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http://www.fairewinds.org/content/can-spent-fuel-pools-catch-fire
アーニ・ガンダーセン氏の最新ビデオの要約です。
今回は燃料プールの火災について。
ウランの核分裂により95%は熱になるが、残り5%は核分裂生成物質に残る。
冷えるのには5年以上もかかり、使用済み燃料プールでの冷却が必要。
ウランは小指ほどの大きさのペレットの中にあり、4メートルもの鞘にはいっている。
その鞘はジルカロイド製である。ジルカロイは空気中で加熱すると燃える。
自燃性であり燃え出すと水をかけても消せない。
ペレットの収められた鞘は何本かずつ束ねられている。
4メートルもの長さであり、これを原子炉から引き上げ、燃料プールへ移動させる。
2011年4月にジルカロイの鞘一本が空気中で燃えることをビデオで示した。
破片がテーブルの向こう側へ飛び跳ねた。自燃であり、炎は上がらず、
内部に熱源がなくても空気中で燃えた。
このような現象が使用済み燃料プールで起きるのか?
4号機で懸念されていることは何か?
福島第一では4基とも危機的状況にあるが、とくに4号機が懸念されるのはなぜか?
マークI型原子炉では、使用済み燃料プールには格納容器はなく、
事故が起きれば放射性物質が大気へ放出されてしまう。
事故前に4号機の燃料はすべて原子炉からプールに移動した。
これは4号機特有の状況である。
建屋底部に湾曲があり、第1モードのオイラー支柱湾曲(first mode Euler strut bulge)と
呼ばれるものである。
建屋には明らかに爆発ではなく地震によるダメージがある。
燃料はすべて燃料プールにあり、地震と爆発で建屋が壊れた。
これらが世界中が4号機に注目する理由である。
米国NRCは燃料集合体が空気中で燃焼するかどうか確かめるため、サンディア国立研究所に
テストを依頼した。偶然にも福島の事故の2週間前にテストは行なわれた。
熱源は本物のペレットではなく、トースターなどに使われる抵抗体だが、本物と同じ熱量を発する。
5時間の実験ビデオを1分に短縮したものをお見せする。
左上は燃料集合体で何本もの電線が出入りしている。加熱およびモニタ用のワイヤである。
右は、横から見た燃料集合体の上部と下部。
5時間のテストで膨大なデータが得られた。フェアウィンズのサイトにリンクがある。
最初のビデオは加熱直前の燃料集合体。直後に加熱、すでに煙が出始めている。
煙が上がれば燃えているということ。最後のビデオでは燃料集合体、ジルカロイが空気中で燃えている。
着火したのではなく、熱を加えただけで空気中で燃え出したのだ。
繰り返すが、これはシミュレーションであり、電熱を使った実験だが、
燃料集合体1体が空気中で燃えることは明らかだ。
困ったことに、4号機の燃料プールには1体どころか1500体もの燃料集合体があり、
そのうち300体は原子炉から移動したばかりで、かなりの熱をもっている。
さらに悪いことに、日本では熱い燃料をまとめてプール内に保管している。
米国では、市松模様のように熱いものとそうでないものを交互に置き、発熱を分散させるが、
日本ではそれをせず、熱いもの同士を隣り合わせに置いている。
燃料プールで火災が起きうるのだろうか?その証拠となるビデオを得た。
ではそれが実際どう起こるのか。
この7月始めに、燃料プール冷却システムがダウンした。
7日間、主ポンプと補助ポンプの両方が動作せず、冷却が止まった。
113万リットルもの水の温度が毎日10℃ずつ上がっていった。
1週間で沸騰し始め、もう1週間あれば水位が下がって燃料が露出しただろう。
そしてこのビデオのように燃料は燃え始めただろう。
2週間の猶予があったわけだが、冷却システムは大抵2週間あれば復旧できるから問題はない。
問題は地震である。
建屋はすでに構造的なダメージを受けており、次の地震により冷却水が漏れたら万事休すだ。
燃料を冷却する手段はない。発熱量は莫大だ。燃料は燃え出し、ジルカロイに収まった
ウランが大気へ放出されるだろう。
ブルックヘブン研究所の1998年の研究によれば、燃料プールの火災により18万人が発ガンし、
半径60キロの地域が永久に住めなくなる。
この研究は、ウランの量を福島の燃料プールより少なく仮定しているので、
実際はもっと被害はひどくなるだろう。
原子力業界が何と言おうと、地震で水が抜ければ燃料プールで火災は起きる。
これは4号機だけの問題ではない。
米国には23基のマークI型原子炉があり、4号機よりも多くの燃料を抱えている。
これは国際的な問題だ。世界で一番マークI型原子炉があるのは米国である。
日本政府と東電に一刻も早く燃料をプールから取り出すよう圧力をかけるべきだ。
地震が来て火災が起きるかどうか待っていられない。
NRCには、米国内23基の燃料プールから燃料を取り出すよう要求すべきだ。
原子力産業は金を節約するため、燃料プールを空にしようとしない。
フェアウィンズ・エネルギー・エジュケーションは、福島の事故以来、世界的に重要な技術問題を
取り上げています。その一つがマークI型原子炉の燃料プールの問題です。
フェアウィンズは非営利団体であり、ビデオ作成や研究等にお金がかかります。
どうか引き続き寄付をお願いいたします。
---(コメント)----
例によって、ガンダーセン氏の説明は論理的かつ明快です。
冷温停止どころか、我々は薄氷の上に立たされている、一触即発の状態であることは明らかです。
国家として総力を上げて取り組まなければならないのに、いったい政府は何をやっているのでしょうか?
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