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放射能汚染物の焼却施設 審査待たず着工
2012年12月6日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
福島県鮫川村(人口4,000人)で、環境省が計画する高濃度放射性廃棄物焼却施設の建設工事が5日、中断した。原因は環境省の”大ポカ”。ダイオキシン法と同県の条例に基づく県の審査が終わらないうちに、基礎工事を初めていた。住民らはその慌てぶりの背景に何があるのか、いぶかっている。(出田阿生)
◆環境省 違反発覚で工事中止
焼却施設は福島原発事故後、各地で処分が滞る汚染稲わらや牧草処理のモデルケースを目指すとして、環境省が鮫川村に建設を計画した。事業費は7億3,500万円。「放射性物質を含む農林業系副産物の焼却実証実験」という名目だ。
1キロ当たり8,000ベクレル超の高濃度汚染物28トンを含む計600トンを20カ月間で焼却し、「焼却灰の濃度を低く抑える実験をする」(環境省廃棄物対策課)というが、説明会などは開かれず、周辺住民らの安全性への懸念が高まっていた。
この焼却施設の処理能力は1時間当たり199キロ。この規模だと、設置にはダイオキシン対策特措法と福島県生活環境保全条例に基づく県への届け出が必要となる。
届け出から60日間は県の審査期間となっており、審査が終わるまで着工できない決まりだ。
環境省は10月30日に届け出を提出。にもかかわらず、約2週間後の11月15日に基礎工事を始めた。県南地方振興局の担当者は「着工は違反では、という住民からの問い合わせがあった。基礎工事の開始を着工と見なすのが慣例で、環境省に工事をいったん中止してほしいと要請し、承諾を得た」と説明する。
審査で問題がなければ工事は再開される見通しだが、今のところメドは立っていないという。
一方、鮫川村役場には環境省からの連絡は一切なかった。村の担当者は「村にも住民から情報が寄せられた。環境省に電話すると『工事を中断している』と言われた」と困惑した様子。「国が実施する工事なのだから当然、法や条例を守っていると信じる。住民らから『なぜ、役場なのに事実関係が分からないのか』としかられたが、何も知らされていなかったので答えようがなかった」
焼却施設の建設予定地は鮫川村南端の青生野地区。塙町や北茨城市と隣接し、いわき市も近い。予定地付近を流れる四時川は、同市の水源でもある。佐藤和良・いわき市議は「環境省の動きは秘密裏に工事を進めようとしているようにみえる」と話す。「小型焼却炉だからと、環境アセスメントも近隣自治体への説明も省いてしまった。しかし、高濃度汚染物を燃やすのに住民同意を得ないのは許されない」
住民の一部は5日、全国82団体・400人超の賛同を集め、村議会に焼却炉設置の見直しを求める請願書を出した。予定地から約1.5キロの塙町に住む和田央子さん(41)は「法や条例の順守を呼びかける監督官庁が違反をするとは、あまりにもお粗末だ。どんな事情が工事を急がせているのか」と首をかしげる。
「国は焼却で濃度が圧縮された汚染灰を3年ほど保管して中間貯蔵場に移すというが、村を最終処分場にするのでは、という不安がある」
工事中止の詳細について、環境省廃棄物対策課の高橋雄詞主査は取材に「基礎工事が着工に当たるとは認識していなかった」と話している。
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