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福島第一原発事故、鉄塔倒壊による電源喪失は本当か。
http://www.asyura2.com/12/genpatu29/msg/386.html
投稿者 taked4700 日時 2012 年 12 月 21 日 02:54:03: 9XFNe/BiX575U
 

福島第一原発事故、鉄塔倒壊による電源喪失は本当か。

 福島第一原発事故において、電源喪失の原因の一つとして、原発敷地内の送電鉄塔の倒壊が挙げられている。しかし、その倒壊の様子を検討するといくつかおかしい点が出てくる。それを述べてみよう。

 資料は
http://www.nsr.go.jp/archive/nisa/earthquake/files/houkoku230523-2.pdf
にある「福島第一原子力発電所内外の電気設備の被害状況等に係る記録に関する報告を踏まえた対応について(指示)に対する報告について」(資料1と呼ぶ)と言う文書と、
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120217009/20120217009-3.pdf
にある「福島第一原子力発電所内外の電気設備の被害状況等に係る記録に関する報告を踏まえた対応について(指示)に対する追加報告について (鉄塔倒壊に関わる福島第一原子力発電所内の盛土の崩壊原因)」(資料2と呼ぶ) という文書、
及び
http://photo.tepco.co.jp/date/2012/201202-j/120217-02j.html
にある写真動画集「福島第一原子力発電所内外の電気設備の被害状況等に係る記録に関する報告を踏まえた対応について(指示)に対する追加報告について(鉄塔倒壊に関わる福島第一原子力発電所内の盛土の崩壊原因)」に載っている鉄塔の倒壊状況写真(1)と鉄塔の倒壊状況写真(2)だ。(以降写真1と写真2と呼ぶ) これらの写真資料は、掲載日2012年2月17日となっている。

 資料1の6ページ目、「(2)夜の森線No.27鉄塔の倒壊原因」には次の記述がある。

 夜の森線No.27鉄塔は、地震動により隣接地で発生した大規模な盛土が崩落したことにより倒壊したと判断する。理由は以下の通り。
・夜の森線No.27鉄塔の設置位置までは、津波が到達していない。
・平成7年1月7日に発生した兵庫県南部地震における電気設備の被害を踏まえ、「防災基本計画」(平成7年7月 中央防災会議決定)に基づき設置された「電気設備防災対策検討会(資源エネルギー庁長官の私的検討会)」にて、各設備の耐震基準の妥当性の評価を行っており、その中で送電鉄塔の耐震性評価については、電気設備の技術基準に定められた風圧荷重(風速40m/s)に耐える設計であれば、兵庫県南部地震の地震動(最大加速度818gal)に耐えうることを確認している。なお、今回の東北地方太平洋沖地震における夜の森線No.27鉄塔近傍の最大加速度は699galであり、上記加速度を下回っている。さらに、各々の地震動の加速度応答スペクトルを評価したところ、図1のとおり、鉄塔の固有周波数帯(0.3〜1sec)においても、夜の森線No.27鉄塔近傍の地震動は兵庫県南部地震に比べて下回っている。
・また、現地を確認したところ、図2・図3のように鉄塔脚部は土砂や倒木に埋もれているが、鉄塔上部は土砂の上に倒れており、電線も土砂や倒木の上に存在することから、土砂の崩落の後に鉄塔が倒壊したと判断できる。
(図1、図2、図3は省略)
以上引用終わり。

 資料2の3ページの「(1)盛土の崩壊」には次のように述べられている。

(1)盛土の崩壊
今回の地震により、図2のとおり鉄塔南西部において大規模な円弧状のすべりが発生するとともに、夜の森線28鉄塔付近までの間で多数の地割れが生じた。盛土上部では、法肩より10m以上内側まで地割れが発生しており、崩壊末端で地盤の盛り上がりが確認されていることとあわせて考えると、盛土全体に大きなすべりが発生したものと推定される(図3参照)。
崩壊した盛土は、図4、図5に示すように南西から北東に向かって流れる4筋の大きな沢を埋め、さらに北側に張り出すようにすり付けて、高さ約30mで昭和40年代前半に施工されており、当時の『道路土工指針((社)日本道路協会 昭和42年5月)』に示された1:2(約26°)よりも緩い1:3(約18°)の勾配に造成されていた。
一方、発電所側については、勾配が急(1:2)で崩壊箇所と同様の沢埋め盛土であったにもかかわらず、安定した状態を保持していた。この理由の一つとして、盛土上部の表面排水のためのヒューム管(図4、図5赤破線部)が発電所側の沢に設置されていたことが考えられる。この排水管は、沢の水を排する目的というより,盛土最上部表面の雨水等を処理するために敷設されたと思われるが、設置のためには沢底部の地盤の砕石への置き換え、地山の段切り等の施工を行う必要などがあり、その副次的効果として盛土の被害を軽減したものと考えられる。
(図1から5までは略)
以上引用終わり。

