり原発絡みか。普通はこんな立派なもんは建てられんだろう」
人口6,400人弱の町が2004年、観光客を呼び込もうと交付金で建設した。
だが、思惑は外れ、民間事業者に毎年約3,000万円を支払って運営委託しても赤字続き。最初の事業者は2年で撤退するほどだった。
近くで貸しボート業を営んでいる中島治善さん(74)は「あれができて活気づいたなんてことはない」とため息をついた。
たまにパレアを利用するという高校生岩本愛里さん(18)は「何もない町だから、これくらいはあってもいい。原発が動けばなんとかなるのでは」と話した。
ただ、このままの状態では、運営委託料と赤字は町民がかぶり続けることになる。町は施設の目的を「地元の福祉」に変えたが、長期的な展望はない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素29掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。