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(Les papillons mutants de Fukushima: France24)
http://www.france24.com/fr/20120815-japon-fukushima-papillons-mutants-dangers-radioactivite-inquietudes-homme-radiation-nucleaire
最終更新 2012年8月16日 − 原子力エネルギー − 環境 − 日本 − 健康
福島の突然変異の蝶
(フランス24サイト記事の動画には埋め込み機能がついていなかったので、フランステレヴィジオン・サイトに掲載された、同じ動画を使いました:投稿者)
福島の大事故から1年半が経ち、放射線に被曝した蝶に遺伝子の突然変異があることを、日本の生物学者が明らかにした。この研究により、原発事故が人体に及ぼす影響への懸念が改めてわき上がっている。
いかなる奇形もない蝶の個体。
記者 フランス2(画像) ガエール・ルルー(文)
青い小さな蝶・ヤマトシジミは、これまで、放射能の効果に対してとりわけ耐性が強いと見なされてきた。しかし、福島の原子力事故から1年半が経ち、発電所の近くで捕獲され、特に放射線に被曝した、この昆虫の遺伝子に突然変異があることを、日本の科学者たちは明らかにした。この研究は、8月14日火曜日、「サイエンティフィック・レポート」誌に発表された。
2011年3月の原子力事故から2カ月後、その生物学者たちは、まず、144頭の蝶のグループを、福島県を含む、国内の異なる10地点から捕獲した。事故発生当時、これらの蝶は幼虫だった。研究によれば、損壊した発電所の近くで集められた標本には、他と異なる割合の奇形は、有意に現れていなかった。その代わり、健全な昆虫と放射線に被曝した昆虫の交配によって生まれた、次の世代の蝶の18%に異常が認められた。異常は、触覚の萎縮、脚の奇形、目とハネの形状に欠損がある、など、、、。この数字は、さらに次の世代には34%になる。大事故の6カ月後、2度目の捕獲作業を行ったとき、福島発電所の近くで捕獲された蝶の半数以上に、形態的な異常が認められた。
それまで放射線の影響を受けていなかった蝶を被曝させることにより、福島の蝶に認められる奇形は、完全に、原子力事故によって生じた放射能の発散が原因であると、科学者たちは証明するに至った。「このことから、福島第一発電所から放たれた放射線が、蝶の遺伝子を傷つけたという明確な結論を、私たちは引き出した」と、南日本・沖縄にある琉球大学の大瀧丈二准教授は、はっきりと言った。「この結果は意外だった。これまで、私たちは、この昆虫は放射線に対して非常に強い耐性があると信じていたのだ。」
人体への影響をどう考えるか?
たとえこの研究結果が憂慮すべきものでも、事故の影響によるいかなる総合的な結論も、今のところ出すべきではないと、その研究者は述べている。現在、このような観察結果が認められたのは蝶だけであり、他の動物の種やヒトには認められない。それでも、何人かの科学者は、福島の大事故が人間の健康に影響を及ぼす可能性について、警鐘を鳴らしている。放射線が動植物に与える影響を専門にする、米国・サウスカロライナ大学の生物学者ティム・ムソー氏はその1人だ。「福島に生きるヒトや生物の集団に対し、どのような意味を持つかという点で、この研究は重要かつ衝撃的だ」と、同氏はBBCに明かしている。
バーゼル大学医学教授でアンファン・ドゥ・チェルノービル・ベラルース(日本語に直せば「ベラルーシ・チェルノブイリの子どもたち」です:投稿者)という団体の会長だった、スイスの医師ミシェル・フェルネ氏もまた、この研究結果に懸念を抱いている。教授は福島の被害者の団体から招待を受け、日本を訪問し、先日帰国したが、子どもたちなど、影響は人体に既に現れていると、教授は証言した。「私は[福島医科大学の]4人の学者に会うことができた」と、7月下旬に発行された日刊紙『アルザス』のインタビューで、教授は語った。「心筋梗塞・糖尿病・眼病が若い患者たちに現れているのを見て、学者たちは非常に驚いていた。[…]。セシウム137などによる汚染とこのような病気との関連は、[チェルノブイリで被災した人々を対象にした、ベルラド放射能安全研究所(説明:投稿者)の研究によって]明らかにされている。」
