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「秋場龍一のねごと」ブログ
「(柿の)一つの芽から実が三つ」って、明るい街ネタかよ。放射線障害を心配するのが先だろ。
けさ朝刊をめくっていたら、ぎょっとする文字が目に留まった。その紙面は「ちば東葛」という朝日新聞千葉地域版である。それはこういう見出しだ。
「一つの芽から実が三つ」「野田で柿の珍品」
千葉県野田市に住む人の自宅の敷地に、ことしも樹齢約80年の甘柿の実が300個ほどなった。このなかに、一つの芽に三つの実がついたものがあったのだ。その柿の写真も載っていて、たしかに実が三つある。
近所の90歳の男性は「こんな柿は初めて」と驚き、市の農政課は「聞いたことも見たこともない」という。
この記事、「わあ、珍しい柿がなったよ」みたいな、明るい調子の街ネタだけど、ぼくは暗い話題として読んでしまった。だって、この「三つの実」って、遺伝子障害によってできたものでしょ。
とすると、放射性障害をうたがい、人の遺伝子でもこういうことが起こっているのではと連想してしまうからだ。さらに300個に1個なら、人も300人に1人、こうなるのでは、とも。もちろん科学的でないのは承知だけど。
そういうと、福島をはじめ関東の柿から高線量のセシウムが検出されている。この三つの実の柿が、放射線障害が原因でないことを祈りたいのだが、やはりあんな原発の巨大事故があったので、どうしても放射線による遺伝子障害をうたがってしまう。
こんなぼくのように、福島第一原発の事故というのは、人びとのメンタルにも大きな負担や障害を与えていることはまちがいないだろう。
しかし、この記事、ちょっと能天気だな。ぼくも新聞社で街ネタを拾っていたことがあるけど、ぼくならこんな柿を見つけたら、放射能汚染されていないか検査する。それが新聞報道、ジャーナリズムというものだろ。カッコつけてるって? たまにはいいだろ。
なに、わるい風評をたてるな、だと? 風評被害を心配するより、まずは人の健康と命を心配するのが筋ってもんだろ。(参考資料・朝日新聞10月3日朝刊)
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