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〈原発〉 大飯原発の危険度 〜燃料棒・免震棟〜 (語られる言葉の河へ) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/561.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 11 月 07 日 20:02:00: igsppGRN/E9PQ
 

【原発】大飯原発の危険度 〜燃料棒・免震棟〜
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/f2a8a01c9a8a728ce880cd0e76968545
2012年11月07日 語られる言葉の河へ


 (1)大飯原発の危険度は「ストレステスト意見聴取会」でずいぶん分かってきた。
 大飯原発3、4号機は比較的新しい1990年代のものなので、たぶん事業者はわりと自信があるものだろう。しかし、いろいろ訊いてみると、だんだん変な話が出てきた。
 技術的に一番問題なのは、制御棒が大地震のときにきちんと入るか、疑問な点だ。2.2秒以内に入らなければならない、という規定なのだが、小さい地震の場合はよいとして、基準地震を超えた場合でも大丈夫なのか。大飯原発は想定される揺れの1.8倍の地震まで大丈夫だとストレステストでは結論づけているが、実は1.8倍の地震が起きたときは、制御棒が挿入されるのに2.2秒を超えそうなことがわかった。
 すると、計算の方法を変えて、基準地震では1.8秒以内でいく、という話を後から出してくる。
 稼働させる、という結論に合うデータだけ出してくる。
 ストレステストをする電力会社も、チェックする側も「原子力ムラ」なのだ。
 大飯原発は加圧水型原子炉(PWR)なので、三菱重工が設計して作った。で、原子力安全基盤機構(JNES)にいる三菱重工のOBが審査している。
 予想の地震の1.8倍でも余裕がある、と言うが、2倍4倍の地震が来る可能性もある。上限はわからないのだ。

 (2)免震棟のないうちに再稼働しているのも、大飯原発3号機の大きな問題だ。
 福島第一原発の場合、免震棟があって、保護されて壊れていなかったから、非常時でも一応司令が発せられていた。何人か技術者が詰めて、いろんな作業ができた。4年前の中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の教訓で、3・11の半年前に作った。柏崎刈羽原発の教訓が活かされた唯一の例だ。免震棟がなかったら、全員が退去してしまって、もっとひどいことになっていた。
 その免震棟が大飯原発にはない。3年後あたりに作るという計画を出したから、それでいことにして、再稼働させた。
 ほかに、水密扉の問題、防潮堤の高さが足りない問題がある。

 (3)聴取会で問題視される原発は、ほかに例えば志賀原発2号機。破砕帯があって、活断層ではないか、と渡辺満久・東洋大学教授が指摘している。また、ここは津波が来たら水密扉で対応することになっている。それが全部手動なのだ。人の訓練がどこまでできているか、という労務管理の問題がある。

 (4)保安院や推進派は、口癖のように言う。安全というものは、ここまでやったから安全ということにはならない、安全は常に限りがない、と。
 そして、だから完全でなくてもやる、ということにすり替える。分からないことがあっても、それは将来の問題だ、と引き延ばしてしまう。
 ここまでやらねばならない、と分かっている最低ラインのこともやらないで再稼働している。

 (5)2次テストは2011年12月までにやることになっていたが、各電力会社は全然やってない。運転再開に関係ないからだ。保安院も催促しなかった。
 2次評価は、シビア・アクシデントの問題で、大きく壊れたときにどれぐらいの被害が及ぶのか、その時の対策がどうなのか・・・・非常に確率は小さくて滅多に起こらないが、起きたときにどういう対策をとっていくのか、を考える大切な場だった。これがほとんど進んでいない。先送りになっている。

 (6)原発は原理的に危険だ。特に地震国の日本ではそうだ。一挙に止められなくても、非常に危険な原発から止めていくべきだ。
 非常に危険な原発の基準として考えられるのは、地震・津波に弱い位置にあるとか、立地の問題だ。それと、老朽化した原発。1970年代に建てた原発は危ない。材料が悪いし、製造方法もよくない。圧力容器は板を薄くして、それを張り合わせる作り方だが、これがよくない。1980年代に入ると、最初から輪っかを作って、それを重ねる作り方で、その方法だと溶接の箇所が少ない。
 設計的に欠陥のあるマークT型も危険だ。だから、まずそういうものを止めることを決める、という方法はあると思う。

 (7)危機感は意見聴取会でほとんど取り上げられない。原発は止めない、という前提で進行する。やる人間を替えないとオープンな議論にならない。だから、原発を続けるかどうかという話も、技術的に決まるわけではない。
 地域ごとに危険を受けるかもしれない人たちがちゃんと判断する市民参加の体制を作らないかぎり、原発は動かすべきでない。

 以上、井野博満(東京大学名誉教授)「1970年代に作られた原発はすべて廃炉にすべき」(「SIGHT」2012年秋号)に拠る。

 

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コメント
 
01. 2012年11月07日 20:34:49 : WsNDSdhQTA
日本の原子力技術の専門家の殆どは原発で飯を食っているから、ことごとく原子力村民。技術的評価となれば、客観的な結論など出てくるわけがない仕組みになっている。
僅かに小出助教のような方もおられるが、ごく少数派で理不尽な地位に甘んじなければならない。仮にそのような委員会に呼ばれて出向いたとしても、少数意見も聴いた上で多数決で決めました、というアリバイ工作に使われるだけ。(かつて高木仁三郎氏もそのように言っておられた。)

米国では幸か不幸か核の軍事利用の専門家が政府筋の近くに居ることが、結果的に商用原発についての中立的評価ができる人材がいる事となり、例えば現在の福島の事故を受けた原発の新規/継続認定の無期限停止などの措置が判断できている。(あくまで国内向けだけど)

日本の場合そんな事も望めないのだから、原発の廃止、存続は、あくまで国民全員の意思で決めるべき。非科学的と言われようがそれが一番客観的な判断になる。


02. 2012年11月07日 22:15:06 : SSrXCe3djE
先日、仙台空港で不発爆弾が発見され、定期便全92便欠航した。
爆発の可能性は否定できないので、大事を取ったわけである。

大飯原発では、4人の専門家の意見に差はあるが、活断層の可能性は否定できないという点では一致している。(朝日11月5日)
ことが起きれば、原発被害は爆弾とは比べ物にならないのになぜ稼働を止めないか
全く不思議である。

福島原発事故は、近くに活断層がなくても大地震によって引き起こされた。
活断層のあるなしに稼働の可否を委ねているのはおかしなことである。防潮堤の高さが1m足るの足らないと騒ぎ、本当に危険なことから国民の目を逸らしている。

大飯原発では、報道されていない重要なポイントがある。
それは、非常用取水路(非常用ディーゼル発電機を冷却するための海水取水路)が
断層を横切っていると公表しているが、3,4号機の復水器を冷却するための、エンジン用とは比べ物にならない量の海水の取水路について、何も公表されていないことである。ネットで調べてみると、大島半島の小浜湾側から取水している。
それなら、ディ−ゼルエンジン用の取水路と同様、断層を横切ることとなる筈である。


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