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http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20121221ddlk22040082000c.html
毎日新聞 2012年12月21日 地方版
中部電力が20日、浜岡原発(御前崎市)の防波壁の4メートルかさ上げやシビアアクシデント対策を発表した。地元の県内からは「市民の安心感が増す」と歓迎の声が上がる一方、「再稼働にはつながらない」「電気料金に転嫁してはならない」などと厳しい注文も相次いだ。【樋口淳也、舟津進、小玉沙織、山本佳孝】
中電は20日午後、御前崎市と県庁で防波壁のかさ上げ工事などについて説明した。同市議会の全員協議会で水谷良亮・浜岡原子力総合事務所長らは、「かさ上げ部分の設計などはこれから行う」と表明。協議会後、石原茂雄市長は「(工事は)市民の安心感を増す。完成が少し遅れても安全なものを造ってもらいたい」と述べた。
川勝平太知事は記者らに歓迎の意向を示した上で、「対策は津波に対することで、再稼働に直接結びつくものではない」と述べた。
また、「(対策費用が)電力料金に転嫁されることのないように」などと中電に相次いで注文をつけた。
浜岡原発から10キロ圏の掛川市の松井三郎市長は「安全対策が急務。かさ上げの早期完成と(燃料プールに代わる)乾式貯蔵施設の建設を」。菊川市の太田順一市長は「国の新しい安全基準の検討が始まったばかりで、今回の中電の対応で十分な安全確保ができるか判断できない」とそれぞれコメントした。
一方、牧之原市(10キロ圏)の西原茂樹市長は、「原子炉を守ることだけではなく、地域全体を守るという発想で、もっと地元の意見に耳を傾けて」と文書で表明。袋井市(30キロ圏)の原田英之市長は定例記者会見で「津波対策工事が進んでも市民の安心感は得られない」と語り、再稼働に反対した。
市民からも歓迎と不安の声が上がる。御前崎茶商組合の中山啓司組合長(68)は、「使用済み燃料がまだあるので安全度が高まるのであれば歓迎だ。ただ、かさ上げと再稼働は別問題と考えている」。今年、浜岡原発再稼働の是非を問う住民投票条例制定を求める署名活動を行った御前崎市の恩田啓司さん(61)は、「単純に壁の高さを上げるだけで大丈夫なのか疑問だ」と不安を隠さなかった。
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■解説
◇値上げに現実味
原発の再稼働は、政権の意向が鍵を握る。民主党政権が「30年代に稼働ゼロ」を打ち出していたのに対し、自民党の政権公約は「再稼働の可否は3年以内に結論」と原発容認の姿勢を示した。このため、中電は「これまで(の民主党の政策は)は拙速だった。エネルギーに関する冷静な議論を期待している」(幹部)と自民党の新政権に浜岡原発再稼働の望みを託す。
ただ、自民党と連立を組む公明党は「可能な限り速やかに原発ゼロ」を主張し、両党は「原発依存度を減らす」ことで合意。新政権にとっては、東京電力の再建の行方を左右する柏崎刈羽原発(新潟県)や、電力需給が切迫している地域の原発再稼働判断が優先課題になるとみられる。中電は原発依存度が低く、電力に一定の余裕があるため、浜岡原発の議論は後回しにされる可能性が高い。
また、原子力規制委員会は、敦賀原発2号機(福井県)や東通(ひがしどおり)原発(青森県)の断層について「活断層の可能性が高い」との見解で一致し、両原発の再稼働は困難になった。東海地震の想定震源域に立地する浜岡原発についても規制委は安全性を厳格に判断するとみられる。自民党も公約で「規制委の判断をいかなる事情より優先する」としている。
浜岡原発停止で中電は代替の火力発電の燃料費がかさみ、13年3月期の最終(当期)赤字を600億円と見込む。防波壁の追加工事で新たに数十億円の負担も生じる。水野明久社長は20日の会見で「電気料金は当面、現行を維持したい」と話したが、再稼働にめどが立たなければ、値上げが現実味を帯びる。【森有正】
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