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事故直後の東電テレビ会議映像のやり取り
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6515952.html
2012年08月07日13:04 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
twitterで東電テレビ会議のまとめを記事にした北海道新聞の画像と出会いました。
ちびた母さん@chibitakasan
『東電が公開した会議映像のやりとり』北海道新聞 pic.twitter.com/vk2sZr5N
2012 8月 7
貴重なやり取りだと思うのでテキストにおこしてみました。
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●12日
第1原発では東日本大震災の津波の影響で全電源を喪失,原子炉を冷却できなくなり,昨年3月12日午後3時36分,1号機原子炉建屋が水素爆発した。
この部分の音声はない。しかし本店や第1原発など5ヶ所を1画面にまとめた会議映像では,右上の第1原発免震重要棟内の緊急時対策本部だけが,激しく揺れた。第1原発の人の動きが一層あわただしくなった。
●13日
1号機の爆発では建屋の上部が吹き飛んだ。一夜明けた13日早朝には第1原発の吉田昌郎所長が弱った声で本店を呼び出した。
吉田所長「1号機の燃料プール,今あの,むき出している。(水素爆発で)飛んじゃったから。水源がないので知恵が出てこない…」
本店幹部は絶句する。
小森明生常務(本店)「消防で水を突っ込むか」
吉田所長「近寄れないんで」
小森常務「実現可能な話をすぐ思い付かない」
13日午後になると,吉田所長が2号機への海水注入ラインが使える状態になっていないことを本店に訴えた。
吉田所長「かなり勇気がいるんだけど,これはもうじじいの決死隊で行こうかと相談していた。2号機が同じ状況になると非常にまずい」
13日夜,爆発の恐れが懸念される3号機について勝俣恒久会長が官邸に詰めていた武黒一郎フェローと電話で話した。武黒フェローが何を話したのかは分からない。
勝俣会長(本店)「そんな話をして国民を騒がせるのがいいのかどうかは首相の判断だけど。社長会見では否定するよ」
3号機はさらに状況が悪化。いくら注水しても原子炉に水がたまらない。14日午前3時ごろ,武藤栄副社長がうなった。
武藤副社長(オフサイトセンター)「ということは何なの。水が漏れているってことか。どこから…」
圧力容器の圧力が急上昇し爆発の懸念が高まった。うわずった声で吉田所長が叫んだ。
吉田所長「計測可能値を下回ったじゃん,水位が。うえっ。これね,危機的な状況ですよ。完全に(燃料が)露出している状態ですよ」
●14日
14日午前11時すぎには突然,吉田所長が裏返った声で叫んだ。3号機の建屋が水素爆発した瞬間だった。
吉田所長「本店,本店,大変です。大変です。3号機,たぶん水蒸気だと思う。爆発が今起こりました。11時1分です」
本店担当者「了解。緊急連絡します」
高橋明男フェロー(本店)「1号機と同じような感じね」
吉田所長「はい。地震とは明らかに違う横揺れと縦揺れが来ました。これはたぶん1号機と同じ爆発だと思います」
小森常務(同)「現場の人,退避」
清水正孝社長(同)「緊急に関係箇所に連絡して」
吉田所長「二つの爆発があって,職員がみんな落ち込んでいる。被ばく線量がみんなパンパンになってきている。配慮をぜひお願いしたい」
清水社長「可能な限り対処しますので,何とか今しばらく頑張って」
1,3号機に続き,2号機も14日夕には危機的な状況に陥っていた。冷却機能を失い,原子炉が空だきになる恐れが高まっていた。最悪の事態を避けるため,格納容器内から蒸気を放出して圧力を下げるベントや,海水注入を急ぐしかない。しかし社内はあふれる情報で混乱をきたしていた。
増田尚宏第2原発所長「2F(第2原発)から1Fに消防車を持って行けって言われたんですが,来たのは消防士4人で消防車は来てません」
本店担当者「そのまま行ってください。消防車(の指示)がうそでした」
ベントをめぐって原子力安全委員会の斑目春樹委員長から直接,現場に指示が入り,混乱に拍車がかかる。
吉田所長「今,斑目先生から電話が来て,ベントより先に注水すべきだと」
本店担当者「そこは判断だと思うんですが,先にベントをやったほうがいいと思う」
吉田所長「思うのはいいけど,今は時間がない。安全委員長ならびに官邸がすぐにやりなさいと言ってるけど,それでいいのかって聞いてるんです」
高橋フェロー「吉田君さあ,方針通りということで斑目先生にご説明することだな?」
吉田所長「本店の方でフォローをちゃんとしていただきたい」
清水社長「斑目先生の方式でいってください」
遅々として進まないベントとの準備,官邸からの介入。現場のいらいらが募る。
高橋フェロー「もうベント弁開いてなきゃいけない時間じゃないの」
第1原発担当者「今,作業してます。ちょっと待ってください」
吉田所長「ちょっと待ってくださいじゃ分からないんだよ。だから脇に置いとけって,状況確認するやつをさあ」
東電は第1原発からの全面撤退を検討したのか。官邸中枢も巻き込んで大きな議論となった。「退避」をめぐるやりとりは14日午後7時28分ごろの映像に残っている。
小森常務(オフサイトセンター)「退避基準を考えておかないといけない。中央制御室に居続けることができるかどうか,どっかで判断しないとすごいことになるので」
本店担当者「すいません。退避基準,頭に入ってないです」
高橋フェロー「全員のサイトからの退避は何時ごろになるんですかね」
本店で周囲の役員に相談する高橋フェロー。その後,こう発言した。
高橋フェロー「今ね,1Fにいる人たちみんな,2Fに避難するんですよね。その時に2Fで水がほしいと言っているので,いってる部門の人は話を聞いてあげてほしい」
清水社長「現時点ではまだ最終避難を決定しているわけではない。しかるべき所と確認作業を進めている。プラントの状況を確認しながら決めます」
映像には「みんな」「全員」との言葉が出てくる。しかし東電が全面撤退を検討した明確なやりとりはなかった。
●15日
東電が全面撤退する意向だと考えた管直人首相は15日早朝,本店に乗り込んだ。この部分は音声が記録されていない。
マイクを手に本店や現場,オフサイトセンターの面々に語りかける管首相の後ろ姿が写る。2回にわたる演説は計約14分に及び,最初のうちは歩き回る職員らの姿が目立ったが,管首相が激しい身ぶりを交えはじめると,五つの画面からは動きが消えた。
東電側が残したメモによれば,管首相はこの時,「撤退したら東電はつぶれる。逃げ切れないぞ。60(歳)になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く」と迫ったとされる。
(肩書はすべて当時)
(北海道新聞)
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すごい,これだけでも何人かの人を刑事処分するだけの証拠になり得る記録です。
勝俣会長に「そんな話をして国民を騒がせるのがいいのかどうかは首相の判断だけど。社長会見では否定するよ」と言わせた武黒フェローの話が気になりますね。
あと,消防車(の指示)がうそでした」って。
さらに,清水社長が最終避難を決定する際に確認をした「しかるべき所」って,米軍のことですかね。気になります。
最後に,「撤退したら東電はつぶれる。逃げ切れないぞ。60(歳)になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く」,菅さん結構いいこと言ってるじゃないですか。
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