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毎日新聞 2012年10月02日 11時36分(最終更新 10月02日 12時44分)
【ブリュッセル斎藤義彦】
欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は1日までに、原発の安全評価(ストレステスト)の結果、域内の全原子炉143基のうち稼働中の134基の原発すべてに「安全上の欠陥」が見つかり、福島第1原発並みの事故に対応できるようにするための改善費用が最大で計250億ユーロ(約2兆5000億円)かかるとの最終報告をまとめた。ドイツメディアが一斉に報じた。EU各国は金融・債務危機で財政が逼迫(ひっぱく)しており、安全確保に向け厳しい判断を迫られそうだ。欧州委は3日に最終報告を確認したうえで、18日からの首脳会議に提出する。
ドイツメディアによると、ストレステストで▽スウェーデンやフィンランドの原発で、全電源喪失から過酷事故に至るまでの時間が1時間もない▽フランスの原発の洪水・地震対策が不十分▽ドイツの原発に地震警報システムがない▽移動電源車が半数の国で未配備−−など、即座に閉鎖には至らないが重大な欠陥が「すべての原発」で見つかったという。
欠陥の改善には、1基あたり3000万〜2億ユーロ(約30億〜200億円)が必要で、EU全体で100億〜250億ユーロ(1兆〜2兆5000億円)が必要と試算した。
またチェルノブイリ原発事故(86年)を受けて合意されたはずの安全対策が実行されていない原発があったり、原子力規制当局の独立性が不十分だったりする国もあった。最終報告は、他国の専門家による安全性相互評価(ピアレビュー)の過程で、134基が置かれた68カ所の原発施設のうち24カ所しか調べられなかった限界点も自己批判した。
http://mainichi.jp/select/news/20121002k0000e030161000c.html
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