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株式日記と経済展望
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どうして検察庁が東電を原災法違反で起訴しないのか、私は不思議です。
真剣に考えて実行しないと、普通の人が「反原発」「脱原発」に行ってしまう。
2012年12月2日 日曜日
◆「仏壇」と同じだった原発事故対策システム専門家不在の調査委員会が覆い隠していること 11月29日 鳥賀陽弘道
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36651
──アメリカの原発を取材してみると、アメリカの原発にいる運転者は、海軍出身者が多い。原子力潜水艦や原子力空母に乗り組むために、原子炉の運転の訓練を海軍で受けた人材が多かった。そうした軍人が軍を辞めたあとの再就職先が原発でした。
永嶋?そうです。だから彼らは運転技術が高いのです。戦闘を想定しつつ原子炉を運転するんですから(笑)。魚雷が当たって原子炉が水浸するなんて当たり前の想定で訓練を受けている。原発に津波が来ても、彼らなら「想定内」でしょう。戦争を想定しているから、度胸があるというか、冷静なんです。日本の原発運転員は津波が来てびっくりしてしまった。シビアアクシデントを想定していなかったからです。アメリカの原発運転員にとってはシビアアクシデントは訓練の想定内です。「通常兵器なら当たっても大丈夫。核魚雷だったら原子炉が壊れてしまうなあ」と、そういう感覚なんです。
──スリーマイル島原発事故があったときのカーター大統領は、海軍で原子力潜水艦の士官だった。カナダの実験原子炉の解体で防護服を着て作業をした経験もある。だから原発事故が起きたときも事態の重大さが分かった。そういう核技術に関わった人材の層の厚さが違いすぎる。(中略)
──それだけの歳月と予算をかけて組み立てられたPBSやERSS/SPEEDIが、福島第一原発事故になぜ生かされなかったのか、という問題に話を移します。10月から11月にかけて『証言?班目春樹』(新潮社)、『海江田ノート』(講談社)、『東電福島原発事故?総理大臣として考えたこと』(幻冬舎)と、政府中枢にいた当事者の回顧録が続けて出版されました。私が驚いたのは、班目春樹・原子力安全委員長が「ERSSが壊れ、通信回線も途絶したので、SPEEDIは使えなかった」と本の中でまだこれまでと同じ説明を言い続けていることです。PBSは名前すら出てきません。「この期に及んで、まだなお班目委員長は理解されていないのだ」と愕然としました。
永嶋?実は、班目さんは私の5年後に東芝に入社された後輩にあたります。3年で東芝の研究所を辞められて東大に戻り、若くして助教授になられました。(永嶋さんがフジテレビの取材を受けた映像を再生しながら)福島第一原発事故当時、班目さんの提案された対策には、はっきり間違いと分かる箇所がある。東大教授が文献を読みながら知識をつけるだけでは、原発事故にとても対応できません。
──(烏賀陽が本を見せながら)班目委員長は「SPEEDIは文科省の管轄だ」「私は文科省に責任を押し付けられた」と主張されています。
永嶋?委員長が実は一番分かっていない(笑)。原発事故の時は、ERSS/SPEEDIは経済産業省の中に設けられた「緊急時対応センター」(ERC)で統括・連携して、原子力安全・保安院が首相官邸に情報を出すことになっている。ERSSを担当する「プラント班」とSPEEDIを担当する「放射線班」は隣同士です。そんなことは毎年「原子力防災訓練」でやってみんな知っていることです。班目さんは自分が何をなすべきか、分かっていない。
──国会事故調査委員会の報告にも「PBS」は名前すら出てきません。
永嶋?国会事故調に限らず、どの調査委員会にも私や松野さんのような原子力防災の専門家が入っていないのです。だから、相手の言うことを鵜呑みにしてウソや隠し事を見破れない。班目委員長や安全保安院長が「ERSSが壊れました。通信が途絶しました。だからSPEEDIは使えませんでした」と言えば「ああ、そうですか」で終わってしまって「いや、PBSがあったはずだ。なぜ使わなかったのか」と質問を重ねることができないのです。
?経産省は20年も緊急事故対策をやってきたのです。その歴史、経緯や結果の検証がまったくなされていない。これは極めて不愉快です。PBSの名前すら出てこないのです。(中略)
永嶋?動かしたはいいが、使い方が分からなかったのでしょう。よく分からないが、動かしてみた。そんな感じです。
──予測結果のあまりの深刻さに、伏せようとしたのではないですか。あるいは、PBSの存在を明らかにすれば、過去20年シビアアクシデントが起きうると知っていたことを認めざるを得ない。それが発覚するのを恐れた。
永嶋?それもあるかもしれませんね。
ERSSは「カネをかけて立派なものに見せることに意義がある」
──1995年からずっとPBSやERSSを開発して予算を投入してきた経産省〜安全保安院なのに、なぜいざ本番という時にまったく使えなかったのでしょうか。
永嶋?福島第一原発事故対応でも名前が出てくる原子力安全・保安院のXさん(烏賀陽注:永嶋さんは実名を挙げているが、相手の言い分をまだ取材していないので名前を伏せる)は、経産省でERSSの開発当初から担当だったんです。
──えっ!?じゃあ、Xさんは経産省の中でもERSSに一番詳しいはずじゃないんですか?
