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米、核燃再処理放棄迫る 原発ゼロで「拡散」を懸念
資源競争にも言及 日米関係の焦点に
政府・民主党がまとめた「2030年代に原発稼働ゼロをめざす」方針に対し、米政府が懸念事項を列挙していたことが明らかになった。近い将来に原発をなくす場合は使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル政策を放棄するよう要求。中東での資源獲得競争の激化や日米の原子力産業が衰退する恐れにも言及した。エネルギー政策を巡る対話は日米関係の焦点に浮上している。
米国が日本の核燃料サイクル政策の継続をただすのは、核不拡散上の問題が大きいと警戒しているためだ。原発の扱いが不明確なまま、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すサイクル政策が残ると、日本に核兵器への転用が可能なプルトニウムがたまり続ける。日本政府の関係者によると、米側は「イランや北朝鮮に核不拡散を迫っている方針との整合性を欠く」として、強い難色を示してきたという。
日本は核の非保有国として唯一、プルトニウムの生産を国際社会から認められているが、その根拠に日米間の原子力協力協定がある。米国のお墨付きを得て使用済み核燃料を青森県で再処理しているのが実情だ。
日本側は東日本大震災後に停止した原発について安全性を確認した後、順次再稼働する見通しを強調し、理解を求めた。それでも米エネルギー省幹部らは日本政府内の手続きについて「どのような決定方式にするのか。柔軟に変更できるようにした方がよい」と要望したという。「原発稼働ゼロ」を掲げる意図に一定の理解を示しながらも、現実路線に戻れる余地を残すよう迫った形だ。
米側は経済大国の日本が原発ゼロに動くなら、中東を中心に資源獲得を巡る競争が激しくなり、石油市場への影響が大きいと警告。米国の原子力産業は日米合弁が基礎となる現状も踏まえ「日本が原発から撤退すると、米国の原発技術も失われる」との懸念を伝えた。原発に代わる火力発電への依存は二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスを増やす点も挙げた。
米国では1979年のスリーマイル島の事故や電力自由化で、原子力に逆風が吹いた。主な原発メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)は日立製作所、ウエスチングハウス(WH)は東芝と組み、競争力を維持してきた。中国など新興国が原発を推進する見通しもあり、日本の政策変更に神経をとがらせているとみられる。
政府は9月中旬までの米政府との調整を経て、原発稼働ゼロを盛り込んだ新戦略を参考文書の扱いとし、19日の閣議決定を見送った。今後もエネルギー政策で日米間の対話を密にする構えだ。
[日経新聞9月30日朝刊P.3]
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