教授はまた、甲状腺に病気が現れていることも語っている。「ちょうど子どもの脳腫瘍のように、この腫瘍には4年間の潜伏期があり、これが大人だともっと遅くなるのだが。」と、教授ははっきり言う。さらに教授は続ける。「未熟児として産まれる新生児の数が増えている。女性の精子の方が脆弱なので、女の子の出生数が5%減少している。」それでも、新生児疾患とダウン症候群の推移はまだ不明だ。「データが秘密にされている」と、ミシェル・フェルネ氏は主張する。同氏によれば、チェルノブイリ* でもそうだったが、日本の研究者たちも当局を怖れており、そのため、彼らは研究をあまり進めることができない。「原子力の話をしないよう、福島の大学に指示が出ている。あの大事故が子どもたちに及ぼす影響を研究しようとしているのは、若い生態学者ただ一人だ。彼は脅しを受けている」と、同氏は教えてくれた。
数字をめぐる戦い
1986年4月、ウクライナ・チェルノブイリ原発で大事故があってから、26年以上が経ち、事故が健康に及ぼした影響について、数字をめぐる戦いがいまなお続いている。国連・世界保健機関(WHO)・国際原子力機関(IAEA)の専門家たちは、事故後の人体への放射線被曝を直接原因とする死亡者数と発病者数について、統計を操作し、並はずれた低い数字となるようにしていると、事あるごとに非難されている。
「IAEAには2つの使命がある。軍事用核のコントロールと、民生用原子力の促進だ。チェルノブイリのような大事故による影響を否認することから、この企ては始まっている」と、2005年、放射能 に関する調査および情報提供の独立委員会(Criirad)代表ローラン・デボルデ氏は非難した。(クリラッドの説明:投稿者)チェルノブイリ事故のために死亡した人は、4000人「しか」いないと、IAEAやWHOなど国連の8機関が認証した、600ページの報告書が発表された翌日のことだった。
日本では、福島の事故から発生した放射線を直接の原因として、死亡した人は誰もいない。しかし、地域住民や、損壊した発電所で処理に当たる作業者たちは、長期的な影響を危惧している。事故発生後、4件の疫学的研究が日本で始まった。これらの研究には、30年を掛けることになっている。注目に値するようないかなる医学的データも、今のところ、発表されていない。これに並行して、今回の青い蝶の研究を発表した生物学者たちのチームは、今度は、放射線が動物に及ぼす影響の研究に取り組む。その結果は、数年後にならなければ分からないだろう。
* ベラルーシのユーリ・バンダイェフスカイア医師は、チェルノブイリの大事故が健康に及ぼした影響について研究していたが、1999年に逮捕され、2年の実刑判決を受け、その後これが8年に延長された。また、同医師は、子どもや大人に現れる、微小線量のセシウム137の有害な効果を明らかにし、また、住民を保護する措置をとるよう、政府に呼びかけ続けていた。
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(投稿者より)
フランス24サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
「もともと東北地方ではヤマトシジミの突然変異が多い」、という指摘もあるようで、研究結果だけから何かを判断には慎重さが必要です。それでも、記者はNPO団体の会長を務めたバーゼル大名誉教授の訪日についてのインタビュー記事や、クリラッド代表の見解と重ね合わせることにより、記者はこの弱点を補う試みをしています。
私は研究結果そのものよりも、日本の当局や研究者の姿勢を問う、記者の指摘を取り上げたいと思いました。専門家の不勉強、困ったものです。福島の事故が子どもに及ぼす医学的影響を研究すると、その学者は脅しを受けるそうです。
日本以外では、どこのメディアもこの一件を取り上げているようですが、こういった理由から、今回はこの記事を選びました。こういったことも、日本の新聞・テレビは伝えないのではないのでしょうか。
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