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電力はなぜ足りたのか?シリーズ3 関電が向いている方向
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平成24年9月10日 武田邦彦(中部大学)
【446】 電力はなぜ足りたのか ? シリーズ 3 関電が向いている方向
関西が今年の猛暑を乗り切ったのは、関電が原発再稼働無しに供給できると言っていた約2500万キロワット(後同じ)に対して、原発再開によって3000になった。これに対して、最大消費量は約2700だったからだと関電は説明した。
でも、大飯原発は2基で230だから、3000−(2500+230)=270万キロワットは原発ではない。つまり、「原発は必要か」を論じていた5月頃、関電が示した2500は「原発を動かさなければ」という意味ではウソだったのだ。
さらに、このブログにも書いたように、関電が動かそうと計画している量が2500とか3000であり、決して最大能力ではない。このことについて読者の方からのご協力で、次のことが新たにわかった。
まず、関電が原発依存を高める中で計画を中断していた和歌山火力(370万キロ)の再開の準備をしていなかったこと、2006年に廃止していた高砂火力(90万キロ)は動かすことができた。このほかに多奈川第二発電所(2005年休止)、宮津エネルギー研究所(2004年休止)、姫路第二(330万キロで半分だけ運転)などが休止している発電所だ。
昨年、関電が原発の再開を心配している関西の人に配慮して、これらの発電所を整備して稼働すれば、和歌山火力を除いて 70+165+90+347=672万キロワットからの電気が生産できた.そうすると、原発再開をしないで調達できる電気量は、2500+672=3172万キロワットだから、実際の消費量2700を遙かに超えるし、予想された最大消費量の3000もクリアーしていたのだった。
原発を動かすために関電が使った表は、発電所一覧に「停止中の発電機なし」と書いてあることだ。現実には停止中が多いのだが、これに対して関電は「計画的に停止しているものは、停止中の発電機に入りません」という説明をしている。
こんな日本語はない。このブログでも解説したように、電力会社の「供給電力」というのは電力会社が「供給しよう」と思ったもので、「発電機の量」ではないからだ。こんなに甘えたことが許されるのは電力が独占だからに他ならない。
これに福島事故のあとすぐ計画すれば来年にでも稼働できる和歌山火力の370を足せば、関電は原発無しに3540万キロワットがあり、当面、まったく電力には心配が無いという恐ろしいことが分かる。またこの計算には自家発電、他電力からの融通の努力不足などが含まれていないから、それを足すとおおよそ4000万キロワットの出力を持っていると推定される。
つまり、自分のお金(火力など)を出したくないので、4000円持っているのに、3000円もないといい、他人のお金(原発)で済まそうということなのだ。
関電は関西の人からお金をいただいている.その人達は「原発を動かさずにすめば動かしたくない」と希望していた。関電がお客さんの方を向いていれば、3540万キロとか4000万キロという数字を示していただろうし、その方が関電は信用が高まる。
最近、ある講演会に行ったら、電力会社の方がおられたが、その方に対して司会者が「良く出てこられた」と言っていた。電力会社は堂々たる会社なのに、社会に出てこれないような惨めな団体になった。まるでアウトローの取り扱いだが、それでは先輩が泣くだろう。
この際、関電は「全力を挙げたら、原発をやらずにこのぐらいは出せます」という「身を切るような」数字を出してみたらどうだろうか。日本のほとんどの会社はそうしているのだから。
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