「活断層、定義拡大を」規制委会合、専門家が厳格化求める

　原子力発電所の敷地内に活断層の存在が指摘されている問題で、原子力規制委員会は23日、11月に関西電力大飯原発（福井県）を現地調査する専門家を交えた事前会合を開いた。活断層の定義があいまいな点を問題視する見解が相次ぎ、定義を大幅に拡大するなど厳しい判断を促す声が出た。

　原発の耐震指針では、活断層の定義を「後期更新世（12万〜13万年前）以降に動いたもの」と年代を区切っていた。規制委の島崎邦彦委員長代理は会合の終了後に「40万年までは同じと考えてよい」と述べ、古い年代まで遡って調べる意向を示した。古くまで認めれば規制委の調査の対象が大幅に広がる見通しだ。

　従来の原発審査に批判的な渡辺満久東洋大教授が活断層の定義について「研究者によってばらつきがある」と指摘するなど、判断基準の統一を求める意見も出た。島崎氏は規制委の作業に関してエネルギーや原発再稼働の観点から離れて「科学的な議論だけをしてほしい」と述べた。

　大飯原発では関電も自主調査を進めており、10月末に中間報告する。専門家らは11月２日に関電の掘削現場を視察。土の色や柔らかさなどから、活断層かどうかを確かめる。専門家らは４日に評価会合を開き、規制委が安全性を最終判断する。
　原発の下に活断層が見つかれば、将来地割れが起きて建屋が傾く恐れがあるため、規制委は運転を認めない方針だ。

［日経新聞１０月２４日朝刊Ｐ．５］

コメント
01. taked4700 2012年10月25日 08:56:49 : 9XFNe/BiX575U : 7zkxvMiYx2 あっしらさんがタイトルで書かれているように地震の揺れがなくとも原子炉の事故は起こりえますし、高レベル廃棄物の問題は全く解決のめどがたっていません。 しかし、もう一点、今回のことには罠があるような気がします。 それは40万年という期間の長さです。この基準で活断層を認定すると、40万年間動かなかったものをこの数十年で動くと思わなくて構わないと多くの一般市民が無意識のうちに思い込んでしまう可能性があるのです。 もちろん、学者の方たちが考えていることは全く違い、現在までに数十万年動かなかったものはかえって近い将来動く可能性が高いのです。この点をもっと強調しないと思わぬ誤解を受ける可能性があります。

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