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http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=236513
10/08/20
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■原子力を巡る基礎知識 − その5 過剰な発電所と無力な原子力
京都大学 原子炉実験所 小出 裕章氏
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kid/npower/nppratio.htm
◆発電所はあり余っている
前回までに示したように、多くの人たちの思い込みに反して、原子力は貧弱な資源であり、未来のエネルギー源にはなりえません。それでも日本では現在、電力の30%を超える部分が原子力で供給されています。そのため、原子力を廃止すれば電力不足になると思っている日本人は多いと思います。また、今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っている人も沢山います。そして、原子力利用に反対すると「それなら電気を使うな」といわれます。
しかし、発電所の設備量で見ると、原子力は全体の18%しかありません。その原子力が発電量では3割を超えているのは、原子力発電所の稼働率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているためです。原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にも達しません。それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもなりません。つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余っているのです。
<日本の発電所の状況と実績(自家発を含む:1998年度)>
種 別 設備稼働率 最大年間発電量
原子力 83.8% 約4000億kw
水 力 25.8% 約4000億kw
火 力 43.6% 約14000億kw
全 体 47.7% 約22000億kw
※設備稼働率=実際の発電量÷設備利用率を100%にした場合の年間発電量
ただ、電気は貯めておけないので、一番たくさん使うときにあわせて発電設備を準備しておく必要があります。それでも、最大電力需要量が火力・水力発電の合計でまかなえなかったことはほとんどありません。電力会社は、水力は渇水の場合には使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原子力発電所を廃止すれば電気の供給が足りなくなると主張しています。しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうち真夏の数日、そのまた数時間のことでしかありません。かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、自家発からの融通、工場の操業時間の調整、そしてクーラーの温度設定の調整などで充分乗り越えられるはずです。
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ややデータは古いのですが、状況は大きくは変わっていないといえます。電力会社の意向によって原子力の稼働率を高め、火力、水力を意図的に稼働率を落としている。水力などは、25.8%しか稼動していない。
であれば、今すぐにでも全体稼働率を高めれば、原子力は不要なのではないか、あるいは、日本の自然に適している水力発電も既存稼働率を高めることや新たに小水力発電などの小規模地域分散型の発電方法を増やしていくことも考えられる。
もはや、原子力を廃止することは不可能という電力会社の主張(都合)は、疑ってかかったほうがいいことがはっきりした。
改めて、日本における最適な発電量とその配分を考えることが必要なのだと思う。
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