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大部屋での人ごみを嫌い、ロッカールームで休む作業員。ここでも毎時0.019ミリシーベルトという、高い線量を測定した〔PHOTO〕桐島 瞬
「私も鉛カバーで線量計を偽装させられました」フクシマ原発作業員が本誌に激白!「仕事がなくなるだろ、と言われて・・・」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33162
2012年08月05日(日)フライデー :現代ビジネス
事故の収束メドが見えない福島第一原発で、7月21日に衝撃の事実が発覚した。福島県の中堅建設会社『ビルドアップ』の役員が、9人の作業員に、被曝量をごまかすため鉛でカバーした偽装線量計を持たせていたというのだ。昨年11月、汚染水処理システムのホースを保温材で巻く作業前のことである。同社の社長・和田孝氏は、マスコミ各社の取材に対し「(役員から)一度だけ鉛カバーを使用したと聞いた」と事実を認め、謝罪した。
だが鉛カバーは、『ビルドアップ』社だけの問題ではない。「私も鉛で覆われた線量計を持って仕事をした」と明かすのは、東京電力の孫請け企業A社で働く作業員X氏(30代)だ。A社の年間の被曝上限量は50ミリシーベルト。X氏は7月上旬に上司に呼ばれ、こう告げられた。
「『お前が浴びた線量は、これまでに30ミリシーベルトを超えているよな。上限を超えたら、仕事ができなくなる。そんな作業員がいることが分かったら、元請けに契約を打ち切られてしまうんだよ』。そう言われて、渡されたのが、厚さ5mmほどの鉛で覆われた線量計でした。線量計は携帯電話ほどの大きさで、防護服の下に着るシャツの胸ポケットに入れて作業しなければなりません。上司が言うには、鉛で覆うと計測線量は実際の半分以下になる。『お前も仕事を失いたくはないだろう』と説得され、私は渋々それを持ち、放射線量の高い、汚染水処理の作業現場に向かいました」
X氏はそれ以来、しばらく偽装線量計を使わなかった。だが7月中旬に起きた一件で、状況は再び変わる。
「その日は瓦礫を取り除く作業を数人で行っていましたが、上司からは『線量は高くない』と言われていたので安心していたんです。トラブルが起きたのは、原子炉建屋から崩れた大きな壁の一部をどけた直後です。いきなり全員の線量計から、ピー、ピーという警報がけたたましく鳴り始めました。すぐに放射線測定器で調べると、毎時1.7ミリシーベルトを測定。作業は、すぐに中止されたんです」
X氏や作業員の怒りが爆発したのは、この事件の翌日のことだ。再び鉛カバーの線量計の携帯を要求されたのである。
「上司が作業員を集めて、『このままでは仕事が遅々として進まない。また鉛で覆った線量計で作業してくれないか』と言うんです。さすがに、作業員たちは怒りを爆発させました。『俺たちの命と仕事を続けることの、どっちが大事なんだ。俺たちを殺す気か!』と。上司は『そんなに怒るなよ』と言ってその場を取り繕い作業は数日中断しましたが、こちらが反発しなければ、偽装線量計で仕事を続けさせられていたでしょう」
X氏は他の下請け企業でも、鉛カバーの線量計を使っている作業員をたびたび見かけた。だが『ビルドアップ』社が使用していることが発覚して以来、目にしなくなり、上司も口にしなくなったという。さらにX氏は「東電の作業員への対応にも問題がある」と憤る。
「『今年中に4号機周辺の瓦礫を処理していただきたい』などと、言葉は丁寧ですが、東電は命令するばかりで何のフォローもしてくれない。私たち下請け作業員が休憩や食事をしている免震棟の1階はほとんど除染されず、1~2時間いるだけで0・03ミリシーベルト被曝します。休んでいるだけで、年間7ミリシーベルト以上も浴びる計算です」
だが東電は、こうした作業員の過酷な実態を真剣に考えているとは思えない。
「(偽装線量計に関しては)事実としたら対応を検討し、管理ルールを再度徹底させます。ただ放射線測定の責任は、法律上、原発で作業する企業の元請け業者にあり、東電にはありません。また免震棟は本来休憩所ではないので、敷地内の他の建物でも休めると思います」(広報部)
まるで当事者意識の欠如した他人事のような回答である。今年1月時点で、福島第一で働いた作業員は延べ約2万人。そのうち100ミリシーベルト以上被曝した作業員は、167人にのぼる。東電が対応を改めなければ、状況は改善されない。
「フライデー」2012年8月10日号より
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