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環境省の「森林除染」方針に、地元から反発が起きています。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231221.html
福島第1原発事故の旧警戒区域に住民が戻るため、国による除染活動が始まりました。
その中で課題となっているのが「森林除染」です。
環境省は、住宅から20メートルまでの森林しか除染を行わない方針で、地元からは反発が起きています。
美しい緑の山々に囲まれている福島・飯舘村。
一見、平穏に見える森にも、原発事故の影響は及んでいる。
飯舘村の空間線量は、現在2.5μSv(マイクロシーベルト)前後を示している。
しかし、線量計を草むらに向けると、数値は急上昇。
瞬く間に、10μSvを超えてしまった。
福島県内の旧警戒区域などでは、国による住宅の除染が本格的に始まったばかり。
しかし、森林の除染に関しては、住宅から20メートルの範囲を行えば、人への影響はないとして、大部分が行われない予定。
福島県民は「20メートル(範囲の除染を)やったって、変わりないと思いますよ。山全体を除染してもらいたいというのが、1つの希望です」と話した。
原発事故前、田村市では、森でシイタケの原木の栽培を行っていたが、事故後は、出荷の自粛が続いていて、森林の多くも手入れがされないままになっている。
ふくしま中央森林組合の吉田昭一参事は「つらいというか不安です。どうなるんだろうと。長期にわたって除染をし、あらゆることをやっていかなければ、(森林が)崩壊すると思う」と話した。
それでも、森林除染が進まないのは、「有効な除染方法がない」から。
森林の除染は、下草を刈り、落ち葉などを取り除けば、線量を3〜4割下げる効果が実証されている。
除染作業では、土壌の表面を取り除くことになる。
しかし、取り除くと、土砂崩れの危険性が高まる。
さらに、斜面での間伐作業や、重機での作業も必要とされる森林除染を、総面積のおよそ7割を森林が占める福島県全域で行うのは、費用の面を考えても、はたして現実的なのかという問題点もある。
「土砂崩れの危険」、「費用対効果」、有効な森林の除染方法が見つからず、除染が始まらない現状に、地元は反発している。
川内村の遠藤雄幸村長は「ただ単に、効率性や経済性だけで、森林の除染をしないという選択肢はない」と話した。
その一方で、森林除染の後押しともなる、技術開発の研究も行われている。
鍵を握るのは「サル」。
福島大学の高橋隆行教授は「ここにGPS(衛星利用測位システム)と線量計がついてまして、これを首につけて、それでサルを山に放しまして、サルに線量を測ってもらう」と話した。
高橋教授が進めているのは、サルを使った森林汚染の実態調査。
GPSが搭載された小型線量器をサルにつけ、山に放つ。
特定の地域で集団生活を行うサルの特性を利用して、汚染マップを作ろうというもの。
高橋教授は「(サルなら)人間の入れないところも測れる。それから、地面に近いところを測るので、正確に測れる」と話した。
また、除染と同時に、エネルギーと産業を生み出す試みも行われている。
株式会社コンティグ・アイの鈴木繁三代表取締役は「いかに産業を育てながら除染をバックアップしていくかが、僕らみたいな民間企業が考えること」と語った。
コンティグ・アイでは、伐採した草や木についた放射性物質を取り除くとともに、バイオエタノールを取り出す研究を行っている。
森林組合の吉田参事は「(福島の人にとって森林とは?)本当の里山ですよね、ふるさとです。震災前の通りになってもらいたい」と話した。
森林の除染を行うべきか、見送るべきか、
環境省の検討会で、早ければ9月末にも方針が出される予定。
(09/10 12:51 福島テレビ)
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