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時事寸評 福島 最大の線量率(1時間1.6ミリシーベルト!)
http://takedanet.com/2012/09/116_2331.html
平成24年9月23日 武田邦彦(中部大学)
2012年(今年)9月21日の報道によると、「福島第1原発事故が起きた2011年(昨年)3月の空間放射線量で最大なのは、原発から北西に約5・6キロの双葉町上羽鳥で、12日午後3時に毎時1.59ミリシーベルトだったことが福島県から1年半経った9月21日に公表された。
福島県は一般の人の年間被ばく線量限度1ミリシーベルトをわずか38分で超える数値で、この最大値は1号機の水素爆発前であることから「爆発の前から放射性物質が漏れ出していたと考えられ、風向きが影響した可能性がある」とした。
事実は事実としてまずは認識するとして、実に不見識、不親切な内容だ。
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まず第一に、当時の政府(枝野官房長官)、原子力保安院、それに東電の発表と事実の関係である。この値は、モニタリングポストの自動計測値だから、測定直後に政府は把握している。
地震によって原子炉が自動停止してからすでに丸1日経っているから、緊急の警戒態勢に入っている。1号機の爆発は3月12日午後3時36分であり、観測値は3時だから爆発前である。しかも、その量は「38分で被曝限度を超える値」である。
つまり、これまで「直ちに健康に影響がない」というのは、1年1ミリを超える場合でも低線量なら白血病が2年目ぐらいから、甲状腺ガンが5年目ぐらいからだから、「直ちに」は間違いではないという言い逃れ(私にはまったくの言い逃れで、適切ではないと思われるが)をしていたが、2日15時間が100ミリシーベルトを超える場所があるということを知っていながら、言ったとなると、これは「故意」であり、明らかな「犯罪」である。
またこの情報はNHKは知っていたと考えられる(もし知らなければなぜモニタリングの値を取材しなかったのかを釈明する必要がある。受診料はそのために払っているから)。報道しなかった理由をハッキリさせることが求められる。
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第二に、発表の時期と福島県のコメントである。「危険を避けるには、正しい情報を早く」というのが鉄則だが、この情報は速報性が必要なのに1年半を経て発表されている。この理由はなにか?
次に、仮に福島原発から「放射線」が出ていたら、NHKで東大の先生が解説したように「距離による。距離の二乗に反比例して減る」ということになる。もしそうなら「漏れた瞬間」には双葉町に到達する。
ところが原発からは「放射線」はでない。東大教授の解説はウソであり、原子力の専門家なら誰でも「放射性物質が風で流れる」ということを知っている。当時の放射性物質の流れは1時間に30キロぐらい(風速8メートル前後)だから、12日の2時半頃、福島原発からかなりの放射性物質が流れたことになる。
もともと「なぜ、福島原発から放射性物質が出たのか?」がまだ不明である。原子炉が破壊されていなければ放射性物質はでない。また水素爆発は建物の上部で起こり、それによっては原子炉は破壊しないから、これも出ない。
ということは、2号機などがかなり初期の段階(3月11日か12日未明)で破壊していて、その段階で大量の放射性物質が流れたとも考えられる。3号機の爆発以後なら小規模核爆発の可能性もある。いずれにしても大規模なデータ隠しが行われていることは確かであり、今回の発表でそれが裏付けられた。
発表に1年半を要し、しかもつじつまの合わない発表になったのは、「ウソをつく」ことが前提になっているからだろう。お役人も人生でこんな大きなことを扱うのは一回ぐらいだろう。その時ぐらい、日本人に帰り、自分の保身ではなく、日本の子供達を守って欲しいものだ。
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