http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/515.html
Tweet |
悪いことはやめてくれと言い続けましょう 瀬戸内寂聴さん(作家)
さようなら1000万人アクション「発言録」さようなら原発10万人集会;代々木公園:2012年7月16日http://sayonara-nukes.org/2012/07/120716hatugen/
悪いことはやめてくれと言い続けましょう
呼びかけ人:瀬戸内寂聴さん(作家)
今日ここで、こんなにたくさんの日本人に会えてとてもうれしいです。さきほど大江健三郎さんは七七歳とおっしゃいましたが、私はこの五月で満九〇歳になりました。こんなにたくさんの人がいらっしゃいますが、おそらく私より年上の人はいらっしゃらないと思います。
この歳になりますともう、死ぬことしか考えておりません。今夜死ぬか、明日死ぬかと思っております。今日私がこちらへ来るといいましたら、足手まといになるから、危ないから、九〇のおばあさんは家で寝ていろと注意してくれた人があり
ました。でも、私は冥途の土産に、皆さんのこんなにたくさん集まった姿が見たかったのです。それで京都からやってきました。
私はこれまでいろんな小説を書いてきましたけれども、ちょうどI〇〇年前に日本で起こった大逆事件や、女性の自由への運動などを書いております。昨年がI〇〇周年だったのですが、マスコミはほとんどどこも取り上げませんでした。私はひじょうに情けないと思って、改めてそれを書き直したりしました。ただ、新聞に書いたものですから、今の若い人たちは新聞を読んでくれないので、それをまた本にいたしました。
なぜ、そういうことをしつこくするかといいますと、100年前の日本では、人間の自由が奪われた時代があったからです。自分のためではなく、人類のために、他人のために、国民のために何か新しい政治をしようとしたら、ぜんぶ捕まって何もできない時代がありました。それを「冬の時代」と申します。その冬の時代をへて現在があるわけですが、いま私たちが毎日何不自由なく暮らしていけるのは、ぜんぶ過去の人たちが、さまざまな苦労をして。、さまざまな反逆をして、人間の自由を守ってきたからこそなのです。
私たちのこの集まりを、首相が聞くことをしない。あるいは、このなかに一人でも国会議員がいらしたらいいのですがそういう気持ちがあれば、私たちの声をもっと聞いてくれると思います。しかし、いくらこうして集まっても、私は九〇年生きてきましたからひじょうに懐疑的なのですが、これがたちまち原発をとめるとか、政府の方針を変えることになるかどうかわからないという疑い深い気持ちを持っております。
それでも私たちは集まらなければならないのです。なぜならば、私たちは税金を払った日本の国民だからです。政治に対して言い分があれば、口に出して言っていいのです。体に表して行動していいのです。そういうことを今の人たちはあまりにしなくなりすぎました。皆さんは、ここに集まって下さっただけで、そういう気持ちを持った人たちだと思います。ですから、力を合わせて、たとえむなしいと思うときでも、それにめげないでがんばっていきましょう。意見を言いましょう。行動して反対を表わしましょう。
人間が生きるということは、自分以外の人のために少しでも役に立ち、自分以外の人間をあるいは生き物を幸せにするということです。そのために命を頂いているのだと思います。これは私だけの問題ではなく、みんなの問題であり、国じゅうの問題であり、世界につながる問題です。だから、悪いことはやめてくれと、たとえ相手がしぶとく聞かなくても言いつづけましょう、行動で反対しつづけましょう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素26掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。