永嶋?経産省の官僚はカネを出すだけで中身の技術を勉強しようとしません。90年代の終わり、JCO臨界事故の前でしたが、Xさんが「ERSSは仏壇と同じだ」と言ったことを覚えています。
──「仏壇」とは、どういう意味でしょうか。
永嶋?「ERSSは役に立たなくていい。そんなシビアアクシデントは起きないんだから。しかし、一般公衆に向けて、原発事故対策はしなければならない。だからカネはかけなくてはいけない。だから仏壇と同じなんだ」。仏壇は実用上何の役にも立ちません。カネをかけて立派なものに見せることに意義がある。そんな意味でした。
──趣味の悪いジョークのようです。あまりにうまい例えで呆れてしまいました(笑)。
永嶋?私は臨界事故を契機にできた「原子力災害対策特別措置法」(原災法)の起案にも関わっていました。原子力安全委員会の「防災部会」で「緊急時対応ワーキンググループ」の委員をしていたのです。
?法を作るとき、原発事故のデータを通産省に渡しました。それを通産省は成文化した。法は概念にすぎないので、「3キロ以内避難・10キロ以内屋内退避」という具体的な数字を決めたのが「防災指針」です。その時、原災法3条に「原発事故が起きても10キロ圏外にまで影響が及ばないよう電力会社は事故を抑え込む責務を負う」という趣旨を盛り込みました。東京電力は当時「10キロに及ぶ事故なんか起きない」「大げさすぎる」と主張していた。それが今は「津波のせいだ」と逃げている。
──なるほど。PBSが予測した原発事故の予測は「原子力災害対策特別措置法」という法律に明文化されたんだ。単なるプログラムじゃない。
?どうして検察庁が東電を原災法違反で起訴しないのか、私は不思議です。16万人もの大勢の人が家に帰れなくなり「難民」のような生活を強いられているのでしょう??それは「侵してはならない個人の権利を侵している」と思う。原災法どころか憲法にすら違反しているんじゃないでしょうか。
──捜査当局が何を考えているのか、私も不可思議です。
永嶋?私は反原発でも脱原発でもありません。原発に疑問を持っている人でも大半は「本当に原発をやめてしまっていいのか」と考えているはずだ。しかし「誰がどんな罪を犯したのか」「罪を繰り返さないためにはどうすればいいのか」を真剣に考えて、しっかり実行しないと、普通の人がすべて「反原発」「脱原発」に行ってしまう。そして改善をしないまま地震や津波が起きたら、また同じような原発事故が起きる。もう1つ同じ事故を繰り返したら、もう日本経済は耐えられないでしょう。私はそれを真剣に案じているのです。
(私のコメント)
今回の衆議院選挙において、大きな争点となっているのは原発再稼動問題ですが、福島第一原発の事故原因などの検証が本当にできているのかと言う疑問だ。自己から1年半経って関係者の証言を本にしたものが相次いで出ていますが、当事者が原発の事についての知識の不足が感じられる。事故検証委員会の中にも本当の原子力防災の専門家が一人も入っていない事を長嶋氏が述べていますが、政治的な思惑が入りすぎている。
経済産業省も原子力安全委員会も、責任追及されるのを恐れて専門家を交えないで、上っ面だけの調査で済まそうとしているのかもしれない。官邸内の議事録すら菅内閣は取らせませんでしたが、それも責任追及に使われるのを恐れた為に公開されないのだろう。しかし官邸内の議事録は法律によって残す事が決められている。東電と現場とのビデオのやり取りなども一部しか公開されませんが、素人の私が聞いていても東電も現場も原発の防災知識に疑問を感じさせることばかりだ。
