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2012年(平成24年)8月26日 日曜日 朝日新聞
国会議員42%「原発ゼロ」
6割、新設・更新「認めぬ」
7月下旬から衆参両院の721人に書面で質問し、25日までに記者会見などでの取材を含め計434人(60%)から回答を得た。
政権が示した30年の原発割合をめぐる三つの選択肢では、「0%」が42%、「15%」が11%、「20〜25%」が3%となった。東京電力福島第一原発事故を契機に、「原発ゼロ」への転換を目指す意見が目立つ。
民主党では「0%」が83人に上った。事故当時の官房副長官だった福山哲郎参院議員は再生可能エネルギーの拡大に期待を寄せ、「規制緩和、研究開発・技術開発を促し、雇用や内需が生まれ、技術革新が進むプラスの連鎖を作っていく」とした。
6月に成立した原子力規制委員会設置法に盛り込まれた原発の運転期間を原則40年に制限する「40年廃炉」の規定で原発依存度を下げれば実現できる「15%」は、民主党内で33人、自民党では8人にとどまった。事故当時の水準から微減にとどまる「20〜25%」を支持する議員は、全体でも13人だけだった。
民主党政権が示した選択肢への反発もあり、自民、公明両党では「その他」が6割以上を占め、民主党との差が鮮明になった。「国民の生活が第一」やみんなの党、共産党、社民党は全員または大多数が「0%」を選び、「脱原発」票を争うことになりそうだ。
原発の新設や更新については、全体の60%が「認めるべきでない」と答え、「認める」としたのは5%だけだった。原発から出る使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策については、廃止し、地中に直接埋める「直接処分」への転換を求める意見が41%に上った。実用化が進まず、脱原発で再処理は不要になるとの理由が大半で、継続を求める意見は4%にとどまった。
脱原発 衆院選の争点
国会議員 本社アンケート
民主 世論を意識し傾倒
民主党の斉藤進衆院議員が「地元を回ると95%は『脱原発』だ」と指摘するように、次の衆院選では「脱原発」の主張が一定の支持を得そうだ。2030年時点の原発割合について、民主党は「0%」と答えた議員が最多の4割。「脱原発」を求める世論への配慮も背景にある。
東京電力福島第一原発事故を受け、原発に対する国民の不信感は大きい。それに沿うように、横路孝弘・衆院議長は「事故が起きた時の被害の重大さ」、阿久津幸彦・前内閣府政務官は「原発事故のリスクは安全性をどれだけ高めてもゼロにはできない」ことを「0%」とする理由に挙げた。「活断層などが疑われる原発などはただちに廃炉」(稲見哲男・総務政務官)など、国民の災害不安を理由にした回答も多かった。
裏返しに、原発の再稼動に突き進んだ野田佳彦首相への不満もくすぶる。柿沼正明衆院議員は「(首相の)原発政策しだい」で、9月の代表選で支持するかどうかを決めるという。
ただ、30年時点の0%には実現性への疑問も出る。脱原発派が集まる党原発事故収束対策プロジェクトチームの座長の荒井聰・元国家戦略相は「15%」を選んだ。新たな原発を規制する法に「40年廃炉」の規定が盛り込まれたことから、「このルールを適用すれば15%程度。30年にゼロにするには『30年ルール』となり、整合性がとれない」という。15%には「原発を無理なく減らすための合理的な道程」(若井康彦衆院議員)と評価する声もある。
「最終的にはゼロ」とした小沢鋭仁・元環境相は、「代替エネルギーの拡大に全力を挙げるが、30年時点で0%はなかなか技術的に困難」と指摘した。
民主党は23日に発足したエネルギー・環境調査会(会長・前原誠司政調会長)で議論し、9月8日までに今後のエネルギー政策について意見集約する方針。党内の支持が多い「0%」にすんなり決まる見通しはない。
自民 三択の議論回避
野田政権が示した三つの選択肢に対し、自民党議員は半数以上が「その他」を選んだ。無回答も加えると8割の議員が選択肢への回答を避けた。アンケートの回収率も43%にとどまった。政権交代前まで原発政策を推進してきた自民党は、新たなエネルギー政策の方向性を打ち出せずに苦悩がうかがえる。
同党は次期衆院選の政権公約で、再生可能エネルギーの導入と省エネを3年間で最大限進める方針を掲げつつ、原発再稼動では「3年以内の結論を目指す」と結論を先送りしている。
「その他」や無回答の理由は「バックデータが不明確」(甘利明元経済産業相)、「現時点ではあまりにも判断材料が乏しい」(町村信孝元官房長官)、と、政権の選択肢には乗らない考えだ。ただ、次の衆院選でめざす政権復帰を果たせば、新たな原発政策は避けて通れない課題だ。
「0%」を単独で選んだのは今津寛、永岡桂子両衆院議員と、長谷川岳参院議員の3人。長谷川氏は「福島第一原発事故を踏まえ、使用済み核燃料の問題、テロ対策など国家安全保障上、日本に原発はふさわしくない」と回答した。
一方、「4分の1程度を原子力発電に頼るのが経済発展の観点からも合理的」(谷川秀善元参院幹事長)などと、経済への影響の観点から「20〜25%」を支持する意見も多い。
原発の新設・更新については、「認めるべきでない」がわずか2割。使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策の変更を選んだのも4人に1人にとどまり、いずれの質問も「その他」が大半を占めた。
公明党は「脱原発依存を主張し、なおかつ新増設は認めない」(石井啓一政調会長)どの立場だが、原発ゼロの時期や道筋は明確にしていない。そのせいか、「その他」が最多の12人で、「0%」は4人、「15%」は2人。漆原良夫国対委員長ただ1人が「脱原発を目指すが、次世代の安定し安全な電力の供給体制が整うまでの比率」として「20〜25%」を選んだ。
少数党 競って0%
自民、公明両党をのぞく少数野党は「脱原発政党」を競い合うように、回答者の8割強が「0%」を支持した。0%を選んだのは、国民の生活が第一が37人中34人、みんなの党が15人中12人、共産党が15人全員、社民党が10人全員、新党きづなは回答した8人中6人だった。
「官僚統制の打破」を党是とするみんなは、発送電分離など電力自由化を全面にかかげ、そのうえで脱原発をめざすべきだと主張。渡辺喜美代表は「市場機能を最大限生かすことで、30年時点の原発比率は0%になる」と回答した。
一方、国民の生活が第一は「10年後をめどに原発全廃」を掲げているのに、核燃料サイクルの廃止には慎重な議員が目立った。7割近い25人が「なお検討が必要」(牧義夫・幹事長代行)と回答。ほかの野党議員の多くが廃止を選んだのとは対照的で、党の脱原発方針との整合性が問われそうだ。
共産、社民両党は所属議員全員が回答し、両党トップがそろって「一刻も早い原発廃止」を強調した。共産党の志位和夫委員長は「ただちに原発ゼロの政治決断を」と主張。20年までの脱原発をうたう社民の福島瑞穂党首は「現時点で原発を動かすべきではない」と答えた。
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