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最終処分場候補地に南大隅町が浮上
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5113938.html
福島の原発事故で放射性物質に汚染された土などを捨てる最終処分場の有力候補地がついに判明しました。政府はこれまで、最終処分場は福島県外に作るとしてきましたが、有力候補地として浮上したのは鹿児島県南大隈町の山林であることが、JNNの取材で分かりました。政府はすでに水面下で町の関係者に接触しているということです。
鹿児島県南大隅町。福島第一原発からおよそ1500キロ離れたこの町が今、揺れています。人口9000人に満たない漁業と農業の小さな町が、放射性物質に汚染された土の最終処分場の有力候補地として政府内で浮上したのです。最終処分場について具体的な地名が上がるのは初めてのことです。その候補地とはどんなところなのでしょうか。
東日本大震災以降、福島県内では放射性物質を除去するための除染作業が行われています。取り除いた汚染土は現状、市町村ごとの仮置き場に保管されています。黒い大きな袋に包まれているのが汚染土です。除染作業で大量に発生しますが、こうした仮置き場の設置はなかなか進みません。理由は、住民の不安にあります。
「仮置き場を2年なり3年なり(の予定)で置いたものが、そのまま5年、10年と長期間置かれてしまう心配はないのか」(伊達市住民集会、先月6日)
政府の計画では除染作業で出た汚染土は、まず市町村ごとの仮置き場に保管します。その後、県内の中間貯蔵施設に移すとしています。さらに30年以内に福島県外に設置する最終処分場に移す計画です。中間貯蔵施設についても、交渉の難航が予想されます。理由は仮置き場と同じです。
「必要性と安全性と必ず(県外に)持っていくのでなければ議論に入れない。最終処分場の話もまだ出てない」(福島・双葉町 井戸川克隆 町長)
除染活動を進める上で最大の課題である最終処分場の設置。公の場で議論は進んでいません。ですが、政府内では密かにその候補地の選定が進められていたのです。本土最南端に位置する鹿児島県南大隅町。この町が最終処分場の有力候補地として政府内で浮上していることがJNNの取材でわかりました。具体的な候補地は、南大隅町の南東部にある土地です。私たちは候補地付近に船で向かいました。すると・・・
「見えてきました、見えてきました。この先に見えますのが、最終処分場の候補地です。切り立った崖が見えます」(記者)
さらに近づくと・・・
「私の後ろには広大な敷地が広がっています。民家はおろか人の姿はありません。手つかずのままの自然が残っています」(記者)
空から見ますと、そこには広大な山林が広がっています。政府は既に、水面下で町の関係者に接触を始めています。環境省幹部も、JNNの取材に対し、地元との調整を進めていると話しました。
南大隅町の森田町長は23日朝、私たちの取材に対し、次のように答えました。
(Q.最終処分場の候補地としてあがっているが、政府側と接触は?)
「ないですね。どこか手を挙げてくれという話は私のみならず、他の首長もあるのでは。探りじゃないかなそういう話は、あると思うが正式な話はない」(鹿児島・南大隅町 森田俊彦町長)
また、鹿児島県の伊藤知事は・・・
「何の呼びかけも国の方からありません。受け入れるような余地がない。受け入れるつもりもない」(鹿児島県 伊藤祐一郎知事)
一方で、地元の住民からは戸惑いの声が上がります。
「ちょっと難しい。一概にダメとも言えない」
「持ってきてほしくないが、福島の人たちを思うと誰かがしてあげないと・・・」(南大隅町の住民)
ある政府関係者は、JNNの取材に対し、「南大隅町は唯一にして最大の最終処分場候補地だ」と話しています。(23日17:41)
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