http://www.asyura2.com/12/genpatu29/msg/205.html
Tweet |
「脱原発」 地域から変革 独の推進役・シュラーズ教授に聞く
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2012120702000136.html
2012年12月7日 東京新聞[核心]
16日投開票の衆院選は、日本が原発をどうするかの筋道を問う選挙でもある。東京電力福島第一原発事故を受けて「脱原発」を打ち出したドイツは、なぜ変われたのか。どうすれば日本は変われるのか。メルケル首相直属の「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」委員を務め、ドイツ政府の背中を押したベルリン自由大学環境政策研究所長のミランダ・シュラーズ教授に聞いた。(聞き手=論説委員・飯尾歩)
─ドイツの脱原発への転換は劇的だった。
「そんなことは、ありません。たとえばフライブルク市は1970年代に、すべての原発を拒否し、再生可能エネルギーへの集中投資に切り替えました。ハンブルクでも、低炭素で持続可能なまちづくりを目指し、住宅、オフィスの無暖房化や、公共交通網の整備に取り組みました。フクシマの事故を受け、連邦政府は、このような地方の変化と声に、敏感に反応しただけです」
─ローカル(地域)の力が、中央政府を動かした。
「温暖化対策の国際交渉は行き詰まり、温室効果ガスを、どの国が、いつまでに、どれだけ減らしていくかも決まりません。一方、欧州連合(EU)では、『市長誓約』という取り組みが広がりを見せています。地方自治体が、EU全体の削減目標である2020年までに1990年比20%か、それ以上の目標を誓約し、市長が署名し、2年ごとに事務局が成果を検証します。わずか4年で4,000を超える署名が集まりました。地域から世界を変えようという試みです」
─日本でもできるだろうか。
「日本では今、政治システムが流動的で、中央政府が物事を決められない状況に陥っています。しかし、市民として、政府が決めてくれるのをただ待っているだけではいけません。地域から行動を起こすべきなのです。市民により近い都市や地域がネットワークを形成し、ボトムアップ(下から上へ)のチェンジ(変革)を起こさなければなりません」
─自治体として、まずやるべきことは。
「まちづくりのビジョン(展望)を具体的に示すこと。韓国のソウル特別市は、”まず原発を1基減らそう”という、分かりやすいスローガンを掲げています。それを見て市民はそれぞれに、自ら使うエネルギーをどうするか、家庭で何ができるのかなどを話し合い、考えをめぐらせます。都市や地域が掲げたビジョンが、市民に行動を促します。」
─日本も衆院選が始まった。
「選挙は本当に大切です。政治家や中央政府に『あれをやれ、これをやれ』と要求するだけではいけません。有権者が、例えば原発のない暮らしのビジョンを描き、政治家に突きつけるチャンスです。そうすることで『今私たちにできること』が見えてきます。『私たちはこれをやる』という市民の意思も固まります」
[福島事故後の独 選挙で民意 政策変える]
物理学者でもあるドイツのメルケル首相は、原発擁護派だった。2010年9月に発表した長期エネルギー戦略では、17基あった原発の寿命を平均12年延長させた。
ところが、福島第一原発事故からわずか4カ月足らずの11年7月には原子力法を改正し、遅くとも22年末までの全原発廃止を法制化した。
事故の約2週間後にあったバーデン・ビュルテンベルク州議会選挙で、脱原発を掲げる環境政党「緑の党」が、得票率を前回の2倍に伸ばして圧勝し、メルケル首相を震撼させた。
メルケル首相が、専門家集団である原子炉安全委員会(RSK)の見解より、シュラーズ教授が所属する倫理委員会の提言を取り入れたのも、民意重視の表れとみられる。結局は、選挙で示された民意の力が、ドイツの原発政策を一変させた。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素29掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。