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株式日記と経済展望
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真山仁(著) 「ベイジン」 電源を失った原子炉、火災や爆発、海水を消防車
でくみ上げて放水…。いま、まさに福島で起こっている事態を予言した小説
2012年8月9日 木曜日
どこか「大地の子〈1〉 (文春文庫)」の上海宝華製鉄建設のシーンとイメージが重なる。
政治的建前が全てに優先し、熾烈な権力闘争が繰り広げられる点(本書では、特に中紀委と政治実力者)、あるいは、日本に対する侮蔑的感情の発露は、どこか似ている。
下巻では、福島第1原発の事故を予見していたかのような血も凍るような迫真のシーンが展開される。
福島第一と紅陽核電のステーションブラックアウトに至る原因の違いはあっても、それ以降の進展や基礎操作には類似を感じる。
電源喪失は、ラジオの発火により火災発生→配電盤焼損→ディーゼル発電機起動→同発電機で火災発生→コントロールベンディング(ベント操作?直流電源と手動で操作できるとある)→消防車を使ったフィード・アンド・ブリード→海水の炉心注入。
外部からの電源は、電線が盗難に遭ったため供給を受けられず。消火は対放射線装備が完璧な軍が当たるが、なかなか消火できないという壮絶なシーンが続く。
ベント操作、消防車による注水、海水の注入とか、どこかで聞いた話と思わざるを得ない。しかし、福島では、同時に4基に同じトラブルが発生したと考えると、絶望的な状況だったと考えざるを得ない。
原子力に対する警句はあちこちに出てくるが、最も印象的なのは、「そんなことは、万が一にも起きません。しかし、人間のやることに絶対はないですからね」か。
あと、「原発は、我々にすばらしい恩恵を与えてくれる。だが、人間の心に隙が生まれた瞬間、神の火は、悪魔の劫火に変わる」か。
この後どうなったか(発電所も登場人物も)知りたいところで本書は終わる。
ハゲタカ同様、続編があると期待している。
◆原発事故予言ハゲタカ作家「菅政権の判断ミスは犯罪的だ」 2011年4月16日 ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110416/plt1104161545002-n1.htm
電源を失った原子炉、火災や爆発、海水を消防車でくみ上げて放水…。いま、まさに福島で起こっている事態を予言したかのような原発事故を3年前に小説で描いていたのが、『ハゲタカ』で知られる作家の真山仁氏(48)だ。菅政権の「犯罪的な」判断ミスが事故を悪化させたと批判する真山氏が、今後想定される「食糧危機」への備えや、新たなエネルギーとしての地熱発電の可能性について語った。
2008年初版の真山氏の小説『ベイジン』は、日本人エンジニアの指導によって中国に建設された原発が完全に停電する「ステーション・ブラックアウト」(全交流電源喪失)がモチーフになっている。
――小説を現実が再現するような展開となった
「当時、ステーション・ブラックアウトを小説に使いたいと言うと、何人もの原発関係者に『ありえないものを小説にするのはやめなさい』と言われました。地震による緊急停止は想定内でも、自家発電の電源まで失われる事態は想定していなかったのでしょう。今回、震災当日の夜に原発が停電になったと報じられた時点で『これは大変なことになるな』と思いました」
――その後の事故対応で問題なのは?
「いまだに東京電力が前面に出て対応している点です。電力会社だけで止められなくなった瞬間に国が動くべきだった。すぐ水を入れればよかったのに、一刻一秒を争う処理を誤ったから、まだ止まらない。処理を東電に預けた菅政権の判断は犯罪的なぐらいにまずかった」
――判断を誤った理由は
「役人の知恵を生かせないという民主党政権の弱点が最悪の形で出ました。経済産業省にはIAEA(国際原子力機関)に出向しているプロもいるし、原子力委員会にはIAEAで原子力部長を務めた委員もいる。(核燃料再処理施設のある)青森県六ケ所村にもIAEAの人間はたくさんいます。彼ら原発のプロになぜ任せなかったのか」
――菅直人首相は指導力をアピールしたがっているが
「何もできない人ほど何でも自分で決めたがるものです。大きなトラブルのとき、決裁権は現場に下ろすのがルールなのに、菅政権は自分が決めたいけど決められないのでたくさんブレーンを入れるだけ。対策本部ぐらい福島県庁に作るべきです。大臣もちょっと現地を見に行く程度で東京から離れない。政権が『俺たちは命がけだ』という姿勢を見せるべきだ」
■「まずは古い原発を止めろ」
――事故を収束させるにはどうすればいいか
「日本政府の手から離して米軍や国連など国際チームに任せるしかないのではないか。世界の原発関係者には『1つの原発が止まると世界の原発が止まる』という認識があり、フランスや米国にとっても他人事ではない。世界中の専門家によるチームを作るべきだ」
――日本の原発は信頼を取り戻せるのか
「震災の復興より時間がかかるかもしれない。まず何が何でも安全に止めること。そして津波に関する提言を無視したことを含めて何がダメだったのか徹底的に検証する。そのうえで、今回の事故が異例中の異例だったと説明できないと、他の原発も止まってしまう」
