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「同日選」でどうなる脱原発 投票しづらい 単一争点
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012112002000159.html
2012年11月20日 東京新聞 [こちら特報部]
「小異を捨てて大同」を“野合”と批判するのは早計。見習うべきなのは、脱原発を目指す政党では−との危機感が聞かれる。原発ゼロ社会の実現に向けて「民意」を示すチャンスが、来月16日の衆院選、都知事選の同日選だ。だが、脱原発を唱えるのは中小政党だ。市民の思いを票に結実させて、政治を突き動かせる妙策はあるのか。(小倉貞俊、上田千秋)
◆維持派が優位 「中小」は劣勢
「いくら国民の多くが脱原発を望んでいるとしても、今回の選挙に反映されるのは難しいだろう」。脱原発を公約にする政党が分散している現状を、早稲田大の河野勝教授(政治学)はこう読み解く。
各報道機関は16〜18日に世論調査を実施。比例の投票先を見ると、自民党、民主党、日本維新の会(以下、太陽の党との合計)の三つどもえの構図だ。朝日新聞が自民22%、民主15%、維新7%。読売新聞では自民26%、民主13%、維新13%。毎日新聞は自民と維新がともに17%で、民主12%。しかし、三党とも明確に脱原発を主張していない。
党勢が回復しつつある自民は「原発維持」。民主は「脱原発依存」だが、2030年代の原発稼働ゼロの閣議決定を見送り、その本気度には疑問符が付いて回る。
橋下徹大阪市長率いる維新は「30年代の全原発廃炉」を掲げたが、17日、石原慎太郎氏の太陽と合流する「大同」のため、目玉の政策を”骨抜き”にした。脱原発は「小異」なのか、原発維持の石原氏に譲歩し、示したのは「安全基準などルール構築」のみ。
三党に次ぐ公明党の「40年後の原発ゼロ」は脱原発とはほど遠い。
国論を二分する原発問題だが、河野教授は「廃炉の年限や手法が複雑で公約にはしにくく、候補者はなるべく触れたくないのが本音」と指摘。
有権者側の事情としては「選挙の争点は経済対策や消費税、震災復興など多岐にわたり、原発の是非という単一の争点だけでは投票行動には結び付きづらい」とする。
05年の衆院選で小泉純一郎元首相が郵政民営化の是非を掲げ、自民が圧勝。「賛成は改革派、反対なら守旧派といった印象操作が奏功したが、大きなツケも負わされ、争点の単一化への警戒もある」(河野教授)
一方、脱原発を公約にする政党も多い。共産党が「即時全廃」、社民党は「20年までの全廃」、国民の生活が第一は「10年後をめどに全廃」。みどりの風や新党日本、新党大地・真民主も「脱原発」をうたう。とはいえ、世論調査では劣勢を強いられている。
昨年7月の共同通信の世論調査で、当時の菅直人首相が表明した脱原発方針に対し、70.3%が賛成。その後の各社の世論調査でも過半数が脱原発に賛成している。今回の衆院選は民意を問うチャンスだが、このままでは逆に原発維持が”民意”になりかねない。
埼玉大の松本正生教授(政治意識論)は「維新と太陽との合流が『野合』と批判されているが、逆に脱原発を掲げる中小政党こそ政策連携などで学ぶべき点もある。『うちが脱原発の本家』とばかりに意地の張り合いをせず、むしろ石原氏が言う『小異を捨てて大同につく』との選択肢もあるはずだ」と話す。
◆都知事選も後継リード?
衆院選の投開票日には東京都知事選もある。国内最大の電力消費地で、福島原発の恩恵を最も受けてきた。知事選をはじめ、都民の動向は国のエネルギー政策に影響を及ぼす可能性もある。
市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」は、原発の是非は自分たちで判断しようと呼び掛け今年5月、条例制定を求めて32万人の署名を石原慎太郎知事(当時)に提出した。
ところが石原氏は都民投票条例案に反対の意見を付け、都議会は6月、自民、公明両党を中心に反対多数で否決した。
その原発維持派の石原氏が辞職して行われる知事選。脱原発派が勢いづきそうにも思えるが、立候補予定者の中で、脱原発を掲げる前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏の知名度はいまひとつ。石原氏が後継に指名した猪瀬直樹副知事が優勢といわれている。
このままではダブル選とも、脱原発の意思が反映されない結果も予想される。妙案はあるのか。
同市民グループ事務局長でジャーナリストの今井一さんは、有権者は一つの問題で投票先を判断するわけではないとして「選挙では民意は分からない。国民投票で決めるしかない」と唱える。
実際、国民投票で原発建設計画が撤回されそうなのはリトアニアだ。日立製作所が輸出する原発建設をめぐり、先月、是非を問う国民投票で反対が63%に達した。強制力はないが、計画を破棄する動きが進んでいる。
今井さんは「選挙後に原発維持派が『これが民意』として再稼働を進めようとしたとしても、それは決して民意とは言えない」とくぎを刺す。
一方、政党や立候補予定者の公約を検証し、誰に投票するか慎重に見極めようと呼び掛ける動きも出ている。
毎週金曜日、首相官邸前の抗議行動を主催する「首都圏反原発連合」は各政党の原発に関する考え方を、チラシやホームページなどに載せて有権者に提供していく。
衆院選が公示される来月4日に、自民党本部前で抗議行動を予定する。「50基以上の原発を造ってきたのは自民党。その責任と、どういう公約を打ち出すかが問われている。脱原発が争点となる選挙にしないといけない」と同連合の小泉岳義さん。投開票2日前の来月14日の金曜日も、恒例の官邸前行動で最後まで訴えを続けるという。
「さようなら原発100万人アクション」の高田健さんは「急に脱原発を言い出した政党が、選挙後に『ころっ』と考え方を変えないよう、今から注目しておく必要がある」と話す。
同アクションは投開票前日の来月15日に東京・日比谷公園で集会を開く予定だ。「いろいろな人の主張や思いを無駄にしないために、脱原発を実現してくれる候補者に投票しようと伝えるつもりだ」と力を込める。
選挙の行方に最も注目しているのは、原発事故の被害者たちだ。「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは「今でも決していい状況ではないのに、原発維持派の政権になったらどうなってしまうのか」と危機感をあらわにする。
県外と被災地との温度差が広がっていると感じており、こう訴える。
「決定打がないなら、やれることをやっていくしかない。どんな状況になろうともあきらめることなく、声を上げ続け、できることを一つずつ誠実にやっていくだけです」
[デスクメモ]
第三極へと合流した「石原・橋下劇場」がテレビ各局で繰り返され、増幅された。「テレポリティクス」とはテレビを意識した政治で二人とも花形だ。影響力は大きい。脱原発派もテレビを活用してはどうか。脱原発互助会でもいい。選挙前に脱原発の部分連合で連携する握手のサプライズが必要だ。(呂)
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