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株式日記と経済展望
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「脱原発」「卒原発」といった(裏に利権をはらんだ)フレーズに騙されずに、より
安全な原子炉・原発にモデルチェンジしていくのが日本の進むべき道ではないか
2012年12月6日 木曜日
◆「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 12月5日
http://melma.com/backnumber_45206_5712972/
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
(読者の声1)「二〇一二年問題」と言われた各国指導者交代期に当たる今年もあと僅かだが、隣国韓国では朴元大統領の娘が選らばれるのだろうか。我国でも衆議院総選挙が間近でいよいよ政権交代なるか。
それで先月末にネットのニコニコ動画で画期的な十党の代表による九十分間の党首討論会が行われました。
そこで各党党首が一様に「脱原発」を主張するのですが誰も肝心な「脱電気使用」を言わない。つまり、厚かましくも日本国民は今後も電気を大量に使い続けるのを前提としているのだ。一方で化石燃料需要のリスク防止の為の原発だけは止めるとの脱リスク防止宣言だ。
辛うじて安倍晋三が「ベストミックス」なる言葉で曖昧な自民党用語を使って誤魔化していたが、誰一人として日本には原子力エネルギーが今後少なくとも五十年、事によると百年くらいは必要だと国民に面と向かって説得する政治家がいなかった。それなら十党も必要無いだろう。皆同じ事を言うのだから。
人気取りの政治家共が原子力発電が危険と叫ぶ一方で、北朝鮮の核ミサイルが完成間近と指摘する政治家も皆無だ。改憲も良いが北朝鮮の原子炉を爆破するのには間に合わない。これがイスラエルならとうの昔に主要科学者の暗殺と施設の破壊を行っているだろう。
誰も死んでいない安全な原子力発電に怯える一方で、極めて危険な北朝鮮の核兵器に何の手も打たない日本国民とその代表の政治家は異常である。「北の原子炉を爆破せよ!」と主張する政治家なら、私は全面支持するがそういう元気な政治家は未だ現われ無い。ま、「日本を主語とする」とか言ってもその程度でしょうか。
(宮崎正弘のコメント)以前、小誌で書評をしましたが、小山和伸教授の『不況を拡大するマイナス・バブル』(晃洋書房)が参考になります。原発廃止は日本経済にマイナス・バブルをもたらす危険性が高いという、正統ケィンジアンの所論です。
原発問題については百家争鳴といっていいほど。
最近読んだ『「超小型原子炉」なら日本も世界も救われる! 』という本では原発技術者の服部禎男氏の提唱する「4S炉」の紹介と服部氏の歩んだ原発開発の歴史がコンパクトにまとめられています。
同書を読むと現在の原子炉(原発)はまるで時代遅れ、ディーゼルや電車の時代に旧世代の蒸気機関車を開発しようといているかのようです。福島第一原発の事故につながった全電源喪失といった事態にも早くから警鐘を鳴らし、常時稼動の十数台のディーゼル発電機を分散配置するといった案まで出していたのに無視される。もしも服部氏の案が採用されていたなら福島の事故はなかったかもしれません。
新型原子炉については「4S炉」以外にも、現在の原子炉より安全とされるさまざまのアイディアが提案されています。「脱原発」「卒原発」といった(裏に利権をはらんだ)フレーズに騙されずに、より安全な原子炉・原発にモデルチェンジしていくのが日本の進むべき道ではないか、そんなことを思いながら上海の風景を思い浮かべたら30年以上モデルチェンジなしのサンタナが出てきました。
上海を歩いていて変化が感じられない理由のひとつが、サンタナのタクシーでした。東ドイツのトラバントは1958年から1991年まで足かけ34年生産されました。
