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チェルノブイリの経験がフクシマに必要
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_21/91967437/
21.10.2012, 19:44 The Voice of Russia
日本とＩＡＥＡ（国際原子力機関）は、福島県に研究拠点を設置する。福島県の佐藤雄平知事とＩＡＥＡの天野之弥事務局長が合意に調印した。
新しい学術センターの職員は、放射性廃棄物の処理や汚染土壌の浄化などの課題に取り組むことになる。2011年3月の災害によって、最も大きな被害を受けたのが福島県だ。崩壊した第一号炉からは海中および大気中に多くの放射性物質が放出された。15万人が避難させられ、汚染により1年半経ったいまでも自分の家に戻れた人はそう多くない。今回設置されるセンターでは、それらの人々が家に戻ることができるよう、汚染土壌の浄化に取り組むことになる。またＩＡＥＡでは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシから、1986年のチェルノブイリ原発事故の処理に実際に参加した専門家らを日本に派遣する計画だ。チェルノブイリとフクシマという原子力発電史上最も大きな事故は、1つは大陸部で、1つは海岸部でという、2つの違った条件のもと発生した。しかし、2つの事故の間には多くの共通点も存在する。
エネルギーファイナンス研究所のセルゲイ・コンドラチエフ上席研究員は、ロシアの専門家らが、フクシマの事故について、分刻みで正確な予測をしていたことを指摘している。
−ロシアとウクライナの専門家らは、すでに半世紀に渡って、チェルノブイリ事故の処理についてのユニークな経験を持っています。事故の内容やその結果については様々なものがありますが、長期的に見れば共通の法則性というものが存在します。その観点からみれば、チェルノブイリの経験を振り返り、ロシアやウクライナの専門家らが犯した間違いを繰り返すようにしないことで、日本の専門家の参考となるでしょう。というのも当時、私たちにとってそれは完全なショックだったからです。今の日本には我々の経験をもとに結論を出すという可能性があるのです。
フクシマの事故の後、日本では2040年までに原子力を全面廃止するということについて、公聴会が開かれている。その背景には、原発反対派が盛んに活動していることがある。9月、政府は新原子力戦略を発表し、原子力から他のエネルギーへの移行をうたっている。
しかし、多くの専門家らはこのような方策が経済的に利益のあがるものではない、と指摘している。セルゲイ・コンドラチエフ氏は次のように述べている。
−そうなれば、ガスをはじめとする伝統的エネルギー源に代わる大きな出力を作り出さなくてはなりません。そしてそれはここ25年から30年においては経済的に効率的ではないのです。もしかすると将来、今あるエネルギー源と同じような価格で電力を作り出すことができるような安価なテクノロジーが作りだされるかもしれません。しかし現在、日本の経済的問題を考慮すれば、あまりいい決断とは言えません。現在の状況下で脱原発を行えば、産業にとっては電力価格の値上げを意味し、その競争力が低下することとなります。
一方、採算性のある代替エネルギーの模索は世界で続けられていくだろう、と雑誌「ヤージェルニィ・クラブ（Nuclear Club）」のアントン・フロプコフ編集長は語っている。
−全体的に近い将来、エネルギー発展には2つの主要な方向性があります。それは原子力に代わることの出来る強力なエネルギー源の模索と、原子力発電をより安全なものとする解決策の模索です。将来50年から100年の間に、人類が原発を脱却することは不可能でしょう。というのも、それにかわるものが存在しないからです。
アントン・フロプコフ編集長の意見によれば、日本政府の脱原発方針は、もしそれが採択されることがあったとしても、純粋に政治的なものだろうということだ。恐らく、日本は後になって前言を撤回しなくてはならなくなるだろう。フクシマに続いて行われたスイスやドイツの決定もおそらくは、政治的な意図を持ったものだ。米国やロシアは、そのような路線をたどることはいまのところ計画していない。
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