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福島健康調査:「秘密会」出席者に口止め 配布資料も回収
http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040155000c.html
毎日新聞 2012年10月03日 02時30分
東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査について専門家が意見を交わす検討委員会で、事前に見解をすり合わせる「秘密会」の存在が明らかになった。昨年5月の検討委発足に伴い約1年半にわたり開かれた秘密会は、別会場で開いて配布資料は回収し、出席者に県が口止めするほど「保秘」を徹底。県の担当者は調査結果が事前にマスコミに漏れるのを防ぐことも目的の一つだと認めた。信頼を得るための情報公開とほど遠い姿勢に識者から批判の声が上がった。【日野行介、武本光政】
9月11日午後1時過ぎ。福島県庁西庁舎7階の一室に、検討委のメンバーが相次いで入った。「本番(の検討委)は2時からです。今日の議題は甲状腺です」。司会役が切り出した。委員らの手元には、検討委で傍聴者らにも配布されることになる資料が配られた。
約30分の秘密会が終わると、県職員は「資料は置いて三々五々(検討委の)会場に向かってください」と要請。事前の「調整」が発覚するのを懸念する様子をうかがわせた。次々と部屋を後にする委員たち。「バラバラの方がいいかな」。談笑しながら1階に向かうエレベーターに乗り込み、検討委の会場である福島市内の公共施設に歩いて向かった。
県や委員らはこうした秘密会を「準備会」と呼ぶ。関係者によると、昨年7月24日の第3回検討委までは約1週間前に、その後は検討委当日の直前に開かれ、約2時間に及ぶことも。第3回検討委に伴う秘密会(昨年7月17日)は会場を直前に変更し、JR福島駅前のホテルで開催。県側は委員らに「他言なさらないように」と口止めしていた。
◇「今後はやめる」
秘密会の日程調整などを取り仕切っていた福島県保健福祉部の担当者との主なやり取りは次の通り。
−−検討委の会合ごとに秘密の準備会を開いていなかったか。
記憶にない。
−−昨年7月、秘密会の会場を急きょ変更し、口止めを図ったことはないか。
……覚えていない。
−−検討委の約1週間前に委員を呼び出したり、検討委と別に会場を設けたりしていなかったか。
……確認のため時間をください。
<約1時間中断>
−−確認できたか。
指摘の通りの事実があった。毎回準備会を開催していた。
−−調査結果や進行についてあらかじめ話し合っていたのか。
事前に調査結果を説明し、委員に理解してもらったうえで臨んでほしかった。事前に調査結果を配りたいが、それができない。
−−マスコミに漏れるからか?
それもある。
−−なぜ隠していたのか。
隠していたつもりはないが、積極的に知らせるのは避けた。ナーバスになっていた。
−−県民に不安を与えないように検討委を進めたかったのか。
それはあった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。こうした準備会は(今後)開催しない。
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