――今後のエネルギー政策については
「停電でこれだけ騒ぎになっているので、原発をゼロにすることはできないと思うが、無理させないことが重要。危ないのは新しい原発ではなく古い原発。まず古い原発を止めるのが大事です」(後略)
(私のコメント)
夏休みも本格化してきましたが、安い文庫本で読み応えがある小説として真山仁(著)の「ベイジン」が面白いのではないだろうか? なぜならば現代の中国と原発災害を主題とした小説だからであり、「NHK」のテレビドラマにもなった「ハゲタカ」の小説の原作者でもあるからだ。時代感覚が鋭いと言うか「ハゲタカ」も「ベイジン」も、それが現実に起きたと言う点では面白い。
「ハゲタカ」も、リーマンショックで全員ショック死したようですが、「ベイジン」も現実に福島第一で起きている事であり、それが今でも続いている。私自身小説はほとんど読まないし、「ベイジン」という小説も本屋で見かけても中国の北京が舞台の小説だろうと言うくらいしか関心がなかった。たまたまネットサーフィンしているうちに「ベイジン」という小説がアマゾンのカスタマーレビューに有るように原発災害を預言した小説である。
小説では、「電源喪失は、ラジオの発火により火災発生→配電盤焼損→ディーゼル発電機起動→同発電機で火災発生→コントロールベンディング(ベント操作?直流電源と手動で操作できるとある)→消防車を使ったフィード・アンド・ブリード→海水の炉心注入。」と言う段階を進みますが、全停電常態となった原発が爆発すると言う点では同じだ。
消防車で海水注入も同じですが、昨日公開された東電のビデオでは「海水を注入すると廃炉になるから真水を使えと言った指示」があったようですが、福島原発の所長の吉田所長が「今から真水というのはないんです。時間が遅れます、また」「真水でやっといた方が、塩にやられないから後で使えるということでしょ」と言ったやり取りがあった。
これは菅総理が東電任せにしていたから起きた事態であり、政府が主体になって自衛隊や消防署を動員して対処すべき状況だった。にも拘らず菅総理自身が現地に駆けつけたり現場に指示を飛ばしたりして作業を混乱させた責任は大きい。最終的には東電は全員の撤退を決意したようですが、そうなっていたら使用済み核燃料棒が爆発して東日本全体が汚染地帯になるところだった。
小説を書いた真山氏によれば、「当時、ステーション・ブラックアウトを小説に使いたいと言うと、何人もの原発関係者に『ありえないものを小説にするのはやめなさい』と言われました。地震による緊急停止は想定内でも、自家発電の電源まで失われる事態は想定していなかったのでしょう。今回、震災当日の夜に原発が停電になったと報じられた時点で『これは大変なことになるな』と思いました」と述べていますが、素人の作家が予想できた事が専門家には予想が出来なかった。
私も最近は夏ばて気味で本を積読状態ですが、「ベイジン」は面白そうだから読んでみようと思う。文庫本だから安く買えるだろう。カスタマーレビューでも「続編を期待している」と書かれていますが、福島第一はどのように収束するのだろうか? 野田総理は「冷温停止状態」を宣言しましたが、溶けた核燃料はどこに行ったのかも分からない。むき出しの核燃料棒はどうするのかも目処がついていない。
最終的には無人のロボットを開発して解体していかなければならない。解体には40年かかると言う事ですが、一部地域は永久に人が住めない地域になってしまった。セシウムなども関東全域まで広がり河川などに濃縮してヘドロ状態になって蓄積される。つまり関東でも放射能汚染で立ち入り禁止区域が増えていくと言う事だ。福島第一では今でも核燃料が露出状態であり間断なく巻き散らかっている。テントで覆うしか防止手段は無い。
今回の原発事故でも分かるとおり日本の原発専門家達は無責任であり、誰もまだ責任を取ってはいない。平時には専門家と言う事で高給を取りながら、経済産業省の保安院たちは真っ先に原発から逃げ出した。日本のエリートは役立たずの教育を受けており、原子力に限らず経済問題でもバブル崩壊に対して有効な手が打てていない。財務省や日銀の高級官僚も想定外のことに関しては想像力が欠けているから役に立たない。
日本には自称プロと称する原子力の専門家達がたくさんいるはずなのに、一部の人を除き誰も発言しないし、国会前には「即時原発廃止」を訴えるデモ隊が動員されている。福島第一が100%安全と言える状態になるまでデモは続くだろう。専門家達は口をつぐみ一般人が賛成だの反対だのとやっているのは馬鹿げていますが、中国や韓国との歴史問題でも専門家は口をつぐみ、私のような素人が政治経済歴史ブログを書いているのは、真山氏が「ベイジン」を書いたのと同じだ。素人のほうが直観力があるからだ。
政局についてですが、谷垣総裁も野党が主導権を持った状況でも「どじょう」に逃げられてしまったようでは、自民党総裁選挙でも再選は難しいだろう。「近い将来」とは1年後でも近い将来であり、詰め切れない谷垣総裁のだらしなさが自民党のだらしなさにも繋がります。法案採決では自民党は集団で棄権するようですが、まさに国民をないがしろにするものであり、民主党内にも増税に反対する議員が20名以上はいるにも拘らず不信任決議を通せないようでは谷垣では首相はやらせられない。
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