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東電社員「切り捨て」? 精神的苦痛の賠償終了提示
2012年12月20日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012122002000119.html
東京電力は、福島第一原発事故の避難区域に住んでいた社員に対し、区域内に持ち家がなければ、通勤可能な新居に落ち着いた時点で、精神的苦痛に対する損害賠償を終わらせる基本的な考えを示した。これに対し、避難生活をしながら事故収束に当たる社員からは「会社に切り捨てられた」と失望や怒りの声が上がっている。
東電は国の中間指針に基づき、避難者に一人当たり月10万円を目安に精神的苦痛への損害賠償を支払っているが、巨額の賠償額を抑えるため、まず社員から削減する考え方になったとみられる。
東電は一週間ほど前、2回に分けた説明会で社員に伝達。その席で、区域内に持ち家があって福島第一に勤務していた社員には、一般の被災者と同様の賠償を続ける、とした。しかし、アパートなどを借りて福島第一に勤務していた社員で、通勤可能な場所に入居した後は、社員も家族も精神的苦痛に対する賠償をしない、との考えを示した。
さらに、区域内に持ち家はあっても、事故当時、社命で新潟県の柏崎刈羽原発など区域外で勤務していた場合は、家自体への財物賠償はするものの、精神的苦痛に対する賠償はなくなる。
しかし、社員も不便な仮設住宅などで避難生活をし、配偶者は仕事を失ったり、子どもも転校などを強いられるケースも多い。区域内の実家から通っていた社員も故郷を追われる苦しみは同じなのに、持ち家ではないという理由で、家族ともに賠償されない。
説明を受けた社員らからは「避難する家族と離れて、事故収束のために現場にとどまっている人も多い。避難を転勤と同じように言われたのは、忘れられない」と憤りの声が上がっている。東電の広報担当者は「示したのは基本的な考え方。社員も被災者で、一般の方と同じ基準で賠償する。避難を余儀なくされているかどうかで、個別の事情も考慮して決める」と話した。
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現場で闘ってるのに
2012年12月20日 東京新聞[社会面]
東京電力が社員の精神的苦痛の損害賠償を終わらせる考え方を示したことに、福島第一、第二原発で働く社員らの間で波紋が広がっている。事故直後、ろくに食料もない中、被ばくの恐怖と闘いながら事故の拡大を必死に止めようとした社員、避難した家族と離れて現場に踏みとどまった社員もいる。「現場の士気低下につながらなければいいが…」。収束作業への影響を懸念する声も上がっている。(片山夏子)
一週間ほど前、東電の説明会に出席した社員らによると、説明が進むにつれ会場の空気が殺気立っていったという。社員らが腹を立てたのは、原発事故による避難と通常の転勤を同列で説明された点だ。一般の避難者は故郷、家を追われるのに対し、「社員の場合は転勤があるのが前提なので、福島第一に通える仮設住宅や社宅に入った時点で、もう避難を余儀なくされている状況ではなくなる」と言われたという。
参加した一人は「避難が終わるということは、元の生活に戻れるかどうかではないのか。社員は通勤圏内に住んだら転勤と一緒というのか」と話し、納得いかない表情。
賠償が終わるかどうかの大きな分かれ目が、社員自らが避難区域内に持ち家があるかないかという点にあることへの不満も強い。
「実家に同居していた人やアパートを借りていた人も、生まれ故郷や長年住んでいた土地を離れざるを得なかったのは同じ。社員だけでなく、家族まで対象外なんて…」。落胆する社員もいた。
単身で福島第一の近くに残り、休みになると家族が避難する先に行く生活を続ける社員も少なくない。「何とか事故収束に向けての作業を進めなくてはと思ってとどまっている。自分たちも被災者なのに」
若手からは「会社には失望した。もうやめようと思っている」という声も。震災後、若手を中心に退職する人が後を絶たないが、それに拍車がかかると懸念する人もいる。
ベテラン社員の一人は「説明を聞き、言葉で言い表せないほどの怒りを感じた。きつい現場で頑張っている社員を切るのかと。今はどん底だから、これから少しはよくなるかもという淡い期待をたたき切られた」とつぶやいた。
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