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志賀原発1号機の直下に活断層」で恐れられる「電力国有化ドミノ」
（転載同前）
『北陸電力』（本店・富山市）が水面下で大規模増資を模索している。
志賀原発1号機（石川県志賀町）内で活断層とみられる地層が見つかった問題に
絡む措置で、廃炉を視野に入れた場合に償却負担が経営基盤の弱い北陸電力を
直撃して債務超過の可能性さえ出てくるからである。
経済産業省もこのリスクを認識しており、増資が不調に終わった場合の終息策
を検討しているという。
原子力安全・保安院は7月18日、志賀原発1号機の直下に活断層が通っている恐
れがあるとして、北陸電力に緊急調査を命じた。
原子炉等規制法は活断層周辺での原発建設を禁じており、志賀1号機の下を通る
のが活断層であれば、1号機の廃炉は免れない。
関係者は「地層図から判断すると、まず活断層であることは疑いようがない」
という。
北陸電力にとって志賀1号機廃炉というマイナスインパクトは想像を絶するもの
だが、実はそれ以上に深刻なのは「廃炉後」（関係者）なのだという。
関係者が明かす。
「電力会社にとって、数千億円を投じた原発の償却期間は一般的に30年前後。
北陸電力の志賀1号機は1993年運転開始の新造機のため、ここで廃炉となれば、
10年分相当の除却損や廃炉コストなど償却インパクトが経営を直撃することに
なります。
さらに問題は北陸電力の財務基盤の弱さ。自己資本が3200億円と小さく、ここ
に志賀原発1号機の廃炉に伴う除却損インパクトが直撃すると、負債が資産を上
回る債務超過に転落する可能性がある」
債務超過となれば上場廃止である。無論、北陸電力はそうした見通しをおくび
にも出さない。
しかし、関係者によれば、北陸電力は廃炉に伴う資金負担に備えた増資準備を
進めることも水面下で機関決定している。
「増資予定総額は明らかにされていませんが、数千億円程度とみられます。当
面は地元企業に引き受けを要請するようですが、順調ではないようです」（関
係者）
「有力な引き受け先が現れない場合」のリスクを最小とするため、経産省も水
面下で動いている。関係者の話によれば、経産省は東京電力に適用した一時国
有化のスキームを拡大変更し、北陸など他電力にも適用させる方向を検討して
いるという。
周知のことながら、一時国有化は電力会社の債務超過を回避するために公的資
金を注入して信用を補完する策であるが、この期間の経営権は政府に移る。
ときの政権の思想によって人事と経営がどのようになされるかは、東日本大震
災後の民主党政権のエネルギー政策への向き合い方をみれば、相当混乱するで
あろうことは容易に想像がつく。
志賀1号機だけでなく、構造物・敷地の直下を活断層が走っている可能性がある
原発は中部電力の浜岡原発（静岡県御前崎市）など、他にもある。
電力関係者が危惧するのは、「原発が仮に相次いで廃炉に追い込まれる事態と
なれば、経営権が次々と政府に奪われる『国有化ドミノ』が発生する」という
ことだ。
原発は電力安定供給のために存在が議論されるべきであり、電力会社の経営の
ために存在する話になってはならない。
しかしながら「経営の軸」という観念がこびりついているエネルギー関係者に
とっては、「志賀1号機の後にやってくる国有化ドミノこそが真の危機」という
受け止めであるらしい。
北陸電力の増資要請の成り行きを、エネルギー関係者は息を潜めて見守ってい
るのである。
>>
（私のコメント）
どの党が政権を執るにしろ原子炉、原発はすべて国有国営化するしかないでしょう。そして早期に廃炉と使用済み核燃料の最終処分法を研究しなければならない。そうするしか地球の明日はないでしょう。他に有力な安全エネルギーはあるのですから。
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