 資料2の6ページの「(2)鉄塔の倒壊」には次のように鉄塔崩壊の仕組みが述べられている。

 崩壊した盛土の土砂は、周囲の立木を巻き込みながら夜の森線No.27鉄塔に南西方向から流入し、その衝撃圧によって鉄塔脚の根元の部材を座屈させた。その結果、鉄塔は電線の張力を支えきれなくなり、図6に示すように電線に引っ張られる形で盛土方向に倒壊したと考えられる。鉄塔に流入した土砂により、鉄塔脚は2.0〜2.5m埋没していた。
 図7に記載した通り、夜の森線の送電停止時刻は14:49:02であり、盛土崩壊により鉄塔が倒壊したのは地震発生から約2分半後、最大加速度発生時刻から約30秒後と推定された。鉄塔に衝突した立木と鉄塔の距離は、地震前状況写真等から30〜50m程度であり、一般的な土石流などの流下速度5〜20m/s から判断して、崩壊土砂が鉄塔に達するまでに30秒もかかるとは考え難い。最大加速度が発生した時点では盛土は崩壊していなかったものと思われる。
以上引用終わり。

 更に、資料2の最後14ページには、「4.調査・検討結果から推定される盛土の崩壊原因」として次のように述べられている。

 震災後の調査の結果、崩壊した箇所の地盤強度が特に低かったとはいえないこと、崩壊箇所の法面が1:3という緩勾配で施工されていたことに加え、最大加速度発生時にも盛土は崩壊していないことから、盛土は供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度を持つ地震動(レベル2地震動)に対する耐震性を有していたものと考えられる。
 こうしたなかで、結果的に盛土が崩壊していることから、崩壊原因については、沢を埋めた盛土中に地下水位が存在する状況において、史上稀に見る強くて長い地震動の繰り返し応力が作用したことにより、地下水位内の地盤の強度が低下したことによるものと考えられる。
以上引用終わり。

 更に、写真1は鉄塔全体が倒れている図を写したもので、碍子や送電線が大きく写り、鉄塔の根元部分は写っていない。写真2は鉄塔根元部分に向けられた写真だが、土砂がある状態のものであり、土砂の流れで鉄塔の鉄骨がどのように座屈したのかは見えていない。

 さて、ここで、あなたがこういった被害の当事者で報告書を書くとき、どんなことを調べどんなことを書くだろうか、それを考えていただきたい。普通なら、まず、土砂崩れが基礎を動かしたのかどうか、そして、土砂崩れがどのように鉄骨を破壊したのかを調べようとするだろう。

 送電鉄塔の基礎には2種類あるようだ。一つは逆T字型基礎で、要するに鉄塔と言う背の高いものを倒壊しないように支えるため、基礎を幅広く重量を持つように作るために土中に逆T字型の頭の部分を埋め込むものだ。他の一つは杭基礎で、ある程度の深さまで杭を打ち込んなりしてそれを支えに利用するものだ。逆T字型基礎なら比較的浅い地中に作られているので土砂崩れで基礎ごと流されてしまう可能性がある。杭基礎なら基礎が地盤ごと動くことはないが、反対に基礎と鉄骨との接合部が破断する可能性がある。このどちらが起こったのか、まず、普通はこれを検討するはずだ。ところが上の調査報告では全くこのことが調べられていない。だから、まず、このことがおかしい。

 次に、土砂によって鉄骨が座屈したとしているが、その座屈の様子がまったく調べられていない。送電鉄塔の多くは山の斜面に建てられることが多く、そのため、鉄塔の四本ある脚の基礎の、山側が高い位置、谷側が低い位置に造られることもよくある。事前に土砂崩れがあまり起こらない場所を選ぶだろうが、それでも土砂崩れが起こることは有り得る。だから、他の鉄塔で同様の被害があり得るわけで、鉄骨の座屈状況を調べる意味がある。鉄骨断面の形状や鉄骨の組み方など工夫の余地が常にあるからだ。よって、土砂崩れによってどのように鉄骨が座屈したのかが調べられていないこともおかしい。

 同様に写真1・2でもそういった被害が写されていない。

 次に、鉄塔の倒れ方の問題がある。これは土砂の流れ方にも関係する。

 まずどう考えてもおかしいのが地震動の方向、つまり、土砂崩れを起こした地層がどう揺れたかの検討がされていないことがおかしい。資料2の9ページの「(2)斜面安定解析」には、「動的解析では福島第一原子力発電所の北地点のGL‐2.0mで観測された図12に示した地震動のうち、盛土斜面と同方向のNS成分を用いた」とされている。つまり、地震動の実際の水平方向での動きはNS成分とEW成分の合成であらわされるのであり、最大斜面に最も近いからと言って、実際の土砂の動きである南西方向から北東方向へとは異なるNS成分だけを見ているのは分析になっていない。

