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「プルトニウム利用なければ」 「再処理せず」合意ほご
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082490070055.html
2012年8月24日 07時00分 東京新聞
東京電力福島第一原発事故の後、核燃料サイクル政策の選択肢を検討した原子力委員会の小委員会が、当初、使用済み核燃料の再処理で出るプルトニウムを使う見通しが立たない場合、再処理しないことで合意していたのに、検討途中で合意をほごにしていたことが分かった。事故の影響で、電力会社は原発でプルトニウム利用の計画を示せない状態。その現実を無視し、核燃サイクル維持の方向に議論を進めていた。
プルトニウムは核兵器の材料となるため、国際的にもむやみに保有量を増やすことはできない。日本は現在、約二十六トンの核分裂性プルトニウムを保有している。
疑念を持たれる状況を解消するため、小委の座長を務める鈴木達治郎原子力委委員長代理は、使う当てがなくても再処理を認めている現状を改善するため、三月から核燃サイクルの選択肢の本格的な検討を始めた。
当初、委員七人の合意事項として「再処理はプルトニウム利用計画に基づいてのみ実施する」との文言を検討資料に書き込み、この合意を大前提に新たな原子力政策を練ることになっていた。四月下旬の小委会合では、鈴木氏が「利用計画がある場合に限り、再処理します。よろしいですね。それは確実に書かせていただく」と了承も取っていた。
だが、五月以降の小委の資料からは合意の文言は消された。
本紙の取材に鈴木氏は、原子力委の近藤駿介委員長や推進派の小委委員らから反発があったことを明かした。近藤氏からは「電力会社が『最後は必ず原発で使う』と約束すれば、いろんな理由の再処理があっていい」と、暗に現行施策の継続を求められたという。
事実関係について、近藤氏は秘書を通じて「小委のことは鈴木氏に聞いてほしい」と答えた。鈴木氏は「座長として意見をまとめるためには仕方なかった」と話した。
小委の検討結果を踏まえて六月に原子力委が政府のエネルギー・環境会議に示した最終報告書では、将来の原発比率を0%にしない限り、青森県六ケ所村にある再処理工場は稼働させ、高速増殖炉の開発も基本的には続けることが記された。
核燃サイクルには十兆円以上の巨費が投じられながら実現のめどは立たず、施設の維持だけでも年間一千億円単位の資金がかかる。いずれも電気料金を通じた国民の負担だ。
政府内では、意見聴取会などの結果を受けて、将来の原発比率についての検討が進んでいる。しかし、核燃サイクルは、ほとんど議論されていない。
核燃サイクルをめぐっては、経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長が昨年末、原子力委の近藤委員長に対し、脱原発を検討しないよう文書で圧力をかけていたことも判明している。
<プルトニウム利用計画> 日本は「余分なプルトニウムを持たない」と国際公約し、原子力委は電気事業連合会に利用計画を公表させている。1997年には、海外で再処理して出た分を、2010年までに全国16〜18基の原発で使うと公表したが、達成率は2割程度。05年からは日本原燃再処理工場(青森県)から出る分を、将来18基程度で使うと毎年3月に公表していたが、福島第一原発事故で使う見通しが立たないため、昨年と今年は公表を見送った。
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