上海のサンタナもドイツ本国では1980年の生産開始、ことしで32年目です。日本車の進出以降、中国ではドイツとは違い新型車もどんどん投入されています。それでも同じ車種を30年も作り続けているのを見ると中国人の国民性は儒教を皮肉った「守株」(北原白秋の「待ちぼうけ」)そのものであるようにも思えます。
(PB生、千葉)
(私のコメント)
原発問題は一つのイデオロギーになってしまって、冷静な議論が出来ないような状況になってしまった。12の政党は全て原発ゼロと言う方向性に変わりがなく、自民党だけがベストミックスと言った形で原発をエネルギー資源の一部として認めている。維新の会は橋下氏がコロコロと意見が変わるためにはっきりしない。それ以外は即時から30年代までの差はあるが廃炉の方針を打ち出している。
「株式日記」では安全性を高めて再稼動すべきと言う意見を最初から貫いていますが、東京電力や経済産業省や民主党政権などが情報の隠蔽などを行なって十分な情報公開が行なわれていない。だから十分な事故調査もなかなか進まない。責任問題の追及を恐れているからでしょうが、原子力の専門家でもない官僚が原子力安全保安院の委員長をしていたのだから事故が起きれば対策も取れないのは当然だ。
何度も書いてきたように民間の電力会社では原発は荷が重過ぎるのであり、いったん大事故が起きれば電力会社だけでは対応が出来ないのは福島第一でも証明されたとおりだ。柏崎原発でも震災で周辺設備が破壊されましたが、地盤なども陥没し敷地内の道路もでこぼこになるほどだった。原子炉内部でも移動用のクレーンなどが壊れましたが、M6,8程度の地震でもこれほどの被害が出たのだから、M9の東日本大震災では送電線まで倒れて全停電状態になった。
同じ被害を受けた女川原発や福島第二原発は無事だったのだから、福島第一に何か特別な理由があったはずだ。それは宮崎氏メルマガの読者のコメント記事にもあるように、非常用発電機の分散配置など提案されていても運用主体の東電がやらなければどうにもならない。国が運用主体ならば可能だったのでしょうが民間会社に任せっぱなしが今回の大事故を招いたのだ。
「昔陸軍、今官僚」と言われますが、外部からの批判を許さない絶対権力が出来ると暴走を始めるのは大東亜戦争も東日本大震災も同じだ。原子力村は批判する人物を次々と排除して行き、組織の純化が行なわれて外部からの批判を受け付けないようになり、ついには暴走して誰にも止められなくなる。結果的に大東亜戦争の敗北と福島第一原発の大災害となるまで止められなかった。
現在では財務省と日銀の暴走が止められず、20年間に渡るデフレ経済にしてしまった。バブル崩壊当初は宮沢首相も銀行への公的資金注入や国債の買いオペなどを主張していましたが、官僚やマスコミの批判を浴びて止めてしまった。銀行への経営責任を追及せよと言ったマスコミのキャンペーンが行なわれて、田原総一郎氏などはテレビでブラックリストに載った30社を潰せと言っていた。しかし結局は大蔵省も日銀も責任の所在を曖昧にして逃げ切りを図っている。
国会などでも原発災害の集中審議などが行なわれましたが、情報の公開がなかなか行なわれなために追求のしようが無い。官邸などの議事録も録るなとされて多くが公開されていない。大東亜戦争でも御前会議や天皇とマッカーサーの会見など、重要会議ほど公開されず謎のままとなってしまいますが、天皇の命と引き換えにアメリカによる日本の永久占領が認められているから、66年経った今でも自主憲法が制定できない事になっているのかもしれない。
情報が公開されなければ、真相がわからずネットなどであらぬ噂を立てられても身から出た錆だ。原発の問題にしても「事故は無い」と言う神話が一人歩きをして、外部からの批判を遮断してしまった。原発自身にとっても軽水炉型原発は40年以上も前の技術で作られたものであり、「株式日記」でも高温ガス炉とかトリウム原発などを紹介してきましたが、第四世代の原発では核のゴミの問題も解決する。
核燃料サイクルも1兆円以上の予算を使っても実現の目処すらつきませんが、原子力村のメンツの問題に過ぎず計画は中止して、第四世代の原発開発に予算を振り向けるべきなのだ。ビルゲイツの新世代原発では核のゴミも燃料になり、脱原発論者の言う核のゴミの問題は解決する。福島第一原発事故が起きる一年前に「株式日記」では次のように書きました。