テレビの国会中継などでの原子力問題の集中審議などを聞いていても、質問するほうも原発の素人なら答えるほうの大臣も原発の素人であり、いろいろと資料を出して質疑していても、メモを読み上げるだけの審議であり、明らかに間違っていると思える答弁でも野党の議員さんはそれを追求が出来ない。枝野官房長官がSPEEDIのデーターが出せなかった事について、実際の計測データーが出ないとインプットできないからと答えていましたが、永嶋氏の発言でもそれが間違いである事がわかる。
「日本政府や班目春樹・原子力安全委員長は「ERSSが壊れて原発からリアルタイムのデータが取れなくなったので、SPEEDIも使えなくなった」という説明をまだ変えません。」と言われてその間違いを指摘できる人はごく僅かな専門家しかいない。しかしそれらの専門家が排除されるのは嘘がばらされるのが困るからだろう。
「株式日記」では原発を国の管理にすべきだと何度も書いてきましたが、民間の電力会社には原子力発電所の管理運営には荷が重過ぎるのだ。アメリカも民間の電力会社が原発を運営していますが、実際には海軍出身者が管理運用をしており、原子力空母や原子力潜水艦の原子炉を運用してきた経験者があたっている。だから非常時における対応も出来るのでしょうが、日本のオペレーターでは無理だったのだろう。
永嶋氏は、『私が驚いたのは、班目春樹・原子力安全委員長が「ERSSが壊れ、通信回線も途絶したので、SPEEDIは使えなかった」と本の中でまだこれまでと同じ説明を言い続けていることです。PBSは名前すら出てきません。「この期に及んで、まだなお班目委員長は理解されていないのだ」と愕然としました。』と言うように斑目原子力安全委員長は文献だけの知識では事故対応は無理があった。
政府官邸をはじめとして経済産業省や原子力安全保安院などが責任回避の為に情報を隠蔽してる事は想像がつきますが、一番責任のある東電が事故の情報を公開していない。事故の情報を強制的に開示させる為には、検察庁が東電を原災法違反で起訴することが一番だろう。一番の責任者は現場を管理運用していた東電にあり、事故が起きた原因の追究には情報の公開がなされないと、次の事故の予防が出来ない。
しかしながら霞ヶ関の官僚たちは責任回避の天才であり、寺坂院長を始めとして松永事務次官も退職金加算を貰って退職してしまった。国会審議の中でも責任回避に終始していて、これらの人物が原子力発電行政を監督していた事に寒気を感じます。永嶋氏は、「経産省の官僚はカネを出すだけで中身の技術を勉強しようとしません。」と言うように利権には敏感だが技術の事は鈍感であり、寺坂院長は「私はただの事務員」と言って現場から逃げてしまった。
テレビにおける国会議員たちの原発再稼動問題は、素人がわいわいやっても意味が無いのであり、何が問題であったのかを検証して安全基準を作っていかないと問題は解決しない。今朝の{報道2001」でもみんなの党の江田議員が発言していましたが、原発の1キロワットのコストは11セントだが天然ガスのコストは6セントというのがアメリカの計算だ。ところが日本では原発がダントツに安いと言う情報で行政が行なわれて来た。
国民に正確な情報が提供されていないのに、選挙でエネルギー政策を決めろと言うのは無意味だ。霞ヶ関の官僚が結論先にありきで情報を管理してしまうから、国会議員も政策を間違えるのであり、民間会社に原子力発電を任せるから安全基準が骨抜きにされて福島第一の大災害が起きたのだ。このまま原発が停止状態が続けば原発の技術者もオペレーターも離散してしまって再稼動は不可能になるかもしれない。
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