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http://mainichi.jp/select/news/20121215ddm002040049000c.html
毎日新聞 2012年12月15日 東京朝刊
青森県下北半島にある東北電力東通原発(青森県)で、複数の断層を調べていた原子力規制委員会の調査団が14日、「活断層の可能性が高い」との見解でほぼ一致した。一部の断層は隣接する東京電力東通原発(2基)の敷地にまで延びており、影響が拡大しそうだ。さらに半島沖には、海底断層「大陸棚外縁断層」(延長84キロ)がある。日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)など、核燃料サイクル施設全体の稼働に影響が及ぶ可能性もある。
「過去に繰り返し(断層活動が)起こっている」。原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は14日、こう語り、東北電力東通原発の敷地を縦断する比較的規模の大きな「F−3」「F−9」の2断層について、10万年前以降に動いた活断層の可能性が高いとの認識を示した。今後も動く可能性があるという。
東北電は、1号機の設置許可を国に提出した96年以降、聞き慣れない「膨潤(ぼうじゅん)」という用語を使い、活断層の存在を否定し続けてきた。膨潤とは、岩盤が砕けた弱い部分に地下水が浸入し、地層全体が膨れ上がって、変形を起こす現象を意味する。
しかし、調査団が13、14の両日に地層を見た結果、小規模な断層「s−14」「s−19」で、地層が膨らんだだけでなく、大きくずれている部分を確認した。「膨潤だけでは、つじつまが合わない」と金田平太郎・千葉大准教授は指摘した。
島崎氏は「F−3」「F−9」は小規模断層付近にあり、これらの動きによって小規模断層がずれた、と考えるのが合理的に説明がつくと判断。調査団は動いた時期について、周辺の地層分析の結果、「10万年前以降」と推定した。原発の耐震設計審査指針では「12万〜13万年前以降」に活動したものを考慮すべき活断層と定義しており、2断層は合致する。島崎氏は20日の評価会合で、メンバーの見解を最終調整する予定だ。
一方、F−3は北側に隣接する東電の敷地にも延伸する。東電も東北電と足並みをそろえ、「膨潤」との論理を使ってきた。「(両社敷地内の断層の性質は)基本的に同じとの疑いだ」。東電の原発への影響を聞かれた島崎氏は述べた。原発の設置許可申請書の前提だった論理が覆り、東北電だけでなく、東電にも「活断層ドミノ」が拡大する可能性がある。【中西拓司、岡田英】
◇下北半島、断層再評価も
原子力施設が集中立地する下北半島には、他にも専門家が活動性を指摘する断層がある。事業者はいずれも活動性を否定し、施設の耐震設計で考慮していない。しかし、規制委の調査団が東北電力の評価を事実上否定し、これらの断層も評価が見直される可能性が高まっている。
最も長いのは、下北半島沖を南北に走る海底断層「大陸棚外縁断層」(延長84キロ)だ。マグニチュード(M)8級の巨大地震を引き起こすとされる。使用済み核燃料再処理工場(同県六ケ所村)の安全審査では、国の原子力安全委員会(当時)の作業部会で、委員の一人が「(耐震設計上考慮すべき)12万〜13万年前以降の活動性を否定できない」と指摘。この断層から枝分かれした別の断層が「再処理工場の直下に延びている」と指摘する専門家もいる。再処理工場を所有する日本原燃、東北電力などは今年11月、共同でこの断層の再調査に着手した。
東日本大震災の影響で中断していた建設工事を今年10月に再開したJパワー(電源開発)の大間原発(同県大間町)でも、周辺海域の海底に延長数十キロの活断層があるという指摘が、08年の安全委の部会で出た。当時の委員の一人は安全審査のやり直しを求めた。
こうした背景もあり、調査団の佐藤比呂志・東京大教授は「下北半島の地殻構造の調査はもっとやるべきだ」と訴えた。
【酒造唯】
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