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放射能汚染土壌の最終処分問題の背景
8月23日、TBSで、南大隅町に福島第一原発事故由来の放射性汚染土壌、つまり、除染で出た土などを最終的に処分する場所を造ろうと政府内で話が出ているという報道があった。独自取材ということで他のメディアでは触れていない様子。
最終処分場としてどのようなものを考えているのか疑問だが、今公的に存在が認められているセシウムでさえ、100年経っても10分の1程度にしかならない。半減期は30年なので、30年で半分、60年で4分の1、90年で8分の1、120年でやっと16分の1だ。汚染土壌の多くは、キロ1万ベクレルを超えるものがある。つまり、各地の焼却処分で出た灰なども含まれるからだ。更に、普通に市街地の路上に溜まっている土砂にもキロ数万ベクレルを示すものが多くある。つまり、100年後でもキロ1000ベクレルを超える放射能を出すことになる。これは、明らかに健康被害を与える。ちなみに、食品の多くはキロ10ベクレル程度が本来の規制値だ。
つまり、受入れの影響は、100年を超え、ほぼ永久的に続くので、今現在の住民の意思だけで決めるのではなく、候補地選定手順や安全性をどう担保するかを保障する設置基準をまず法律として決める必要がある。
まず、上のことが第一だ。
次に、もし地層処分や従来型の産業廃棄物管理処分場での処分を考えているなら、明確な国家としての自殺行為だ。
放射性物質を抽出しての乾式キャスクでの保管は費用が限り無くかかるが、まだ、人間の管理下に置くことが出来る。
まあ、汚染土壌から放射性物質の抽出に金がかかるが、それをやらないのなら、保管は無理だ。
除染土の地層処分をすれば、ほぼ確実に、次は、使用済み核燃料の地層処分をやれという話になる。ただでさえ、現状の形での除染土の量が多く、巨大な施設になるのに、使用済み核燃料の地層処分もすることになれば、かなり巨大な施設になる。そして、しかも、その施設は永久閉鎖で管理になる。なぜなら、管理費用をかけたくないから地層処分をするわけで、地下の処分場の管理や維持をやるはずがないからだ。
しかし、例えば、除染で問題になっているセシウムでさえ、100年経ってもまだまだ残る。100年もあれば、日本のような水分の多い地質では、どんな施設でもかなり傷んでしまう。因みに、北欧の国とかドイツ、またはアメリカでもそうだが、少なくとも現状で、過去数千年程度を含めて安定した地下水のない地盤を選んでいる。多くは岩塩の産地で、水分はもちろんない。
使用済み核燃料は数千年では済まないほどの管理が必要になる。つまり、数万年は健康に被害を与える放射能が残るのだ。
大隅半島の先端部の国有地を予定している様子だが、南海地震の震源域の近くで、強い地震衝撃波を受けてしまう可能性がかなりある。つまり、南海地震そのものや、それに伴って起こるマグニチュード6から7程度の地震による被害だ。セシウム起因の除染土の処分を考えただけで、数百年以上の安全性が必要であり、南大隅町はもちろんのこと、日本のどこでも、安全な場所などない。
地下の処分場や従来型の管理処分場のようなものでは、地下水による腐蝕を受けるし、地震による被害を避けれない。そして、そうなったら、ほぼ何も手を打つことが出来ない。単に汚染垂流しになる。
そして、ここが重大だが、南大隅町なら、遅くとも30年以内には、かなりの事故になる。つまり、南海地震が起こってしまう可能性は高いし、それでなくても、アムールプレートに属する西日本ではかなりの地震が起こりつつある。
もし、使用済み核燃料などが地層処分されれば、確実に、気体の放射性物質が大気中に漏れ出し、それは西風に乗ってやはり沖縄を除いた日本中に拡散する。そうなれば、国土はほぼ居住不能になり、自ら外国へ移民のお願いをし、この国土を世界各国の核廃棄物処分場に差し出すしかなくなる。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1131>>TC:37860,BC:5821,PC:?、 Mc:?
費用も単年度にならせばそれほどでも無い。乾式キャスクの費用がはっきりしないが、多分、今ある使用済み核燃料をすべて乾式キャスクで処理しても、保管場所の建物の建築費を入れてかなり高額に見積もっても1兆円ほどのはずだ。これは50年程度は持つとされているので、1年にならせば200億円だ。これは現在でも電気代に上乗せしたりして原発関係に使っている費用より少ない。
オマケに、日本では、どこでも、ほぼ確実にかなりの地震の被害を受ける。
そうなれば、漏れた放射能は、東に拡散し、日本は世界の核廃棄物処分場となる。つまり、大隅半島から漏れ出た放射性物質は、たとえ除染で出た汚染土壌だけであろうと、少なくとも地下水から海洋へ放射性物質が溶け出し、それは黒潮に乗って太平洋岸を四国沖から和歌山沖、関東、東北を北上する。
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