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がれき焼却 見切り発車/橋下・大阪市長
2012年12月2日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
大阪市が11月29日、30の両日、東日本大震災で発生した岩手県のがれきを試験焼却した。日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長が衆院選の応援で東奔西走する中、市議会や市民団体の反対論を押し切った格好だ。(佐藤圭)
大阪市此花区の人工島・舞洲。遊園地と見間違うような奇抜な外観の市の清掃工場で29日から27時間、岩手県宮古地区から搬入した木くずなどの震災がれき約100トンが一般ごみに混ぜられて試験的に燃やされた。
予定通りに進めば、来年2月には本格焼却に入る。2014年3月までに3万6,000トンを焼却し、焼却灰は近くの処分場に埋め立てる計画だ。
記者が同日午前、工場を訪れると、出入り口では市の職員らが警戒していたが、受け入れに反対する市民の姿は見かけなかった。「ちょっと待って!放射能ガレキ関西ネット」の高島与一さん(63)は「試験焼却中は、放射能の影響を心配して大阪を離れる人もいる。反対のプラカードを持って街頭に立ったり、市に抗議の電話をするなど、それぞれの判断で活動した」と話す。
市の強引な手法も市民団体を身構えさせている。先月13日の市民説明会で入場は市民に限定され、市外などから詰め掛けた約300人が「受け入れ反対」とシュプレヒコールをあげた。この際、建造物侵入などの疑いで4人が逮捕された。高島さんは「自分に反対する人は何が何でも排除しようというのが橋下氏のやり方だ」と憤る。
当の橋下氏は、日本維新の会の活動に忙しい。29日は、石原慎太郎代表と一緒に都内で記者会見し、衆院選公約を発表した。夕方には市役所で事務方と打ち合わせをしたが、市秘書課によれば「試験焼却の件ではなかったようだ」という。
岩手、宮城両県以外でがれき処理を肩代わりする「広域処理」の必要量は、5月の環境省のまとめで、当初想定した401万トンから4割減の247万トンに激減。必要性が疑問視されていたにもかかわらず、大阪市は6月に受け入れを決定した。市議会では自民党や共産党が反対・慎重論を唱えたが、7月には、がれき受け入れ関連費用を盛り込んだ補正予算が、橋下氏率いる大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決、成立した。
受け入れに前のめりな橋下氏と自民党などとの議論が平行線をたどったまま、先月16日に衆院が解散されると、12月14日までの定例議会の会期が繰り上げられ、先月20日に閉会してしまった。
自民党大阪市議団の北野妙子政調会長は、試験焼却について「補正予算に付けられた『安全性が確認されるまでは、試験焼却及び本格受け入れは行わない』との付帯決議を無視するものだ。市政そっちのけで選挙活動をする橋下氏に市民はカンカンだ」と批判する。
近畿以西で震災がれきを受け入れるのは、大阪市と北九州市だけだ。
大阪で受け入れに反対する下地真樹・阪南大准教授は「国は、狙いを付けた大阪と北九州で確実に震災がれきを焼却し、低レベルの放射性廃棄物を一般ごみと同じように処理する道を開こうとしている」と指摘し、こう話す。「アスベストなどの有害物質の問題も解消されていない。絶対に本格焼却は阻止したい」
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