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原子力発電との戦い – 日本の負の側面を、確実に変えつつある日本の女性たち
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2012年9月8日 星の金貨プロジェクト
スヴェンドリーニ・カクチ / IPSニュース 8月9日
昨年発生した福島第一原発の事故が引き金となり、これまでにない広がりを見せてこの夏日本で盛り上がる脱原発抗議行動には、日本の将来のエネルギー政策について、もはや政府の勝手にはさせない、と言う気迫が感じられるようになってきました。
人々の活動が社会を動かした顕著な例の一つが、8月3日、何カ月にも及ぶ検討を経て、検察庁が福島第一原発を運営している日本最大の電力会社、東京電力への刑事告発を受理したことでした。
「検察庁の新たな動きは、東京電力の刑事責任を明らかにするための、長く苦しい戦いの一里塚とも言うべきものです。これまでの日本の市民運動が無しえなかった、ひとつの到達点です。」
福島のベテランの運動家のひとりで、刑事告発を行ったグループのリーダーの一人である恵比寿和ひろみさんがIPSの取材にこう答えました。
昨年3月11日に発生した巨大地震と津波が引き金となって引き起こされた福島第一原発の事故の後、子供たちや幼児を含む数万人に上る周辺住民は、放射能に被爆することから免れるため、避難を余儀なくされました。
今年6月以降、福島県の住民1,300人が福島地方検察庁に、刑事告発の申し立てを行ってきました。
東京電力の役員と原子力安全・保安院の幹部職員合せて33名を特定し、原子炉が津波によって被害を受けないようにするための対策を怠り、今回の危機を招いた張本人として告発したのです。
告発理由は業務上過失致死傷と公害犯罪処罰法違反の疑いです。
日本での反原子力発電運動の広がりを感じさせるのが、市民グループが石川県の金沢地方検察庁に提出した北陸電力の複数の元役員に対する刑事告発です。
北陸電力は北陸地方にある石川県の志賀原発の再稼働を検討しています。
グリーン・アクションの代表を務め、地方の環境組織リーダーであるアイリーン・美緒子・スミスさんは、最新の脱原発運動は今後の日本のエネルギー政策の決定に重要な影響を与えることになる、と語ります。
「福島の原発事故後の市民運動へのひたむきな取り組み方は、ここ数十年間日本では見られなかったものであり、その影響が日本の政治にも、社会にも表れてきました。」
アイリーン・美緒子さんがIPSに語りました。
福島第一原子力発電所の事故の深刻さが、悲劇に対する人々の怒りと相まって、国内にある50基の原子炉の稼働を呈させたのだと、アイリーン・美緒子さんは他の専門家同様、信じています。
国のエネルギー安全保障
現在日本は、夏の酷暑の中、持てる能力の3%以下の原子力発電しか行っていません。
日本では、原子力発電こそは経済発展の要になるものである、として長い間大規模な宣伝工作が行われてきました。
しかし沿岸部の自治体は、ここに来てもなお、その態度を明らかにしていません。
7月には、国内で大規模な抗議行動が見られたにもかかわらず、国内の電力不足の危険性を指摘する日本国政府と、原発が停止したままでは自治体としての予算獲得に支障をきたすおおい町により、この地区の4基の原子炉のうち、2基の再稼働が強行されました
世界で3番目に大きな経済規模を持つ日本は、現在石油・石炭を100%輸入に頼っています。
原子力発電は福島第一原発の事故発生以前、国内で必要とされる電力の約3割を供給していました。
本当に、原子力発電を廃止に向かわせることと、経済発展を優先することと、どちらを優先すべきか、と言う問題は日本社会の重要な争点なのでしょうか?
日本持続可能エネルギー研究所が7月に行った調査では、日本国民の8割以上が原子力発電の継続に反対していることが明らかになりました。
しかしながら5割以上の国民が、全原子力発電所の廃止の期限を2050年とすることに賛同しています。これは新たな発電手段の確保に関する懸念が、直ちに原子力発電を廃止することをためらわせているという事実を表すものです。
しかし、脱原発抗議行動の広がりは記念碑的なものとなりました。
大飯原子力発電所の原子炉を再稼働させるというおおい町の決定は、数カ月間にわたる日本政府との苦痛に満ちた交渉の上、引き出されたものでした。
大飯原発付近で新たに発見された活断層について調査している、独立調査機関が高い安全性が確保されている、という結論だけで最終的な決定が下されました。
今やノーベル賞受賞者の大江健三郎や前菅直人首相のような著名な知識人も、毎週首相官邸前で行われる抗議行動に参加するようになりました。
運動が勢いを増した結果、野田首相は毎週金曜日に鑑定を取り巻く抗議活動を行っている人々の代表との会談を約束せざるを得なくなりました。これは多くの週刊誌などで取り上げられたように、首相が官邸前の抗議行動について、単に「騒々しいだけだ」と切り捨てていたこれまでの態度と比べ、著しく姿勢が変化したというべきでしょう。
この2カ月間、原子力発電の廃止を求めて、官庁街を曲がりくねりながら人々が列をなし、時には100,000人以上の人々が集まった毎週の抗議行動において、みさおレッドウルフさんは主要なリーダーの一人としての活動を続けてきました。
耐えがたい程の暑さの中を集まって来た人々に向かい、みさおレッドウルフさんは最近再稼働されたばかりの大飯原発の2基の原子炉の即時停止と、日本国内のすべての原子炉の廃炉を求めました。
「今や市民運動こそが、物事を前に進めるための手段となりました。福島の事故によってとてつもない苦しみにあえぐ人々の声を無視し続けてきた政府に対し、私たちは長い間誠実な回答を求めてきました。」
社会学者の草分け的存在である慶応大学の小熊英二教授は、この抗議行動は福島第一原発の事故に対する日本の政治的、官僚的リーダーシップと、人々の意思を顧みようとしない日本の政治に対する国民の不満を象徴するものだと語りました。
「この20年間、経済的な苦境が続く中で、人々の政治に対する不満は鬱積し続けて来ました。福島第一原発の事故と大飯原発の再稼働は、そうした流れの中で、重要な転換点になりました。」
アジア・パシフィック・ジャーナル7月号の寄稿記事の中で小熊教授はこう述べています。
既存の政治家と有権者とのかい離がますます進む中、7月には緑の党が結党されました。緑の党は反核・反原子力を基本方針とし、高齢者のための福祉の充実を訴えています。
同党の広報担当の宮部あきら氏はIPSの取材に対し、来年予定されている参議院議員選挙の比例代表区において独自候補を擁立し、政党としてのスタートを切るつもりであると語りました。
「新たな政党の誕生は、日本に新風を吹き込むことになります。」
「緑の党は東京電力に対する刑事告発に関わることにより、日本の原子力発電の背景にある政権と産業界の癒着を正していく役割を果たしていきます。」
※原文中、北陸電力志賀原発の運営者をTokyo Electric Company (TEC)としている箇所があり、翻訳の際、北陸電力に訂正しました。
http://www.ipsnews.net/2012/08/activists-score-in-fight-against-nuclear-power/
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