02. 2012年12月14日 11:38:24
: Kse53zYp5s
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201210/527097.html?ref=RL22012. 10. 4 厚労省が固形癌発症と放射線被曝に関する医学的知見を公表 癌の発症リスクは100mSv以上で上昇、被曝から発症までは5年以上 二羽はるな=日経メディカル 厚生労働省は9月28日、放射線業務従事者が発症した胃癌、食道癌、結腸癌と放射線被曝との関連についての医学的知見をまとめた報告書を公表した。「累積被曝線量が100mSv以上から放射線被曝と癌発症との関連がうかがわれる」「放射線被曝から癌発症までの期間は少なくとも5年以上である」といった内容が盛り込まれた。今後の放射線業務従事者の労災補償については、当面この考え方で判断する。厚労省が放射線業務と固形癌の関連について報告書をまとめたのは初めて。 今回の報告書は、2009〜11年に放射線業務従事者から2件の労災請求があったことを受け、癌発症が業務によるものか判断するために疫学調査報告などを分析・検討してまとめられた。 被曝線量と癌発症リスクとの関係については、個別の文献によると各々の癌発症リスクは1Sv以上の被曝線量から確認されたとの報告があった。一方で、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が「被曝線量が100〜200mSv以上で統計的に有意なリスク上昇が認められる」としていること、国際放射線防護委員会(ICRP)が「疫学的研究方法では100mSv未満でのリスクを明らかにすることは困難」としていることなどを受け、「胃癌、食道癌、結腸癌は、被曝線量が100mSv以上から放射線被曝と癌発症との関連がうかがわれ、被曝線量の増加とともに癌発症との関連が強まる」とした。 また、潜伏期間については、個別の文献による最小潜伏期間が胃癌は10年、食道癌が5年、結腸癌が5年とされていた。ICRPの勧告でも、最小潜伏期間は5〜10年とあり、このため「放射線被曝から癌発症までの期間が、少なくとも5年以上あること」とした。 また、癌は一般的には生活習慣や慢性感染が発症の原因であることが多く、年齢とともにリスクも高くなる。それぞれの癌の代表的なリスクファクターとして、胃癌はヘリコバクター・ピロリ感染や喫煙、食道癌は喫煙や飲酒、結腸癌は飲酒や肥満がある。そこで、「放射線被曝以外の要因についても考慮する必要がある」との記述も付け加えた。 今後、原子力発電所の作業員などの放射線業務従事者から労災請求があった場合、当面はこの考え方に基づき厚労省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」で個別事案ごとに判断する。なお、09〜11年の労災請求が認められたかどうかについては、厚労省は明らかにしていない。 ------------------------------------------------------------- http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002koo1.html ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2012年9月 > 胃がん・食道がん・結腸がんと放射線被ばくに関する医学的知見の公表 平成24年9月28日
【照会先】 労働基準局 労災補償部 補償課長 若生 正之 職業病認定対策室長 天野 敬 職業病認定対策室長補佐 鈴木 秀博 (代表電話) 03(5253)1111(内線 5569、5573) (直通電話) 03(3502)6750 報道関係者各位 胃がん・食道がん・結腸がんと放射線被ばくに関する医学的知見の公表 〜労災請求を受け、疫学調査報告を分析・検討して報告書を取りまとめ〜 厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」(座長:独立行政法人放射線医学総合研究所 米倉義晴理事長)はこのたび、胃がん・食道がん・結腸がんと放射線被ばくとの関連について、現時点の医学的知見を報告書として取りまとめましたので、公表します。 これは、放射線業務従事者に発症した胃がん・食道がん・結腸がんについて、平成21年12月と平成23年2月に計2件の労災請求があったことを受け、業務が原因かどうかを判断するために、疫学調査報告を分析・検討し、まとめたものです。報告書の概要と、当面の労災補償の考え方は以下のとおりです。 なお、この報告書は、現時点での医学的知見をまとめたもので、新たな労災請求事案については、それぞれ最新の医学的知見に基づいて判断します。厚生労働省では今後とも医学的知見の収集に努めていきます。 <検討会報告書の概要> 1 被ばく線量と胃がん・食道がん・結腸がんの発症リスクとの関係 (1)胃がん・食道がん・結腸がんに関する個別の文献では、各々のがんの発症リスクは、1Sv以上の被ばく線量から確認されたと報告するものがある。 (2)より統計的に検出力の高い全固形がんに関する調査報告では、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、被ばく線量が100から200mSv以上において統計的に有意なリスクの上昇が認められるとしている。また、国際放射線防護委員会(ICRP)は、がんリスクの増加について、疫学的研究方法では100mSv未満でのリスクを明らかにすることは困難であるとしている。 2 潜伏期間(放射線被ばくからがん発症までの期間) ・胃がん、食道がん、結腸がんの個別の文献での最小潜伏期間は、 (1)胃がん:10年、 (2)食道がん:5年、 (3)結腸がん:5年 とされている。 ・ICRPの勧告では、最小潜伏期間は5から10年程度。 3 放射線被ばく以外のリスクファクター 一般的に、がんの主な発症原因は生活習慣や慢性感染であり、年齢とともにリスクが高まるとされているが、各々のがんに関する代表的なリスクファクターは次のとおり。 (1)胃がん:ピロリ菌、喫煙 (2)食道がん:喫煙、飲酒 (3)結腸がん:飲酒、肥満 <当面の労災補償の考え方> 1 放射線業務従事者に発症した胃がん・食道がん・結腸がんの労災補償に当たっては、当面、検討会報告書に基づき、以下の3項目を総合的に判断する。 (1)被ばく線量 胃がん・食道がん・結腸がんは、被ばく線量が100mSv以上から放射線被ばくとがん発症との関連がうかがわれ、被ばく線量の増加とともに、がん発症との関連が強まること。 (2)潜伏期間 放射線被ばくからがん発症までの期間が、少なくとも5年以上であること。 (3)リスクファクター 放射線被ばく以外の要因についても考慮する必要があること。 2 判断に当たっては、上記検討会で個別事案ごとに検討する。 添付資料 資料1 胃がんと放射線被ばくに関する医学的知見について(PDF:539KB) 資料2 食道がんと放射線被ばくに関する医学的知見について(PDF:646KB) 資料3 結腸がんと放射線被ばくに関する医学的知見について(PDF:623KB) 資料4 用語解説(資料1〜3共通)(PDF:267KB) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |