http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/820.html
Tweet |
首相世論見て見ぬふり 意見公募「原発ゼロ」最有力でも 東京新聞
こちら特報部 ニュースの追跡 2012年8月29日(書き起こし)
二〇三〇年の全発電量に占める原発比率についての世論集約で、政府の専門家会合は「過半数の国民が原発に依存しない社会の実現を望んでいる」という検証原案をまとめた。
だが、野田首相は二十七日夜、NHKの番組で「さまざまな立場の声」を強調。
依然として、脱原発を求める世論の声から目を背けようとしている。(林啓太デスク)
■民意に縛られず政策決定を示唆
将来のエネルギー戦略を策定するため、政府は 「O%」 「15%」 「20〜25%」という原発比率の三つの選択肢を提示。全国十一都市での意見聴取会、討論型世論調査(DP)、パブリツクコメント(意見公募)を通じて世論の集約を図った。
結果はいずれも「O%」が最有力だった。しかし、野田首相はNHKの番組で、「原発は推進の立場の人、絶対ゼロという人、その中間の人もいる。さまざまな立場の声を、しっかり受け止めたい」と発言。O%を求める声が大半を占めるパブリツクコメントなどに縛られずに決める意向を示唆した。
富士通総研の梶山恵司主任研究員は「経済産業省の官僚はDPなどを通じ、脱原発の世論を原発継続に誘導できるとたかをくくっていた。しかし、当てがはずれてしまい、あせっているはずだ」と指摘する。
そもそも、野田政権は「脱原発依存」を掲げているが、O%を除けば、選択肢の設定自体が「継続誘導だ」と批判された。DPでも、データを示すことで逆にO%支持の声が32・6%から46・7%に上昇した。そこからうかがえるのは、0%支持が一時の感情論ではないということだ。
「外部との関わりが薄くなりがちな首相官邸では、首相は情報を官僚に頼りがちだ。首相は脱原発の世論をどれだけ理解しているのか。原発継続に誘導できずあせっている経産官僚から偏った情報を聞き、脱原発運動の高まりもよく分かっていないのかもしれない」
■公募後不満「後出しじゃんけん」に批判
首相は毎週金曜日の原発抗議デモの主催者らと二十二日に面会したが、その直前に原発再稼働を求める財界首脳らと会食した。「さまざまな立場の声」の根拠の一つだ。
「いろいろな立場の意見を聞いていきたい」という発言そのものも、たしかに正論に聞こえる。だが、「はじめての政治哲学」などの著書がある徳山工業高専の小川仁志准教授は「パブリツクコメントなどは制度として国民の意見を公平に聞いている。 あとから不満を言うのはずるい話」と、首相の”後出しじゃんけん”を批判する。
たしかに意見公募は原発推進派にも開かれていた。「原発は不要とする民意が大半を占めていることが明らかな状況で『いろんな意見を聞く』というのは、脱原発の意見は相手にしない、というのと同じではないか」
思想家の内田樹氏は一般論として、代議制民主主義では各政策について、国民全体に賛否を問うべきではない。だが、原発問題は民主党政権成立後の大事件で、国民から負託されていない課題と考えるべきだ」と前置きし、こう語った。
「国民の原子力への感情に大きな変化があり、原発への信頼性も揺らいだ。その下では広く民意を聞き、多数の意見に沿つて政策を進めるのが政治家の役割。その意味で野田首相は政治家としての常識を欠いている」
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素26掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。