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「安全神話」崩壊でも懲りない/中部電力の「議員ご招待」/浜岡原発格安<バス送迎、食事付き>“接待ツアー”
「しんぶん赤旗・日曜版」 2012年8月19日号 35面
バス送迎・食事付きで地方議員を招待―。運転停止中の浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働を狙う中部電力が、地元の地方議員を対象に浜岡原発“格安”ツアーを行っていることが編集部の調べでわかりました。その“接待”費用は、総括原価方式のもとで国民の電気料金に転嫁できる仕組み。「安全神話」崩壊のもとでも懲りない電力会社の実能は…。 山田健介記者
ここに編集部が入手した中電の文書があります。
「浜岡原子力発電所『地震・津波対策工事現場』見学会について(ご案内)」
今年4月、愛知県内の中電営業所長名で同県のある地域の地方議員らに出されたもの。案内文には「議長さまをはじめとする各議員さまを対象とした浜岡原子力発電所の見学会を下記のとおり計画させていただきました」と記され、日時、行程などが示されています。さらに…。
参加者には6月、中電から「参加者各位 浜岡原子力発電所(地震・津波対策工事現場)見学会について」と題する文書が届きました。
「弊社浜岡原子力発電所(地震・津波対策工事現場)見学会にお申し込みをいただき誠にありがとうございます」
そこには出発時間や集合場所、見学スケジュールなどが記されていました。
「これでは“安全神話”洗脳だ」/参加者語る
編集部は、この“浜岡原発見学会”の参加者から話を聞くことができました。「確かに中部電力に招待されて見学会に参加した」と語る地方議員によると…。
―7月中旬の午前中、約30人の地方議員が中部電力の貸し切りバスで浜岡原発に向けて出発した。
―昼食は、中電社員に案内された食堂でした。テーブルには大きな和風のお膳が既に並んでいた。
―午後からは浜岡原発で津波対策工事の現場や5号機建屋内などを見学。「非常用電源は高所にあるし、原子炉建屋の扉は密閉度が高く、津波にたいして何重もの安全策をとっている」と強調していた。
なかでも参加議員が疑問に思ったのが帰りの貸し切りバス車中でのビデオ上映。上映したのは東京大学医学部付属病院の中川恵一准教授が出演する「放射線医からのメッセージ 被ばくと発がんを知る」です。
―広島は被爆したが、長寿県だ。被爆者手帳が配られ、手厚い医療でがんの早期発見も進んだだろう。今回の福島も適切な医療が手厚く施されれば実は長寿にすることができる…。
参加議員は「これを福島や広島・長崎の人たちがみたらどう思うか。これでは電力会社が“安全神話”を押しつける洗脳じゃないか」といいます。
費用はどうしたのか―。前出の文書では参加費について触れていません。参加議員は「このご時世に全額中電持ちということにならないように、議員1人3000円出した」と話し、続けます。
「朝から夕方まで、貸し切りバスで高速も使い、中電社員が添乗して昼食も付く。1人3000円ではすまないと思った」
実際、複数の貸し切りバス会社に見積もりをしてもらうと、高速代金や駐車場代、保険料などの経費を除いても1台8万〜12万円が相場。これに高速代金や食事代などを含めると1人3000円は軽くオーバーします。
別の町でも
中電が地方議員に「浜岡原発の送迎食事付き」ツアーを招待していたのはこのケースだけではありません。
静岡県中部にある川根本町議会の日本共産党の鈴木多津枝町議が語ります。
「うちの議会にも中電から見学会の招待があった。しかし全国で原発再稼働の是非が問われている中で、接待まがいのツアーに乗るのはおかしい、と私が抗議し、議会主体の視察に変わりました」
“格安”ツアーだけではありません。静岡県御殿場市などで中電は『放射線のはなし』などのパンフレットを全議員に配布。愛知県あま市ほか複数の議会で、原発関係の嘆願書や意見書が出ると社員が議会の傍聴などをしています。
編集部の取材に中電広報担当者は、地方議員を対象に中電が費用負担する送迎・食事付きの見学会は「ある」と認めた上で、その詳細については「回答をさし控える」としています。
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