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6ミリの「腺腫様甲状腺腫」と診断→切除手術後に乳頭癌(甲状腺のがん)と判明、青山勤務40代女性。
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2012-10-22 00:48:27 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」
今回の話は、僕も厳しい事例と考えています。
3.11.以後にできた可能性が高い、「腺腫様甲状腺腫」がある40代の女性です。今年になって、西日本に避難。もとのお住まいは、神奈川県内ですが、東京近郊に近い場所です。青山近辺のオフィスに、3.11.以降も、通っていらっしゃいました。被曝を気にはされていて、マスクはつけていたそうですが、普通には生活をしている。初期被曝はしていたとみられます。この方は、以前から、甲状腺に大きめの腺腫様甲状腺腫があり、その経過を震災後も確認を続けていました。去年の段階では、他に変化はなかったのですが、ことしの夏に検査したところ、新たに小さい腺腫様甲状腺腫がみつかったそうです。
そして、今月、大きくなった腺腫様甲状腺腫を切除手術されたそうです。甲状腺の切除手術はおこなわれるときに、大きくなったものだけ取るのではなく、ついでにその近くのものも取ることは多いです。この小さい腺腫様甲状腺腫も切除したそうです。そこで、驚くことがわかりました。彼女が書いた経緯をご覧ください。
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電話でお話しした件について、以下に経緯を記載します。
震災後は神奈川県に住んでいましたが、私の身体に被爆の影響と思われる様々な症状(下痢、肺炎、アレルギー、喘息再発、免疫力低下、不整脈、目のしみるような痛み、など)が出て、夫を説得して現在は西日本に避難しています。
震災以前(約15年前)から甲状腺に腫瘍があり、経過観察を続けていました。
昨年の11月に神奈川の大学病院でエコーによる精密検査を受けた時は、「良性であり、引き続き定期的に受診してください」とのことでした。
そして、今年の夏に別の病院で診てもらったところ「腫瘍の大きさが4センチ近くになっているし、悪性化している可能性があるので専門の病院で診てもらうように」との指摘を受け、甲状腺の専門病院に入院しました。
この病院でのエコー検査の結果、以前からある腫瘍の他に6ミリの腫瘍が発見されましたが、穿刺吸引細胞診の結果は良性とのことでした。
そして、今回、腫瘍の摘出手術をおこないました。
腫瘍摘出の手術後の生検の結果、以前からあった4センチ近くの腫瘍は良性、新たにみつかった6ミリの方は乳頭癌でした。チェルノブイリ後に激増した種類の癌です。以前からあった大きな腫瘍を摘出するついでに取った小さな腫瘍が乳頭癌だったわけです。
執刀医の先生に「乳頭癌はどのくらいの期間で6ミリの大きさになるのでしょうか?」と尋ねたところ、成長したり止まったりを繰り返すので一概には言えないが、一年以上前からあったのではないか、とのことでした。
被爆の影響だと思い、愕然としました。私は震災後に東北地方に行ったことはなく、関東でごく普通の会社員の生活をしていました
昨年3月の初期被爆当時は、神奈川から東京(青山近辺)の会社に出社していました。花粉症があるため外出時は常に2重のマスクをしていました。3月15日は10時半ごろに会社に出社しましたが、お昼過ぎに世田谷まで放射能が来ているという情報をネットで見て、水で濡らしたハンカチをマスクの間に挟み、午後4時ごろ、雨が降る前に帰宅しました。21日は雨のため終日マンションの部屋の中にいました。22日以降は通常通り出勤していました。
私の場合、もともとあった腫瘍の影響で甲状腺が被爆の影響を受けやすかったのかもしれません。でも40代の私の甲状腺に、このタイミングで初期の乳頭癌があったのです。子供たちやもっと若い人への影響はどうなのでしょうか?精密検査をすればとんでもなく多くの人々に異常が発見されるのではないでしょうか?
東北、関東のすべての人には、一刻も早くエコーによる甲状腺の精密検査を受けてほしいと思います。血液検査でサイログロブリンの値を確認することも必要だと思います。
私の場合、自覚症状は一切ありませんでした。どうか私の経験が少しでも活かされますように。
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この話のポイントは、去年秋には見つかっておらず、ことしの夏に、新たにみつかった6ミリ程度の大きさの腺腫様甲状腺腫が、乳頭癌(甲状腺のがん)として診断されたことです。昔からあった腺腫様甲状腺腫は、4センチの大きさでも、良性で、医師の予想通り、何の問題もなかったのですが、事故後にできている可能性がきわめて高い、腺腫様甲状腺腫が、わずか6ミリの大きさしかなかったのに、すでに悪性化して癌になっていたという事です。しかもそれは、手術前の生検では、癌として判明しておらず、手術後、切除しての生検が、細胞一個一個を調べるため、結果が出るまで1週間以上かかるそうですが、それで癌と判明したそうです。この方の場合、良性腫瘍の摘出のついでに、癌が、かなり初期に摘出できた訳です。ある意味、幸運な話です。
もちろん40代の女性で、他の方よりも、もともと甲状腺に良性の腫瘍がある方ですから、一般の方よりも、お子さんよりも、体質的な影響をうけやすい可能性も、ご本人がおっしゃるように否定できないとは思います。しかし、僕の耳に聞こえている、首都圏の子どもや若い女性たちの甲状腺の異常は、のう胞に次いで、「腺腫様甲状腺腫」というケースが多いのです。大きさは数ミリ程度のものが多いです。過去に何人もの記事を書いています。まさに、この方と同じように、甲状腺に、数ミリの「腺腫様甲状腺腫」という状態を抱えている、お子さんや女性は、一定割合でいます。
のう胞も含めた異常は、この事故後、エコー検査を1,000人近く見続けている医師によれば、首都圏で3割程度とみられます。小さい「腺腫様甲状腺腫」もおそらく1割程度は、見つけられる可能性が高いです。そうすると、これらの群の中に、おそらく同様のケースがあるのではないか、初期の甲状腺のがんになっているケースがあるのではないかという怖れを僕は抱き始めています。
しかも、この女性は、甲状腺の自覚症状はありませんでした。
とにかく、甲状腺のエコー検査、血液検査は行ってください。成人女性はサイログロブリンの数値も確認するとよいと思います。
また、通常の血液検査、さらに白血球の血液像の確認も行ってください。
首都圏で、健康被害がおきないという根拠の弱い想定はやめて下さい。正直、どこまでおきるのか、わかりません。そしてリスクが、どんどん明確な形を取り始めています。認識して下さい。政府も、会社も、貴女の命は守りません。
貴女の命は貴女が守るしかありません。大事な人、家族、勿論子どもを守るのは、貴女だけです。
貴女はどうしますか。
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