 次に、資料2の4ページの図2:盛土の崩壊状況 を見ると、斜面の最大傾斜方向へ土砂が流れていず、斜めに斜面を横切るように移動していると読める。同ページにある図3地震前後の盛土断面は断面Tと断面Uの図があるが、どれも土砂の流れとはほぼ直角に断面を取ってあるが最大傾斜がある位置ではない様子だ。だから、これらの断面を見ても土砂の流れる方向に合理性があったかどうかの検討ができない。更に、資料2の9ページには斜面安定解析を行った代表断面が示されているが、これはほぼ南北方向の断面で、最大傾斜に近い斜面を表しているはずだが、土砂の動きはこの断面に沿ってはいない。つまり、南西方向から北東方向へ動く形で土砂は動いている。このこともおかしい。この不合理さは、土砂崩れが起きなかった斜面、つまり、鉄塔があった斜面の反対側、発電所が位置していた方の斜面が、勾配が(1:2)で、崩壊箇所の勾配(1:3)よりもかなり急であったのにもかかわらず安定した状態を保持してい他ことからも言える。なお、このことについて、報告書では発電所側斜面に「盛土上部の表面排水のためのヒューム管(図4、図5赤破線部)が発電所側の沢に設置されていたことが考えられる」としているが、そのヒューム管の設置状況を示す写真は添付されていない。

 次に、鉄塔の倒れ方そのものだが、時間経過について検討が報告書ではされている。「夜の森線の送電停止時刻は14:49:02であり、盛土崩壊により鉄塔が倒壊したのは地震発生から約2分半後、最大加速度発生時刻から約30秒後と推定された」と言う部分だ。この時間のずれについて、「最大加速度が発生した時点では盛土は崩壊していなかったものと思われる」としか説明していないが、これは実際に事故経過を検討していないことを示唆する書き方だ。つまり、鉄骨が土砂崩れによって座屈し、自重によって倒壊したということなら、座屈から倒壊まで時間がある程度かかるのが当然だからだ。まして、送電線により鉄塔上部は他の鉄塔と結ばれていて倒壊を止めるような力がかかる。鉄塔の基礎部分が移動したとは述べられていないのだから、また、鉄骨が破断して、足払いを食らったような倒れ方をしたとも述べられていないのだから、最大加速度が発生した時点と鉄塔が倒壊した時点とのずれは鉄塔の自重により鉄骨が折れ曲がるのにかかった時間だと推測するのが普通だ。それをしなかったのは、実際に座屈した部分の鉄骨を見せることができなかったからだろう。

 以上述べたように、夜の森線No.27鉄塔の倒壊の原因調査は少なくとも不十分だ。そして、こういった不自然さを見ると、監視カメラ映像が隠ぺいされていることから原子炉本体が地震で壊されたことが推認でき、そういった原発の地震被害を隠すためにわざわざ夜の森線No.27鉄塔の倒壊を故意に起こしたと思えてしまうのだ。

 最後に、上の文章を読んだだけではかなり分かり難いことをお詫びをする。ぜひ、もとになった資料をプリントアウトして自ら検討をしていただきたい。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1263>>TC:38254, BC:15947
 

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コメント
 
01. taked4700 2012年12月24日 22:38:10 : 9XFNe/BiX575U : BDxqBTIjRU
コメントが付きませんね。

できれば、

>・また、現地を確認したところ、図2・図3のように鉄塔脚部は土砂や倒木に埋もれているが、鉄塔上部は土砂の上に倒れており、電線も土砂や倒木の上に存在することから、土砂の崩落の後に鉄塔が倒壊したと判断できる。

という調査報告を捉えて、なぜ、土砂を掘って、地盤がずれていないか、鉄塔の基部が地震の影響で壊れていなかったかの調査をしていないのはおかしい、というコメントをしていただきたかったのですが、なぜか、そういったコメントも付きませんね。なぜなんでしょうか。


02. 2012年12月25日 00:51:13 : jGX64e2p2g
コメントがつかない理由はよくわかりませんが、私は
10日間以上の長きにわたって外部電源が供給できなかったことには
大きな疑念を抱いて来ましたし、そのことを合理的に説明した見解も
今までなかったように思います。

よってこの投稿は大いに意義があると考えますし、「原発の地震被害を
隠すためにわざわざ夜の森線No.27鉄塔の倒壊を故意に起こした」のでは
ないかという可能性も大いにありうると考えます。
taked4700さんの分析には謝意を表したいと思います。


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