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美浜原発3号機死傷事故から8年 信頼回復へ安全文化の再構築鍵 (福井新聞) 安全文化??
http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/385.html
投稿者 ナルト大橋 日時 2012 年 8 月 09 日 10:57:53: YeIY2bStqQR0.
 

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/36242.html

2012年8月9日午前7時43分

 作業員11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)蒸気噴出事故から9日で丸8年となる。再発防止策の実施状況を外部の有識者が監視する原子力保全改革検証委員会は5月、「取り組みに風化の兆しは認められない」との見解を示したが、東京電力福島第1原発事故により原発自体や電力会社に対する国民の信頼は失墜。関電は今後、福島の教訓を踏まえた中長期の安全対策を実施し、検証委も進み具合を随時チェックしていくが、信頼回復は容易ではない。

 美浜3号機の死傷事故を受け関電は、メーカーや協力会社との協業体制構築、2次系配管肉厚管理の重要性に関する社員教育など29項目の再発防止策を策定。原子力保全改革検証委員会で行動計画の進ちょくを点検してきた。昨年3月、運転中のタービン建屋などへの立ち入り制限を社内で標準化し、全29項目の正式なルール化が完了。日常業務の中で改善していく段階に入っている。

 しかし、同月起きた福島の事故では、国の安全設計審査指針で「考慮する必要はない」とされていた長期間の電源喪失に陥った。安全性が根幹部分から揺らいだ形で、政府の事故調査・検証委員会は7月に発表した最終報告で「炉心溶融のような過酷事故が起こり得ないという安全神話にとらわれ、危険を現実のものと捉えられなくなっていた」と東電や国の姿勢を厳しく批判した。

 福島の教訓を踏まえ、電力各社は電源や冷却機能を多重化、多様化する緊急安全対策を実施。ただ、さらなる安全性向上に向けた免震事務棟などの中長期対策は今後の課題として積み残しになっており、大飯3、4号機の再稼働時に強い批判を受けた。関電は4半期ごとに実施状況を国に報告するとともに、美浜3号機事故の対応を生かして外部の視点として検証委の点検を受けるようにした。

 一方、検証委は「情報提供において、事を小さく印象づける説明をしようとする傾向がないか留意を」とも指摘し、信頼回復に向け徹底した情報公開を求めている。

 関係者間の情報共有や透明性の確保は、福島事故の大きな教訓の一つ。大飯3、4号機の再稼働に際しては、国や関電、メーカー、県などでつくる特別な安全監視体制の下で、従来の基準を超えてさまざまな事象を速やかに公表してきた。

 県の岩永幹夫原子力安全対策課長は、事業者や国、県が安定的な運転のために共有すべき情報と県民に公表すべき情報は異なることもあるとした上で「外に向けて出すべき情報は正確、迅速に公表することが安心につながる」と指摘する。

 関電は「原子力への信頼回復には安全対策などを丁寧に説明していくことが最も大事」(地域共生・広報室報道グループ)との姿勢。住民の不安解消のため、立地地域はもちろん、関西の自治体などへの積極的な情報提供も重要としている。

 政府の事故調は最終報告で国、東電とも「安全文化が十分に定着しているとは言い難い状況だった」とも指摘しており、原発をめぐる根強い不信感をぬぐい去るには安全文化の再構築が大きな課題となりそうだ。
 

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