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取材現場から 3・11後のデモ 早川由紀美 社会部(東京新聞)
(東京新聞)2012.10.14
■新しいうねり見つめ
六月二十四日正午すぎ、JR三鷹駅。アロハシャツやスニーカーなど黄色のものを身に着けている人々の一群がホームにいるのを見て、私はちょっと笑ってしまった。
野田佳彦首相の地元・千葉県船橋市での、原発再稼働に抗議するデモ。主催したのは中央線沿線の複数の脱原発グループだった。彼らからいくつか「面白いこと」をする、と事前に聞いていた。総武線の同じ電車で合流しながら船橋に向かうこと、総武線の色である黄色を、参加者の目印にすること。インターネット上に短文を投稿できるツイッターなどで広めているという。
黄色の一群が各駅で乗り込んできて、あいさつを交わしているのを見て、3・11後に何か新しいものがこの社会で生まれつつあるのかも、とあらためて感じた。
脱原発を求める官邸前の抗議行動には多いときには何万人単位で人々が集まった。でも、今のうねりのようなものの特徴は、その数だけではなく多様さと一種の「軽さ」にある。官邸前には「選挙権がないのが悔しい」と話す十代から戦争体験者までさまざまな人が訪れる。各地で「デモ割」も広がっている。割引などの特典を用意する飲食店はマップなどでデモ参加者に知らせる。経済効果を生むことで、地域との共存を図る試みだ。
先日、米軍の新型輸送機オスプレイの抗議活動に参加した女性は、官邸前の歩道にちゃぶ台を置いて楽器を演奏した。
「楽しくないと続かない」というのがその理由という。「軽さ」は、かつての学生運動のような折れ方はしない、しなやかさや強さでもあるんじゃないか、とも思う。
官邸前の抗議活動に集まる人々の数は一時に比べ減っている。それでも参加した人々は、選挙に向けた署名活動などさまざまな模索を始めている。水面にふわふわ浮かんでくる泡のような動きにも目を凝らしていきたいと思う。それは、奥底で始まっている地殻変動の兆しかもしれないのだから。
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