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風評防げ 放射能数値全て公開 農作物「見せる課」始動
2012年11月5日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
農作物の放射性物質の検査、除染の取り組み、畑の状況など全て見せます─。福島県いわき市は先月、「見せる課」を新設し、農作物の風評被害を食い止めるための活動を始めた。判断材料が少ないことが風評を呼ぶ。同市は「透明性が大切だ」と都合の悪いものも含めて情報を発信していく。(小坂井文彦)
◆いわき市 不安解消へ判断材料
「いわき市の年間日照時間は東北地方トップの約2,060時間。東京よりも約200時間も多い。温暖な気候で、野菜もコメもおいしい」と同市農林水産部の根本彰彦部長は力説した。
主力の食材は、県内全体の1割以上を収穫するトマトとネギだ。トマトは2月に京都大学の研究グループが「肥満改善効果がある」と発表して出荷が増え、卸価格は他県産と同程度になった。しかし、特需のなかったネギは2〜3割価格が下がった。
見せる課の西丸巧課長は「主にハウス栽培のトマトよりも、露地栽培のネギの方が風評被害を受けやすい」と話す。
昨年はハクサイやキャベツ、ブロッコリーなど、露地物は県外産の半値以下に値崩れした。「風の影響で、放射性物質は福島原発から北西方向に多く飛び、南側のいわき市は比較的少なかった。しかし、原発からの距離が近いことが、消費者に不安を与えている」
風評と言いきれない部分もある。昨年6〜9月に、市内の水田を2キロ四方に区切って調べたところ、全体の13%の39区画で1キログラム当たり1,000ベクレルを超えた。畑でも、約3%以上の8区画が毎時1マイクロシーベルト以上の空間放射線量を記録した。
放射性物質が降り注いだ以上、消費者はいわき市の農産物に不安を感じる。その不安を、できる限りの情報を公開することで解消しようと始めたのが「見せる」活動だ。
市内には放射性物質検査所が6カ所。農家から毎日、出荷前の農作物が届く。畑ごとに30分かけて測定し、結果は「見せる課」ホームページで公表する。原則、検査後にしか出荷しない。1日分の公表は28件で、シュンギクから1キログラム当たり14ベクレル、食用菊から同13ベクレルを検出し、ほかは検出下限値の同10ベクレル以下だった。厚生労働省の基準値の100ベクレルの1割程度でも数値は必ず公表する。
◆農家訪問するツアーを企画
同課は、農家の実情を知らせるテレビ広告を今月中旬まで放映中。今後は、消費者向けのバスツアーを企画し、農家を訪問してもらい、取れたての野菜を振る舞う。
ネギ農家の鈴木剛さん(74)は、30アールの畑に放射性物質を吸着させるゼオライト300キログラムをまいた。「ネギから放射性物質は検出されていない。とにかく、やれるだけ頑張るしかない。今年のできはまあまあだ。食べるには、すき焼きだっぺなあ」
トマトをハウスで栽培する青木浩一さん(44)は今年は特需で風評被害を免れたが、楽観はしていないという。「土を使わず、輸入したヤシ殻などの培地で栽培している。水が汚染されていなければ、放射性物質は全く問題ない。ハウスを見てもらえば分かる」と見学を呼びかけた。
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