◆TWRと呼ぶ原子炉は、低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。 2010年3月23日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/92a7fae899265f93e251b01c040a9507
(私のコメント)
原子力発電というと名前だけで恐ろしいような印象を受けますが、確かに現在の原子力発電所は非常に複雑な仕組みを持つシステムで発電している。核燃料を製造するだけでも大掛かりな製造工程でウラン鉱を圧縮していかないと燃料に使えない。しかも核反応を起こさせながら発電させるのだから、非常に注意深くコントロールしながら発電しなければならない。しかも寿命は40年くらいしか持たず、廃棄物の処分場にも苦労している。
「CANDLE炉は天然ウランや劣化ウランを装荷燃料として利用するにもかかわらず、その40%を燃焼することができる。」と言う夢のような原子炉ですが、原理自体は50年代から研究されてきたのですが、原子炉に使える材料などの開発が難しかった。しかし現在の原子力発電では効率も悪くて百数十年でウラン鉱を使い尽くしてしまう。しかし劣化ウランを燃料とするTWRなら2000年は持つということです。
原子力発電所といえば一旦事故が起きれば国家的な災害になってしまいますが、劣化ウランの燃料棒を燃やす方式なら、年に4センチほどの燃焼スピードで4メートルの燃料棒なら100年間は燃料交換の必要が無い。しかし原理はわかっていてもどのように作ればいいのか手探り状態なのですが、次世代型の原子力発電の実用化は直ぐに出来るものではないだろう。
現在の核燃料の圧縮作業を高純度にすれば原子爆弾の材料になりますが、だから原子力発電を口実に世界各国は核開発を行なってきた。しかしこんな危険な方法よりもCANDLE炉のような臨界事故など起きない原子炉の開発がなぜ店晒しにあってきたのだろう? わざわざそんな開発をするよりも石油や石炭や天然ガスが沢山あって、火力発電の方が手っ取り早かったからだろう。
最近になってようやく原子力発電の重要性が再認識されるようになって、原子力発電の開発に目が向かってきたという事だろう。CANDLE炉以外にも熔融塩型の原子炉や高圧ガス型も研究されていますが、商用化に成功したのは軽水炉型の原子力発電だった。問題になるのは巨額な開発費用がかかり国家プロジェクトとしても数千億円もの費用をかけて開発するのは困難だったのだろう。
そこへ世界一の億万長者であるビルゲイツが次世代型の原子力発電に取り組むと言う事ですが、彼なら数千億円というお金はポケットマネーに過ぎない。CANDLE炉というのは練炭のように一旦火をつければ長時間持って安全な燃焼ができる。しかし燃料棒の開発や炉自体の開発はそれに耐えるものを開発しなければならない。
今までならゴミとして処分に困っていた劣化ウランが宝の山に変わるわけですが、石炭のように簡単に燃えるものではない。ウラン以外にもトリウム溶融塩炉も有望な原子炉なのですが、国家というのは兵器の開発には天文学的な費用をかけるのに、平和利用の原子炉開発には関心が無かった。日本こそ原子炉の平和利用に力を入れても良いはずなのにマスコミが「もんじゅ」などを叩いたように否定的だった。
アメリカにしても宇宙開発を名目で核ミサイルを開発しましたが、原子力発電も核爆弾開発の隠れ蓑だった。しかし核爆弾に繋がらない原子力発電の開発は店晒しにされてきた。核兵器を持たない日本がなぜCANDLE炉やトリウム溶融塩炉のような原子力開発に金をかけてこなかったのだろう。政治家達も橋や道路を作ることは熱心でもエネルギー問題には票にならないから予算を回さない。これからは軽水炉型の原子力発電所を作るより、安全で経済的で廃棄物問題のすくない原子力発電は技術的には可能になるだろう。
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